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2015年9月13日

6959:萩焼における切高台に付いて

06811(お土産に買った萩焼の茶碗:イメージ)
山口市に仕事で行ってきました。会場の隣の売店で御飯用の夫婦茶碗を買ってきました。白い釉薬がうっすらと掛けられた私のイメージの萩焼にぴったりの品物。ペアで2500円とお手頃です。

20080828_153641切高台の器: 
さて晩御飯をごちそうになった料亭では様々な萩焼の器で持て成してくださいました。小ぶりの鉢の底(高台と呼ばれます)に、三角の切り込みがつけられていることが話題になりました。

 最近の工業製品である磁器にはこのような意匠は見られませんが、土質が柔らかで砂礫を含み、形も多少歪んでいたりする萩焼の器で、高台部分には釉薬が掛けられてない物ではこの意匠はいかにもしっくりきます。そこでこの萩焼の切り高台は何のためか?をちょっと調べてみました。

萩焼こぼれ話、高台の切り込みは何のため?(http://www.hagiyaki-kaikan.com/mtx/archives/1288862998/1312797357.html)から:

【萩焼こぼれ話 :高台の切り込みは何のため?2011/08/08

 萩焼の茶碗には高台(こうだい)と呼ばれる器の足の部分に切り込みを入れたものが多く見られます。これは切り高台と呼ばれ、萩焼の特徴のひとつとしてよく挙げられるものです。切り高台を萩焼独自の特徴と思っておられる方も多く、時には「高台を切っていないものはニセモノですか?」という問い合わせもありますが、そんなことはありません。逆に、高台が切ってあれば萩焼の証、というのも間違いです。だって、それならどんな土や釉薬を使っても萩焼ができるということになってしまいますものね。

●なぜ萩焼の高台に切り込みがつけられるようになったのか

 これについては諸説ありますが、
萩焼は藩の御用窯であったため庶民が使うことは許されなかったが、高台に切り込みを入れることによってわざと「キズモノ」とし、庶民が使うことを許した
というのが広く知られている理由です。これは聞くとなるほど、と感心する説ではありますが、実は以下のような理由から誤りとする意見もあります。

・萩焼が起こる以前の焼物にも切り高台が見られること
・宮家の方用に誂えた萩焼(菊屋家住宅に展示)にも切り高台が見られること
(御殿様より身分の高い宮様にキズモノをお出しするの…?)

・御用窯の品をそのような形で流出させることはない:などです。

切り高台の謂われとして この他に、

・器を重ねて運ぶ際に荷縄が引っかかり易いようにするため

・萩焼は水が浸透するので、高台部分が完全に円になっていると蒸気が高台部分にこもったり、器がテーブルにくっつく(お椀の蓋が取れなくなるのと同じ原理ですね)のを防ぐため、切り込みを入れて空気や蒸気を抜く★1

・焼成時に高台部分まで火が通りやすくするため

・満月より三日月に風情があるように、完全なものより欠けたものの方が味わいがあると考えられたため

などが挙げられます。実用的な理由から意匠的な目的まで様々ですね。

萩焼の高台に切り込みが施される理由としては、萩焼の元となった朝鮮李朝にその手法が見られることから、それがそのまま伝わったものとするのが自然でしょう。けれどもその発祥については結局どれが正しいという結論は出ていませんし、いくつもの要素が合わさった複合的な理由かも知れません。

●高台の役割

 切り高台の他にも、平たい高台に十字などに削りを入れた「割り高台」や、高台らしい立ち上がりがなく内側に削り混んだ「碁笥底(ごけぞこ)」など、様々な高台があります。高台には器を支えたりお茶の熱さが直接伝わらないようにしたりする大切な機能がありますし、茶碗において高台の意匠は器の鑑賞の重要なポイントでもあります。また装飾の少ない萩焼では、高台部分のデザインが器全体の印象を決める大きな要素にもなります。また萩焼では土見せと言って釉薬を掛けない場合も多いので、陶工達のこだわりが表れ易い部分のひとつとも言えるでしょう。

お問い合わせ先(萩焼会館)/TEL 0838-25-9545 FAX 0838-25-8159】

さて、もう少し調べてみました。
私は直観的にまず★1かと思ったのですが、萩焼の器を手にしてみれば磁器ではなく、陶質も荒く、焼成温度も低い萩焼が「漆の盆の上で滑る」ようなことはあり得ないという事がよくわかりました。

 さらに別のページを読んでみますと、「切り高台の考察」(http://www7b.biglobe.ne.jp/~togen-fff/home.html/kirikodai.html)というページに示唆に富む記載がありました。

【萩焼に使われる粘土は、大道土と呼ばれる砂礫分の多い鉄分の少ない白い土である。この土が萩焼の特徴である 軽くて手触りのよい、ほのぼのとした温かみを感じさせる茶器を作り出す元と言える。

ーーーこの大道土を初めて手に取って制作して見て判った ことは、サクッとして粘りが少なくロクロで引いたら、なかなか手強い土であろうと思ったことと、タタラにして次の 工程のために新聞紙をかけて乾燥させておくと、端の方からヒビが入ることであった。
このことは何を意味するかと言えば、茶碗にしろ鉢にしろ成形を終えて高台を削り出し、乾燥段階で口端から高台 まで均一に乾燥させないとヒビが入りやすい土であると言うことである。

とくに高台内は風が入らないことと器胎の水分が下へ降りてくるために乾燥が遅くなる部分であり、結果的にヒビが 入りやすい場所である。

このような事を防ぐために考え出されたのが高台を切って、いくらかでも風を通し易くして乾燥を均一に進ませる 方法ではなかったかと思われる。

当時の釉薬掛けは生掛けがほとんどであり、現在のように素焼きすることはなかったので、ヒビが入る要素は 今より格段に多かったと考えられ、歩留まりを高める工夫の一つと捉えることが出来る。

萩の大道土は朝鮮南部地方の土と同質と言われ、朝鮮陶工達は自国で行われていた手法を当然の如く採り入れ て切り高台を行ったものと思えてならない。

又、唐津にも朝鮮と同じ様な砂礫混じりの土が使われたため、唐津焼きの一部に切り高台があるのは 同じように朝鮮陶工達の手のなるためと考えられる。

尚、現在は萩焼ブランドとしての表現で、切り高台をしている要素が高いのではと思う。
そして この切り高台の工法については、萩焼陶工達にとって当然知っている事ではないかと思われるが如何であろうか。

敢えてこのことを暗黙の内に秘することによって、切り高台の謎を深め、これが又評判となって顧客の目を惹き つける役割を担っているのではと思えてならない。】

 うーん流石。作陶に手を付けた人ならではの考察です。少し、ほんの少し陶芸に手を出したことが有るものとしてはこの見解に脱帽です。

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