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2015年7月28日

6830 人工知能時代に重み増す「人間の考える力」;記事紹介

6830 人工知能時代に重み増す「人間の考える力」;記事紹介

人工知能時代に重み増す「人間の考える力」、有効活用できるか否かは「育て方」次第
引頭 麻実(シンクタンク研究員の眼)2015年07月27日
img_627af1df8149a365f7154f9b903e1f8369030感情認識機能を備えたパーソナルロボットの「Pepper(ペッパー)」(撮影:梅谷秀司)

要点;AI(人工知能)にとってのハードルは、質問そのものを理解すること。ワトソンは自然言語処理の高度化と進化を目的に開発された。AIは自然言語の理解、推論、学習、判断の機能を兼ね備えるが、人工の知能体を造るわけではない。IBMはコグニティブ・コンピューティングと呼ぶ。データから情報を検索し、仮説を立て、それを検証、評価するとともに、一連の機能を機械学習する。ディープラーニング(深層学習)が可能となり、開発に拍車がかかる。しかし、人工知能はツール:同じAIのプログラムを2社が購入しても、AIの“育て方”は異なる。AI時代こそ、人間の考える力がより重要になる。

眼科医清澤のコメント;AI(人工知能)の発達が著しい中で、それをどう育てるかは利用する人間によるという記事。SFの中で聴くような、世界を支配するコンピュータに人間が反乱を起こすといった事態は想定されないようではあります。

ーーー本文引用ーーー

 この数年、AI(人工知能)に関する話題がホットになってきた。米IBM社の開発した「Watson(ワトソン)」が2011年2月、米国の人気クイズ番組「Jeopardy」に挑戦して人間の挑戦者に勝ったのをきっかけに火が付いた。

 知識の量で機械が勝つのは当たり前に思えるかもしれないが、機械にとっての本当のハードルは、自然言語で作成された質問そのものを理解することだ。ワトソンはこの自然言語処理をさらに高度化、進化させることなどを目的に開発された。

 すべての自然言語パターンをプログラミングするのは途方もないことだが、そこで利用されたのが、コンピュータのプログラミング技術の一つであるAI技術である。AIとは、人間と同じような知的活動の機能を備えたコンピュータを指すが、それには自然言語の理解、推論、学習、判断などなどといった機能を兼ね備える必要がある。

 ただし、これらはあくまでもプログラムであり、人間に似せた人工の知能体を造る、というわけではない。IBMではワトソンをコグニティブ(認知、認識)・コンピューティングと呼んでいる。クラウド上にある大量のデータから必要な情報を検索し、仮説を立て、それを検証、評価するとともに、その一連の機能を自ら学習(機械学習)するというプログラムである。

 ワトソンはすでに実用化の段階に入りつつある。その背景としては、ディープラーニング(深層学習)という技術の発達が非常に大きい。人間の神経回路のように多層化された中で情報を導き出すという機械学習が可能となったことで、開発に拍車がかかった。

 昨年10月のIBMの発表によると、すでに25カ国で実用化に向けた取り組みが始まっている。日本でも、ソフトバンクグループ (9984)がワトソンを搭載したロボット「Pepper(ペッパー)」を発売したほか、数社の金融機関が実用化に向けて開発に着手している。コールセンターなどでの活用が検討されているもようだ。

 もちろんAIの研究に取り組んでいるのはIBMだけでない。多くの大学や研究機関がそれぞれ独自のアプローチでAIを進化させている。自動車、ロボット、ドローン、スマートホーム、エネルギー、インフラ関連、医療や介護の現場など、さまざまな分野でAIの活躍が期待されている。

人工知能はあくまでもツール

 こうしてみると、AIはすぐに生活へ入り込んできそうだが、実用化にはまだまだ試練がある。最大の課題は学習の内容そのものだ。仮に同じAIのプログラムを同じ業種の2社が購入したとしても、当然ながら両社でAIの“育て方”は異なる。それぞれの企業での経験(=情報の内容)が異なるためである。

 とすれば、当然ながら育てられたAIの“ふるまい”には差が生じることになる。同じAIを活用しても、ビジネスでの効用が同じとは限らない。であるならば、「育てられたAIを購入すればよいではないか」という反論がありそうだが現在のところ、納入するAIは白地が想定されており、導入先駆企業のノウハウは搭載されないようだ。

 ここが人間の出番であり、力の見せ所である。AIをどのように育てていくのか、AIが仮説を立て検証した解について何を“よし”とし、何を“よし”としないと判断させるのか。こうした根幹の部分については、当該企業の哲学や考え方が大きく影響する。根幹の部分がしっかりしていなければ、AIの効用は人類の期待と程遠いものになりかねない。

 AIはツールである。これを活用して何をするのか、どういう状態にしたいのか、設問を設定するのは人間だ。AI実用化の初期段階の今こそ、われわれ人間は、より深く考えなければならない。AI時代こそ、人間の考える力がより重要になるのである。

 大和総研 常務執行役員 引頭麻実

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