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2015年10月3日

7037:東京緑内障専門医の臨床ネットワーク:を聞いて来ました。

7037:東京緑内障専門医の臨床ネットワーク:を聞いて来ました。
2015年10月2日 明治記念館

セッション1
1)『眼底を見てOCTを理解する。ごきげん緑内障診療のすすめ』慶応大、芝大介 助教 (間に合わずテイクホームメッセージのみ拝聴。)

2)『緑内障手術とオキュラーサーフェス』順天堂大、松田彰准教授
 話題1、濾過胞リークの修復にディーセック手術の残りの強角膜片を用いることが出来る。ブレブを切除して強角膜片でパッチする。最初は結膜では覆えなくとも6月以内に上皮が伸びて移植篇を覆ってくれる。グラフトの角膜側を薄くして段差をなくす。ステロイドは長めに使うなどがこつですと。
imagesLX05QU87 話題2、強角膜パッチによるバルベルトの被覆:ゲラチナス角膜変性に今日では全層移植を避けるが、以前それが為されていた例でバルベルト弁を移植した。バルベルト弁の露出は46例中3例(6,5%)ほどある。ホフマンエルボーという角膜寄りのバルベルト弁が広がった部分が露出した例に強角膜移植をした。
(清澤注:自分がこのような手術を行うことは今後もまずないでしょうけれど、このように修復できるという知識は知っておくべきでしょう。図の中央がホフマンエルボーのあるタイプのバルベルトインプラントの図(ネットから)です。)

セッション2
『緑内障診療の面白さとむつかしさ』岐阜大 山本哲也 教授
 レジデント対象のつもりで用意されたお話との前置きでしたがロートルにも楽しく伺えました。
1)SSOHについて:10年前にはまだ知られてはいなかった。NTGにしては若い。鼻上側にリムの菲薄化。マリオット盲点から下に広がる特異的な盲点。視力は正常。患者に自覚症状無し。という共通の特徴がある。トップレス・オプティック・ディスクともいう。1989年にホイトらが17例を報告。多治見スタディーの15000人の眼底を一人で見直したら37例54眼有った。頻度は0,3%であり、POAGの10分の1もあった。『自分の臨床で感じたふとした疑問から一つのの疾患が注目できるようになったことを面白く感じている』との大きなメッセージ。

2)閉塞隅角緑内障について
:歴史上で緑内障に関する概念は大きく変わってきている。最初の大きな名前はvon Graefeで、1856年に手術した虹彩切除が効く緑内障があることを1857年に報告している。この例では、虹彩の膨隆、発作後に起きる乳頭陥凹なども、更にNTGには虹彩切除が無効なことも的確に記載していた。失明眼で眼圧降下を試し、後に実際の患者で行って有効とした。

 もう一つの名前は1920年のCurrenである。(http://www.alcon.com/docs/Alcon_Timeline_Glaucoma.pdfに見つかりませんが?)

 レーザー虹彩切開術という名称は演者が卒後3年の時に名付けた山本、白土、北澤という著者名の論文に有るという。このときに演者は20回もの修正指示に出会って、論文というものは理路整然と「数学の証明」をするように記載されるべきものだと知ったという。この虹彩切開は一時多く行われたが、今は角膜内皮障害を恐れて多くは行われず、むしろ早期に水晶体を取るように変わった。大きな教訓:『新技術には時に思わぬ落とし穴が有るので慎重に。』
 狭隅角にはタイプb(根元bottomから角膜と虹彩が接近する)とタイプs(虹彩の途中がシュワルベ線に接近するタイプ)があることに気が付いた。

3)もう一つの緑内障治療のブレークスルーはマイトマイシンCをトラベクレクトミーの時に使うという手法で有った。これは翼状片手術からの着想で、これも良い方法だが、術後感染が2%、殊に眼内炎が1%という数字は容易に容認できる数字ではない。

 清澤の感想:お示しになったいくつかの教訓がとても生きたお話でした。
フロアで昨日の疑問にもお答えいただきました。昨日のブログで私が疑問を感じたバンへリック隅角グレーディングの矛盾は確かに有るそうです。つまり「前房が角膜厚の0,75倍(角膜厚の2分の1と1の間)の時に入れられる区分が存在しない」という話です。
低いグレード1や2が問題で有って、グレード3や4は問題ではないから特に誰も指摘しなかったというシステムの欠陥だそうです。この方法は感度は良いけれど特異度はそれほどでもないから、それなりの扱いでよいのでしょうとのコメントでした。むやみに散瞳を薦める訳ではありませんが、確かにバンへリックがグレード1から2でも、散瞳したとしても眼圧は上がらない人が大半のようです。

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