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2015年7月27日

6827:災害と人間の心理ー災害対応力を高めるためにー邑本俊亮先生:を聞きました。

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災害と人間の心理ー災害対応力を高めるためにー

邑本俊亮(東北大学災害科学国際研究所)

概要
1、災害に対する人間の心理
2、緊急時の認知特性
3、今後の為に出来ること

1、災害に対する人間の心理
プロジェクト研究「物語としての震災体験談の分析と記憶に関する研究」(研究代表者:細川彩)
環境の中で人にリスク情報が与えられたとき、個人にはバイアスがかかって情報がゆがめてとらえられることが有り、時には無視されることもある。

避難率は31から55%だが、津波情報を80%以上の人が聴いていた。つまり危険だという情報が届いていないわけではない。

1)これくらいは普通だ。→物事を普通の範囲で理解したい⇒正常性バイアス。
2)自分だけは大丈夫→他人よりも自分の方が運が良い⇒比較楽観主義バイアス
3)前回大丈夫だったから→記憶の中で思い出しやすい情報に影響される。⇒利用可能性ヒューリスティック(経験則)
4)みんなと一緒に→他人に同調していれば安心⇒集団同調性バイアス
5)--があるから大丈夫→自分以外のものに頼り切ってしまう
これらのバイアスが心理的な安定性を齎しているのだが、いざというときの安全には逆効果。

2、緊急時の認知特性
1)情報処理範囲が狭くなる
2)注意集中による見落としや勘違いが起こる
3)熟慮的思考が困難になる
4)大災害時には家族のことが気になる 家族と連絡を取る、家族を迎えに行く

二重過程理論:人間の認知には2つのシステムがある
直観的思考 無意識、素早い、直感的
熟慮的思考 意識的、遅い、熟慮的、論理的

直ぐに非難しなかった理由はと聞くと、
自宅に戻った、家族を探した、家族の安否を確認した、などが多かった。
家族も即時に逃げているはずという信頼関係が前提には必要だが、津波では津波てんでんこ(津波の恐れがあれば各個人が人に構わず山に逃げよという教え)を守ることが必要である。

3、今後の為にできること
1)知ること 災害を知る、人間の特性を知る
2)育むこと 災害を生き抜く力を育む、防災訓練
3)震災を忘れない

4、8つの生きる力
被災者聞き取り調査の質問紙から因子分析で8つの因子を探した。そのそれぞれについて(人を纏める力、問題に対応する力、人を思いやる力、信念を貫く力、気持ちを整える力、きちんと生活する力、人生を意味づける力、生活を充実させる力)評価できる質問セットを作る。

人間の知識には宣言的知識(言葉で言える知識)と手続的知識(体が覚えている知識)がある。震災の記憶を風化させないようにしよう。

清澤のコメント:心理学の教授だそうです。文科系らしい問題への適切な取り組みと思いました。東北大学では、このような研究もなされているという事がよくわかりました。適切なハンドアウトで話を聞き易くして下さいました。

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