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2015年9月30日

7029: 細隙灯顕微鏡検査による前房深度のスクリーニングの話です.

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 眼科の従事者であれば、研修医でも隅角の深さを細隙灯で見る方法は勿論ご存知ですよね。知識としては知っていたのですが、最近意外と隅角の浅い人が多いことに改めて気づかされています。

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 その理由は当医院のOCTが最近リプレースされて前房隅角のOCTが見られるようになったことです。(まだ、前眼部OCTの認可を貰えてないので、請求はしませんが、)その目で見ると前房の深さが角膜厚の2分の一以下の人は意外と多いです。

 臨床医によく使われるのはバンへリックvan Herick 法ですが、下の表を見直すと、これっておかしくないですか?つまり2分の1から角膜厚までの前房を入れるところがないようですが?。

 シェッファーの分類では隅角の広さを0、10、20、それ以上と分けています。バンへリックとシェッファー分類が果たして対応しているのかいないのか?ちょっと微妙です。
閉塞隅角の眼のグレードの方が低く、解放隅角はグレード4までである点は共通です。そしてバンへリックにはグレードゼロはありません。グレードという概念を使っている先生方はどちらの分類であるか自覚しておいでなのでしょうか?

(私たちが入局したときは必ず英文のベッカー・シェッファーの緑内障教科書を買ったものでした。今の人は緑内障の教科書では何を買っているのでしょうか?)

 そして、シェイの分類では0からⅡまでしかありません。
 (シェイ教授は、今では知る人も少ないでしょうけれど、その昔はペンシルバニア大学眼科:シェイ研究所と呼ばれる病院にいました。1985年頃でも、神経眼科に回されてきた古い患者さんのカルテを見るとシェイ先生のサインの有る手紙がカルテの中に残って居たのを見たのを思い出しました。その頃には既に引退しておられて、実際にシェイ先生にお目に掛かる機会はありませんでした。)

 前眼部OCTが使えますと、シェッファー分類に示される隅角の広さを画像上で5度、10度、20度、30度以上と画像上に線を引いて計測することもできそうです。自分が細隙灯で簡易的に評価した値が、本当に浅いかどうか確かめてみると、やっぱり浅かったか、と妙に納得できます。機会のある方はお試しください。

前房 (以下の記載は日眼会誌からの引用です。)
原発閉塞隅角緑内障の診断において,細隙灯顕微鏡検査による前房深度のスクリーニングは簡便かつ有用である.日本人は欧米人に比して,浅前房の頻度が高いことが知られている.van Herick 法は,角膜厚と周辺部前房深度を比較することにより,隅角の広さを推定する方法である.プラトー虹彩緑内障では,前房深度がほぼ正常にもかかわらず狭隅角や隅角閉塞がみられるため,その診断には,細隙灯顕微鏡検査による前房深度の評価のみでは不十分であり,隅角鏡検査が必須となる.

1.van Herick 法
細隙灯顕微鏡のスリット光束と観察系との角度を60度として,スリット光束を角膜輪部に対して垂直にあて,周辺部前房深度と角膜厚を比較することにより,隅角の広さを推測する方法である.
Grade 1:前房深度が角膜厚の1/4未満
Grade 2:前房深度が角膜厚の1/4
Grade 3:前房深度が角膜厚の1/4~1/2
Grade 4:前房深度が角膜厚以上

2.隅角所見の記載法
1) Shaffer 分類
Grade0:隅角閉塞が生じている(隅角の角度:0度)
Grade1:隅角閉塞がおそらく起こる(隅角の角度:10度)
Grade2:隅角閉塞は起こる可能性がある(隅角の角度:20度)
Grade3~4:隅角閉塞は起こり得ない(隅角の角度:20~45度)

2) Scheie分類
Grade0:開放隅角で隅角のすべての部位が観察できる
GradeⅠ:毛様体帯の一部が観察できない
GradeⅡ:毛様体帯が観察できない

追記:どうして今の細隙灯が出来たかを示す奇妙なビデオです。時間のある方はどうぞご覧ください。

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