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2015年10月12日

7065 医療事故とリスクマネジメント:押田茂實 を読みました

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押田茂實先生の書かれた医療事故とリスクマネジメント(学士會会報 No914 2015-Ⅴ 86-9)を読みました。

1、ライフワークに医療事故防止を
 昭和43年に東北大学医学部法医学教室入局、当時の赤石英教授に師事。注射事故の論文を執筆。

2、1999(平成11)年が転機
 朝日セミナーで講演。医療事故防止ビデオを作ることになった。1008年秋に6巻の企画。概論と与薬を1999年秋に完成。1999年には横浜市立大学患者取り違え事件、都立広尾病院での薬剤取り違え事件で、社会問題化した。ビデオパック「実例に学ぶーー医療事故」発売。解説本の「実例に学ぶ医療事故(医学書院)2000年」出版。

3、医療事故と医療過誤
 医療行為を合法的に行うには①免許を有する資格者が治療目的で行う。②患者がその行為を承諾していること。③医療行為が現在の医療水準に達していること。が必要。
 医療事故と医療過誤の区別がついていないエセ「専門家」がいる。
 医療事故とは、医療行為の経過中に、時に予測できない有害結果が生じることがあるそのこと。
 医療過誤とは:有害結果が医師らの判断で予防・回避可能であるにもかかわらず回避措置を怠ったという過失が認められた場合。–医療紛争や医療裁判になる。
 『医療事故ーー知っておきたい実情と問題点』祥伝社2005

4、民事事件の訴訟数及び容認率、平均審理期間
訴訟件数 平成16年1110件がピーク、平成22年793件と減少傾向。
認容率(一部勝訴を含む原告勝訴):平成15年44.3%がピーク。平成22年20.2%に減少。通常事件の認容率が80%台に比べて低い。平均審理期間も約2年。

5、リスクマネジメントの最近の動き
 ハインリッヒの法則は1:30:300の法則ともいう=死亡:外傷生存:あわや事故
一件のニアミスの先に大きな事故が潜む。『医療事故はなぜ起こるか』(押田、上杉著、晋遊社新書)
 群馬大学事件(2011-14腹腔鏡)、東京女子医科大学事件(2014プロポフォール投与)、千葉県がんセンター事件(2009-14 腹腔鏡手術で11人死亡)
 具体的なリスクマネジメントの実施が各病院で定着していたかが問われる。
 (日本大学名誉教授、東北大、医学博士、医学部昭和42年卒)

清澤のコメント:有害結果が医師らの判断で予防・回避可能であるにもかかわらず回避措置を怠ったという過失が認められた場合のことなのですね。悲惨な結果に遭遇してしまった患者の救済のために、医師や病院に責任を負わせるような判断もある時代あったやにも伺っています。認容率の低下は、それが是正されてきたという事でしょうか。

関連記事:
2009年10月21日 1094 菅家さんの冤罪事件「足利事件」の再審が開始
 https://www.kiyosawa.or.jp/archives/51343491.html

2010年06月20日 1494 足利事件で有名な法医学の押田 茂實先生のお話を聞いて来ました。
 https://www.kiyosawa.or.jp/archives/51571422.html

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