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2015年7月31日

6841 新薬開発に限界!? なぜ日本の製薬会社は苦戦しているのか

6841 新薬開発に限界!? なぜ日本の製薬会社は苦戦しているのか
ネットで見つけた記事の概要です。(興味のある方は原典を紐解いてください)

1、利益が急降下した武田薬品

 F・コトラーは、マクロ環境を「PEST」の4つの視点から分析する枠組みを提唱した。4つとはPolitics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)。
この4つの構造的変化で武田薬品は2008年以降、売上高は上昇するも、利益が急降下している。 赤字の直接的な要因は、糖尿病治療薬「アクトス」の副作用を巡る米国の集団訴訟。武田にとって最終赤字は、上場以来初めて。

2.後発薬が浸透する国内市場で苦戦

 武田は度重なる企業買収をしてきた。買収先の売上高が加算されるので、海外では売上高を伸ばしている。しかし主力の日本は減収傾向。薬価引き下げと後発薬浸透の為。

 後発薬:ジェネリックともいう。特許が切れると、新薬メーカーの売上高が後発薬メーカーに食われる。日本で後発薬が増え、また薬価が引き下げられる理由は、 政治的要因の最大テーマだからである。医療費は国が支出する費目の中で最大で、約40兆円に達する。そのうち約7兆円が薬剤費。政府は何としても財政赤字の最大要因である社会保障費を減らさなければならない。 なぜ日本の社会保障費が膨らんだかといえば、S(社会的要因)。人口動態上で高齢化が進んでいるから。それがE(経済的要因)にまで悪影響を及ぼす。

 武田の貸借対照表で、最大の資産は無形固定資産:約1.8兆円。これらは「のれん」と「のれん由来の特許権、販売権」。

3. 巨額の「のれん」など無形固定資産が膨張

 のれんは買収プレミアム。被買収企業の純資産を上回る価格で買収したとき、それを上回る部分がのれん。のれんには実物資産の裏付けがない。買収合戦になった時など、高値買いになりやすく、資産としての説得力が弱い。

 武田の場合、被買収会社が新薬開発プロジェクトを進めていて、それを「特許権」として切り出した。また他企業と開発に相乗りして、成功の暁に販売権を獲得する契約を結ぶことがあるが、それを「販売権」と表示した。

 しかし企業買収の成功確率は低く1割前後。また「特許権」なども成功の保証はない。無形固定資産はリスキーな資産そのもの。武田には、それが1.8兆円。

 ちなみにリーマンショックの前まで、武田は無借金の飛び抜けた優良企業だった。しかし武田はその2兆円を2件の大きな買収案件に投じた。 2008年以降、一気呵成に買収に走り、有利子負債8400億円を抱える借金会社に変貌した。 その理由がT(技術要因)変化。

4. なぜ自前の研究所が新薬を生まなくなったか?

 世界の製薬会社では大型新薬が生まれない傾向が続き、どこも買収に走らざるを得ない。 武田に巨額の利益をもたらしたブロックバスター4つは2010年前後に特許が切れた。 新薬の特許は出願の日から20年。1990年以降の20数年間に合計4兆~5兆円もの研究開発費を投じ、武田は研究開発で数兆円を失った。製薬会社はいわばギャンブルに一時勝ち、そして敗れた。

5.開発され尽くした低分子化合物開発

 一つは、低分子化合物の開発の限界。
従来の薬は低分子化合物が多い。その開発現場は、低分子化合物をコンピュータを使って何百万と化学合成し(ライブラリー化)、ロボットを使って細胞やタンパク質と絡め(ハイスループット)、反応が確認できたものの中から(ランダム・スクリーニング)、最適化して薬を開発する、という手法が取られてきた。しかしこの方法では開発がされ尽くし新薬を生まない一因になった。

 二つ目の理由として、薬の効果のメカニズムが少しずつ分かり始めてきたことで、新薬の承認のハードルが上がった。 効果のメカニズムが分からないと新薬は世に出る傾向にあったが、解明されるにしたがって承認が厳しくなった。

 従来は、薬の効くメカニズムが分からないまま上市され、臨床試験中には発見できなかった副作用が新薬発売後に表れるケースが多々あった。しかし現代では開発プロジェクトのドロップ率が上がった。

6.遺伝子解析の進展は「大型薬」開発の逆風に

 三つ目の理由に、効果のメカニズムが分かるようになると、薬が「大型薬」になりにくい。

 以前は、新薬は同じ症状の患者に広く処方された。 しかし新世代のバイオテクノロジーによって遺伝子などの解析が進み、患者の遺伝子や生理状態によって効果の有無が分かるようになった。こうなると、新薬の開発に成功して上市にこぎつけても「小型薬」にしかならない。

 さらに四つ目の理由として、国の財政負担を減らす政策から新薬の承認窓口を狭め、薬効の高い新薬しか承認しないことがある。かつての大型薬は慢性疾患向け、つまり治らない病気向けの薬が多かった。

7.「人体という小宇宙」を解き明かす新世代の情報技術

 こうしたPESTすべての環境的な構造変化によって、製薬会社の従来の「儲けのメカニズム」が効かなくなりつつある。 新世代のバイオテクノロジーは、「人体や生物という小宇宙」をデジタル的に解き明かそうとする情報技術体系。Information Technology革命がここでも進行している。現在は医療のIT革命の黎明期。

 不完全競争下では超過利潤が生まれるが、情報が透明になると超過利潤は得にくい。現代では、抗体医薬や核酸医薬など高分子のバイオ医薬に重心が移りつつある。未来の姿は、いずれ個別化医療に向かう流れ。

 個別化医療とは、患者の遺伝子情報や生理状態を考慮して、一人ひとりに最適な治療方法を設定するオーダーメイド医療のことである。 個別化とは受注生産、多品種少量の生産販売に相当。開発コストがかかる半面、量産量販のような利益が得にくい。薬が高価になれば、実際に患者に投与できるか、問題が生じる。 こんな環境下で、日本の製薬メーカーはどうしたらいいのだろうか。

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