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2015年7月21日

6807 ダイヤの輸出急増 タンスの「富」円安でアジアへ

ダイヤの輸出急増 タンスの「富」円安でアジアへ

2015/6/3 21:33日本経済新聞 電子版

 ダイヤモンドや金の輸出が円安を背景に急増している。今年は4月までの累積輸出額が過去最高の勢いで伸びている。バブル期に日本が世界から集めてタンスなどに眠っている“富”が中国やインドなどアジアに流出している。宝石や貴金属で日本がアジアの供給元になりつつある。

 貿易統計によると、ダイヤモンドの4月の輸出額は3億5千万円。前年同月の1.6倍に膨らんでいる。1~4月の累計輸出額は30億1千万円と前年同期(11億6千万円)を大幅に上回り、過去最高水準だ。

 日本国内でダイヤモンドはほとんど生産されないため、輸出されるのは大半が中古品。輸出先(金額ベース)は首位が香港、次いでイスラエル、インドの順だった。いずれもダイヤモンド加工業者の集積地だ。

 日本はバブル期にダイヤモンドを世界から買い集めた。中古といっても大粒で透明度も高いダイヤモンドが多く、海外勢から人気がある。

 ダイヤモンドは通常、指輪やネックレスについている。当時、購入した人たちが高齢になり、質屋などで換金した宝飾品が輸出されている。

 質屋に持ち込まれた指輪などはダイヤモンド、白金、金といった素材ごとに分解されることが多い。白金や金は溶かして国内で再生できるが、ダイヤモンドは加工業者が日本に少ない。そのため香港やインドなどで新しいデザインに磨き直されて世界市場に流通する。

オークションに出品された中古ダイヤモンドを下見するインド人業者(東京都台東区)

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オークションに出品された中古ダイヤモンドを下見するインド人業者(東京都台東区)

 宝飾卸会社が集まる東京・御徒町周辺の雑居ビルでは定期的に中古ダイヤモンドの入札会が開かれる。入札会の主催会社によると「常時40~60社が参加し、そのうちインドやイスラエルなど海外の業者は15社ぐらい」。特に資金力のあるインド業者の買いが目立つ。競売にかけられたダイヤモンドの落札額が億単位になることも珍しくない。

 日本リ・ジュエリー協議会(東京・台東)によると、1965~2013年で日本国内へは8700万カラット(17.4トン)のダイヤモンドが輸入されている。ダイヤモンドの年間生産量の6割超を日本が買った計算になる。

 金の輸出も増えている。延べ棒などの輸出額は1~4月累計で2384億円と前年同期の2.2倍だ。国際相場が最高値をつけて輸出額が最多だった11年を上回るペース。重量ベースでも54トンと前年同期の2倍だ。輸出先は中国市場の入り口になる香港が最も多くシンガポール、タイと続く。

 国内では円安を背景に金の価格が上昇しており、貴金属店に金を売却に訪れる人が増えている。貴金属会社は店頭で買い取った金を溶解して、再び地金にして国内で販売するが、一部を輸出に回すこともある。

 貿易統計で確認できる88年以降、日本は14年末までに3051トンの金を輸入した。現在の国内相場で14兆円超分に相当する。日本は03年から金の純輸出国に転じ、総量で2659トンを輸出した。円安が進行する中、日本からの“富”の流出はしばらく続きそうだ。

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