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2015年7月1日

6727 「医療不信により執拗な眼痛を呈した一例」という症例報告でした。

先日の心療眼科研究会で「医療不信により執拗な眼痛を呈した一例」という症例報告を伺いました。当医院では白内障手術程の手術は行ってはいないのですが、他院で手術を受けて、その後の対応に苦慮した主治医や別の先生から相談を持ち掛けられる、このような症例は神経眼科を扱っている当医院でもしばしば経験しています。このケースでは解決の仕方がユニークでしたので、演者に迷惑が及ばぬように多少症例をモディファイし、再現してみます。

症例:
 主訴は白内障の術後の痛み。手術後に感作された性格の痛み。精神身体的因子、心理・社会的因子を検討したところ「医療不信」がその根底にあったことを見出し、別方向からの働きかけによって鎮痛が得られたというお話でした。

 高齢の女性で、地域の開業医によって局麻での片眼の白内障手術が行われており、術後の視力は良好で、特に合併症もなく手術は終了していました。しかし術後から激痛を常時眼球および眼窩、それにこめかみを含む領域に訴え始めます。羞明も随伴し、その症状は半年も続いたと言います。

 患者の手術に対する認知は「手術の失敗」と感じており、その感情は「怒り」です。行動として「説明と責任追及」を求めており、実際には生活の引き籠りと、ドクターショッピングを始めています。

 治療経過としては、鎮痛剤などが少量もちいられますが効果はあまり得られてはいません。精神療法から整体にまでを患者さんは求めます。話を聞くと:「医療不信の内容」は、「術後に術者は冷淡だった」というものと、術後に患者を紹介された医師はその全員に紹介医をかばう傾向があって「皆ぐるになっている」と信じていました。

 改善の転機となったのは家族の発言で。「眼科医ではない患者らが信用している医師に紹介状を書いてほしい。」と言ってきたのだそうです。そこからが、この話をした医師の偉いところで、「この患者さんの手術は専門医として見て、何ら疼痛を残すようなことは見られない。したがってこの患者さんが訴えるのは術後不適応だと思う。術後不適応の患者には、時間経過とともに軽快してゆくものが多いが、中には重症で時間のかかるものもある。故の患者さんと家族の話を聞いて対応してあげてほしい。」という内容の手紙を渡したのだそうです。こうして、医療不信が取り除けたら、一か月後に再来したときには頑固な疼痛は消失していたという事でした。

という訳で「医療不信に関連した非器質的疼痛がある」というのがこのお話の要点だった訳ですが、果たして「医療不信」を持つ患者さんに対して、どう対処したら良いのか?という記事がネットに出ていました。ただしこれはナースサイドでの意見です。要点は、

ーーー強い不信感を持っている患者さんへの対応 2015年04月07日.
 解説 寺崎 和代 福井大学医学部附属病院 北4病棟・看護師長

療養上の注意点から治療へのインフォームドコンセントまで、看護師が患者さんに何かを伝えなければならない場面は多いもの。「伝わらなかったケース」を紹介。

今回の相談

医療に対して不信感が強い患者さんがいます。治療方針の説明でも、「その薬は本当に必要か」「余分な検査をするのではないか」「俺から余分な金を取ろうと思っても無駄だ」などの不信感を訴えられ続けています。どのように対応すればよいですか?

1.患者さんが不信感を 抱くようになった理由を探る

患者さんの医療に対する不信感をぬぐうのは、容易ではありません。まずは患者さんの言葉に動揺しないこと。一所懸命に否定しても、不信感を抱いてしまっている患者さんの耳には入りません。

まずは医療に対して不満に思っていることを受け止め、どういうことに不満なのか、何が不信につながったのか、その背景や理由を探ることが大切。経験を背景として、明らかなトラブルが起きていなくても、医療への不信感を高めてしまう患者さんもおり注意が必要。

2.医師の説明の場に看護師も同席する

医療に対する不信感が強い患者さんに対しては、医師からの説明の場に看護師も同席し、患者さんの反応を観察したり、説明後に患者さんの気持ちを聞いてみてください。

検査や手術、術後の経過について、よく理解できていないなら、看護師は補足説明をしたり、場合によっては、医師に再説明をお願いすることも必要。

3.支援者であることを伝え 信頼関係をつくる

医療不信の強い患者さんに対しては、まずは看護師が患者さんの味方であり、一緒に闘病していく支援者であると伝えることが必要です。
(『ナース専科マガジン』2015年4月号から改変利用)

皆さんのご感想はいかがでしょうか?

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