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2015年9月17日

6977:ドル調達コスト、欧州危機以来の高水準 対外投資に冷水

焦点:ドル調達コスト、欧州危機以来の高水準 対外投資に冷水
2015年 09月 17日 18:59 JST

[東京 17日 ロイター] – 日本勢のドル調達にかかわる上乗せ金利が、欧州債務危機以来3年9カ月ぶりの水準まで上昇している。9月期末越えの季節的な上昇圧力に加え、米利上げ予想や中国など新興国の自国通貨防衛に伴うドル資金需要も影響を及ぼしているもようだ。ドル調達コストが高止まりすれば日本勢の外貨資産投資に冷や水を浴びせかねない。

清澤のコメント:「円の需要が増せば円が高くなり、ドルの需要が増せば円は安くなる」と言うだけの話ではなくて、「ドル調達に関わる上乗せ金利」云々と言っています。3年9か月ぶりのコスト高というのですから大変なことのようですが、果たしてどういうことなのかはもう少し考えないと私には理解できません。

<低迷する円需要と旺盛なドル需要>

本邦機関投資家の多くは、対外投資に伴う為替リスク回避のため、為替スワップ取引などで、円を担保として差し入れ、外貨(ドル)を借り入れるオペレーションを行う。ただし、このオペレーションは、海外勢の間で相応の円資金需要が存在することが前提だ。

しかし、海外金融機関の円資金ニーズは、日本のソブリンリスクの上昇というクレジット要因や9月期末を控えた外貨ポジションの圧縮という季節要因によって、低下している。

さらに最近では、中国などの新興国が自国通貨防衛のため外貨準備を取り崩してドル資金を確保しており、この動きもドル調達コストの押し上げに関係しているという。

SMBC日興証券シニア金利ストラテジストの野地慎氏はドル調達コストの高騰について、「米利上げ期待の広がりに加え、通常は円資金の取り手である海外中銀が、通貨防衛のために外貨準備で保有する円資産を取り崩し、ドル資金の取り手になっている可能性がある」との見方を示した。

海外勢の円需要の低下を反映して、ドル/円スワップ1カ月物では、円投/ドル転に際してのジャパン・プレミアム(日米金利差からのかい離)が92.74ベーシスポイント(bp)まで拡大。欧州危機が深刻化した2011年12月15日以来、3年9カ月ぶりの高水準となった。同3カ月物でもプレミアムが47.38bpと2011年12月16日以来の高水準に達した。

ドル/円ベーシス・スワップ1年物では、ドル・ディスカウント幅が52.09bp(ビッドサイド)と、2011年12月27日以来の水準まで拡大している。

ベーシス・スワップは、異なる通貨間でスタート時とエンド時に元本を、期中とエンド時に変動金利を交換するスワップ取引。ドル/円ベーシス・スワップの場合、ディスカウント幅の拡大は、本邦投資家の円投/ドル転コストの上昇を意味する。

他方、本邦勢の対外証券投資は6月にいったん売り越しとなったが、その後、7月に3兆1713億円の買い越し、8月に2兆9044億円の買い越しと高水準を維持している。

本邦投資家の対外投資は、アベノミクスのねらいの1つ。円資金需要の低迷と依然高水準のドル資金需要という不均衡が、結果的に、ドル調達コストの高騰を招いている構図だが、このままコスト高が続けば、順調に拡大してきた対外投資に水をさすことになりかねない。
(森佳子 編集:伊賀大記 石田仁志)

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