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2015年6月25日

6713 論文アウトラインの作り方―付箋で「探究マップ」―という記事が有りました。

20150604fPDCAサイクルイメージ

高校生のための論文アウトラインの作り方―付箋で「探究マップ」―
齋藤 祐/中央大学杉並高等学校国語科教諭 という記事が有りました。http://www.yomiuri.co.jp/adv/chuo/education/20150604.html

清澤のコメント;この記事は高校生に論文の書き方を教えるものなのですけれど、医学論文の作成にも同じことが言えそうです。医学研究者は研究のデザインをし、実験を行って論文を書くわけですけれど、私はそのような基礎的な体系的教育というものを受けた覚えがありません。もちろん師匠や先輩が手を取って現場においては教えてくれたわけですけれど。昨日のこのブログに取り上げた記事には、現代の電子頭脳には情報を集めさせ、最終的な記事やレポートを作らせることまでもが出来るという事が書いてありました。これからの研究者には、このようなことを意識的に行うことが特に求められるのだと思いました。
 ーー要点ーー
1.高校生の卒業論文作成とアウトライン
きちんと訓練を積めば論理的な一貫性をもった論文が書けるようになります。思考のためのツールとして「探究マップ」という考具を開発しました。

 論文を書くためには論証の骨格となるアウトラインを組まなければなりません。アウトラインとは論文の「設計図」のこと。学術的な指導を受ければ、アウトラインを見て、そこに論証としての骨組みが構造化された立体(structure)を見ることができるようになります。論文を初めて執筆にする人に対しては、アウトラインをあらかじめ構造化されたもの(structure)として示してしまえばよいことになります。

 アウトラインをふくらませる方法で論文を書き出すと、序論と結論がかみ合わなくなります。いったん書こうとする内容を戦略的に考えることが大切です。

2.「探究マップ」とアウトライン
論文の章構成(アウトライン)は次のようになるでしょう。

Ⅰ アブストラクト(論文要旨)
Ⅱ 問題の背景と問題設定(序論)
Ⅲ 「根拠①」を踏まえた考察(本論①)
Ⅳ 「根拠②」を踏まえた考察(本論②)
Ⅴ 主張と考察のまとめ(結論)

 このアウトラインは、従来のアウトラインと同じように見えますが、作成者の視点で考えれば、目次立てのうちに構造としてのアウトラインが踏まえられているということが重要です。

3.PDCAサイクル
「探究マップ」の作成過程は、PDCAサイクルで説明することができます。探究型学習に欠かせないのは何度も「問い」と「答え」と「根拠」を更新することであり、その意味において探究のサイクルは「問い」と「答え」と「根拠」をめぐるPDCAサイクルだと言えます。

 生徒はまず取り組もうとする研究分野について「問い」(問題提起)と「答え」(主張となるべき仮説)のセットを用意します(Plan)。続いて、このPlanの妥当性を論証するために必要な情報・主張の根拠となるべき事例を収集し、集めた事例の要点を付箋に書き出しつつ、付箋同士を比べたり分けたりつなげたりしながら整理します(Do)。全体の論証が組みあがったら今度は、付箋相互の関連性、特に「答え」と「根拠」の整合性を検証します(Check)。最後に検証の結果を踏まえて論証の全体を見直し、必要な情報と不必要な情報を選り分けた上で要素として足りない部分を新たに加えながら「問い」を更新します(Act)。このような「探究マップ」上で付箋を移動させたり新たなものと交換したりする過程が体現しているのは、研究計画の立案に必要なPDCAサイクルを何度も循環させているということに他なりません。

4.ICTより付箋と鉛筆
「探究マップの作成は論文を作るにあたり、最も重要な段階。ここなくしては論文を作るのは難しい。「書く」前の試行錯誤、すなわち「考える」という工程が重要。まずは、付箋と鉛筆で始められる本質的な思考を掘り下げるレッスンから始めていくべきではないか。

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