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2015年11月7日

7159 自己抗体による外眼筋麻痺:抗GQ1b抗体とFisher症候群

第53回日本神経眼科学会 聴講記2

自己抗体による外眼筋麻痺:抗GQ1b抗体とFisher症候群 千葉厚郎 杏林大学第一内科(神経内科学)
(メモを取りながら拝聴したのですが、繋がりを考えながら抄録を基に聴講記の形にしてみます。)

Fisher症候群は急性の免疫介在性の末梢神経障害であるGuillan-Barre症候群(GBS)の10%程度いて、障害神経を異にする亜型。
外眼筋麻痺、運動失調、腱反射低下の3症状により特徴づけられる。
1956年Miller Fisherによる3症例の詳細な報告と考察により1つの病態単位として認識されるようになったが、特異因子は判ってはいなかった。
1990年代以降糖脂質に対する自己抗体を中心にGBSの病態解明が進む中で、Fisher症候群に極めて特異性の高い自己抗体としてガングリオシドGQ1bに対するIgGが同定された。この抗体を軸に病態機序の解明と、関連病態との関連の理解が進んだ。

①Fisher症候群患者の80から95%で急性期血液中にIgG抗GQ1b抗体が検出される。
②抗体価は発症初期に最も高く、その後漸減してゆく。
③患者から分離されたCampylobacter jejuni, Hemophillus influenzaeのリポオリゴ糖中にGQ1b類似の糖鎖構造があり、その免疫により抗体が誘導される。先行する感染症は60-70%。
④GQ1b糖鎖抗原はヒトの末梢神経系では眼球運動に関わる3つの脳神経の傍絞輪部に特異的に高度に集積している(外眼筋麻痺との関連)
⑤Fisherの運動失調には小脳ではなくて、筋紡錘のGQ1b糖鎖抗原が関与している。(運動失調、腱反射低下との関連)
IgG抗GQ1b抗体はFisher症候群典型例のみならず、他の非典型類似病型(Fisher+やFisher-)でも検出され、重要な診断マーカーとなっている。Adieにも似たものがあるかもしれない

話の中で紹介された教訓:
1例を診たら覚えておけ、
2例見たら疑え、
3例見たら確信せよ。

清澤のコメント:80から95%に陽性であるという事は、IgG抗GQ1bが無くてもフィシャーだという事も有り得る。カンピロバクタージェジュ二等の感染も、必ずしも記載できなくてもフィッシャーで有るかもしれない。:臨床的にフィッシャー症候群を疑える症例を論ずる場合、抗GQ1b抗体も先行感染も必須の診断条件ではないという事は大事だと思いました。

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