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2015年7月20日

6798:佐藤美保先生に「学校検診における弱視・斜視」を聞きました。

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浜松医科大学 佐藤美保先生に「学校検診における弱視・斜視」を聞きました。
(聞き取った聴講メモに配布されたテキストを併せてこの聴講メモとしました。佐藤美保 日眼会誌119(4):317-324、2015に詳しい記載があるそうです。)

本日は視力と眼位を解説する

Ⅰ、学童期の弱視
患者が精密検査目的で外来に来たら:その時のチェックポイントは?

1)弱視の定義
「斜視やl屈折異常があったり、形態覚の遮断が原因で生じたりした一眼の視機能の低下」
弱視を片眼に有する者が他眼の視力障碍になった時に同じ仕事を続けられる割合はわずか35%に過ぎない。

2)弱視の診断
弱視の視覚検診の現状と問題点
診断は視力検査で行われるが、ログマールで2段階以上の差を有意とする
三歳児検診は――市町村の責任で行われる――地域により実施項目に差がある。
スクリーニングには屈折を測るべき
更に検影法、レチノマックスなどが良い。

3)弱視治療ガイドライン
弱視治療に関するガイドライン:Holmes 2006 ランセット
Pediatric Eye Disease InvestigatorGroup
 1)調節麻痺下屈折検査を行い眼鏡処方
 2)追加治療はアトロピン療法または健眼遮蔽を追加。
 3)アトロピンは週2回。
 4)中等度弱視なら一日2時間、高度なら6時間の遮蔽。
 5)視力の改善が停止し、弱視が残って居るなら、遮蔽時間を増やす。
 6)漸減しながら治療終了。
 7)遮蔽治療を終了しても最低2年間は経過を見る。
 このガイドラインの周知をとのこと。

弱視にはそうなるべき根拠があるはずである。それには先天性停在性夜盲(CSNB)、網膜分離(XLRS)、FEVR、錐体ジストロフィー、視神経低形成などが含まれる。
小児にも可能な検査機器の進歩に着目する。
眼圧へのアイケアの登場
屈折異常を伴う物の例:CSNBなら近視、FEVRも近視、XLRSは遠視方向、緑内障なら近視が進行する。
OCTでXリンク網膜分離症を見る。
皮膚電極網膜電図も有効。

学童の低視力があれば専門施設に送れ。
教育へのつながりに関連するであろうから。

具体的に;
ステップ1 学童期に発見された弱視
0,05-0,5で7-17歳、訓練は有無として
訓練まですれば半数には効果がある
早期に見つけて早く治療をしよう:屈折矯正、検眼遮蔽、ペナリゼーション

ステップ2 学童の屈折矯正
屈折検査にはサイクロペントレート
低矯正眼鏡ならば、視力に問題はないが、内斜視が5人に一人出る。
度数の参考は:内斜視なら完全矯正。内斜視がないなら減らしてもよいが、(最大50%ただし3D以内であること。)
乱視なら完全矯正を。

ステップ3:遮蔽の開始は何時?
治療開始時0,2-0,6で、不同視は4D以下だと治癒が得やすい
眼鏡開始4か月で駄目なら次を考えよう。
アトロピンでのペナリゼーション:週に2回―3回がよい
視力チェックも必要
精神的な苦痛は?:スコア化してひかくする。遮蔽が厭だった記憶が残る。
遮蔽とアトロピンの比較:副作用(羞明、口渇など)
追加治療の選択:ピナリゼーションでも遮蔽でもよいが強い弱視には遮蔽が必要。

ステップ4;弱視治療の終わり方。
24%では再度視力低下、それは2年以内に起きる。漸減すべき
アトロピンでも遮蔽でも、アトロピンは2回、中等度に2-高度には6時間の遮蔽で行く。視力の低下があれ場遮蔽時間を増やす。

Ⅱ、学童期の斜視
内斜視:調節性内斜視、残余内斜視、続発外斜視
外斜視:間欠性外斜視
その他の斜視:外傷、急性発作性斜視、重症筋無力症、頭蓋内疾患など

斜視の問題は
 1、外見上:からかいや自信喪失
 2、視機能の問題 を伴う。

外斜視は72%、内斜視が28%(調節性か、乳児か)である。

4)間歇性外斜視なら6割が不変。増悪と改善が20%ずつ
コントロールは不変が半数、改善と悪化が4分の1.
眼位は上下、左右と比べ乍ら写真を撮る(一回りではなくて)
明るくすると出現することもある。
手術は、4歳以上で行う、斜視角は30プリズム以上で顕性斜視なら。
ニューキャッスルコントロールスコアを参考にするとよい。それは:
全くない0、時々1、しばしば気付く2、斜視3とする。
近見と遠見での差を見る。
斜視角等見て専門施設に送るか考えよう
外斜視では屈折を合わすことが必要。

5)学童期の調節性内斜視:
手術は残余内斜視、眼鏡の続行、コンタクトレンズへの移行も考慮

6)その他の斜視
先天性上斜筋麻痺:基本は手術を勧めよう。立体視もよいが複視を訴えやすい、プリズムや手術治療も考える。
後天性斜視なら:専門施設へ送る。

手術は見かけを治す?両眼視機能は改善する、複視やイメージジャンプ、QOLにも関与する
精神的なストレスはあとまで記憶に残る。

7)眼鏡処方に付いて
弱視、斜視の治療用眼鏡は、9歳未満で療養給付の対象。5歳未満は1年1回。5歳以上は2年に1回更新。
フレームのフィッティングも重要。フレームの前斜角、頂点間距離確認。
遠視性調節性内斜視では定期的に調節麻痺役を用いた屈折検査を行い、低矯正をさける。
内斜視の無い遠視では、調節力の低下を来すことが有るので遠視度数を下げてゆく。

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