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2015年9月3日

6939:白内障・IOL手術とドライアイ 三宅謙作先生の講演を聴きました。

big,31(眼科三宅病院の新病院)
第5回大阪スキルアップセミナーで、「白内障・IOL手術とドライアイ」という三宅謙作先生の講演を聴きました。会場は新宿でしたから診療終了後に駆けつけましたが、何とか開演に間に合いました。参加者は46名だったそうです。

要点:白内障術後には多数のドライアイが存在する。その特徴は術前からあったドライアイの増悪のほかに、術後に発生するドライアイも存在し、その成因には手術刺激そのものと術後処置特にNSAIDsの関与も疑われる。白内障手術後のドライアイの自覚症状と他覚症状の改善がムコスタ点眼で得られた。

清澤のコメント:私よりも一回りも年上の先生が現在も臨床に研究にとご活躍なさっているのには圧倒されます。何事も斯くありたいと思いました。三宅眼科病院では7階建ての新しいビルを建て、その手術室は5室だそうです。その実力たるや恐るべきものがあります。
 思い出しながらお話をなぞってみます。この手の記事を仕上げるのには、聞いた話をその日のうちに記事に書き起こすのが秘訣です。その日を逃すともう完成できません。大塚製薬にはeライブラリーというものがあって、そこには過去の学会のランチョンセミナーで三宅先生が話されたスライドが掲載されています。それはストーリーをたどるには大変参考になりました。

1、なぜ今白内障術後のドライアイが問題になるのか?
 術後視力だけでなく、QOVや不定愁訴の低減が重要。
 異物感、乾燥感、見にくさなど
 三宅先生は最近、フルオレスセイン染色の動画を示して術後患者にゆっくり説明することが増えたという。

2、白内障術後ドライアイの特徴は
水分・油分の低下、蒸発亢進、水濡れ性の低下で始まる
涙液層の不安定化と摩擦亢進がキーワード
そして、眼の不快感と視機能異常を起こす。
リスクファクターは:加齢、開眼、顕微鏡の光と熱。麻酔剤、ヨード剤:
ドライアイの病態では;ゴブレット細胞の減少、糖衣減少、上皮欠損が起きる。
白内障術後には①ドライアイの自覚症状悪化が見られ、②シルマー値は変わらず。③BUTは短期短縮、④扁平上皮化成スコアの悪化、⑤ゴブレット細胞数の減少が見られ、その影響は術後8週でも戻らない。

涙液層破壊パターンの紹介
1)スポットブレーク:重症BUT短縮型。膜型ムチン減少に伴う眼表面水濡れ性低下35%
2)ディンプルブレーク;軽中BUT短縮型。膜型ムチン減少に伴う眼表面水濡れ性低下20%
3)ラインブレーク;中軽症涙液現象型。眼表面の水分低下。20%
4)ランダムブレーク:蒸発亢進型。油分、水分、ムチンの減少、25%
纏め:術後ドライアイはBUT短縮型でゴブレット細胞減少、膜型ムチン減少による水濡れ性低下が多いことを示した。

3、白内障術後ドライアイ対策は?
白内障術後の涙嚢胞黄班浮腫予防のためのNSAIDsがドライアイの誘因になっていた。
胃ではNSAIDsによる粘膜障害にムコスタが30年間も使われてきた。これをロキムコという。
いまは目でもNSAIDsの粘膜障害にはムコスタが良かろう。ジクムコと呼ぼう。
白内障術後ではNSAIDsとステロイドは3月ほど使われている。

演者の症例観察シリーズでも術後のドライアイ症状は自覚症状及び他覚症状を改善していた。
白内障術後点眼薬としては、抗菌薬2週、NSAIDs2~3か月、ステロイド3か月がもちいられているが、ドライ誌症状のある症例には術後2週間から(ドライアイが治癒するまで)ムコスタを加えるのが良いだろう。

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