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2015年6月22日

6697 抗菌剤とステロイドの使い方 山田昌和先生を伺いました。

6697 抗菌剤とステロイドの使い方:角結膜疾患の薬物治療杏
林アイセンター教授 山田昌和先生 

角膜疾患治療の選択肢は多くはないが、薬剤の選択は意外にむつかしい 

◎単純性角膜上皮糜爛 (選ばれるのを聞いてみると抗菌薬40%、ヒアレイン55%、NSAID3%、その他2%であった)

・抗菌薬はほっておいても治るので使われる。感染予防なら感染合併はわずか0、7%のみですが。
・ヒアルロン酸 早く上皮を治す、臨床データはない。
・NSAID:疼痛軽減 Prosランダム化比較試験あり
難治性ではない。細菌性結膜炎の80%は7日で治る

◎では、角膜炎が難治性になる理由は?:診断が違う(所見が正しく取れていない)治療が違う(もうひと押しが不足なことが多い)

角膜炎
1) 実質に浸潤、前房にフィブリン、毛様充血 ⇒感染性
2) 実質の浸潤、血管侵入、   ⇒フリクテン

感染なら:中央で、充血と前房炎症、痛み

◎緑膿菌性潰瘍:中央で浮腫混濁、前房蓄膿
◎カタル性潰瘍:周辺、

◎感染性角膜炎 CL 浮腫は少なく:ブドウ状球菌?
スリット所見で細菌姓か真菌性かが解るのか? Dalmon IOVS 2012:専門家に写真を見せて聞いた。正答率は高くない。(だから細菌学的分析が必要なのです。) 菌の検出率は40%程度しかありませんが。

◎薬剤選択のポイント
多いのは?グラム陽性(黄色ブ、表皮ブ、連鎖球菌)、グラム陰性桿菌
ニューキノロンは守備範囲が広い

1)ニューキノロン単独
2)ニューキノロン+βラクタム
3)ニューキノロン+アミノ配糖体:等の選択肢があるが、

治療実験:ベガモックス、オフロキサシン、トブラシン+セフェムは有効性に差がない
有効率は80%で効かないのはその他の特殊なものである。

「非感染性角膜炎」には薬剤過敏性、RA,などがあるが、それにはリンデロン(ステロイド)を使う必要がある

モーレン潰瘍やアトピー絡みのものでは、シールド潰瘍(浅くて涙円形)が出来る。
フリクテンとカタル性角膜炎:菌体膠原が炎症を惹起している。眼瞼縁に注目。

ステロイドと抗菌剤
角膜フリクテンが角膜ヘルペスと誤診された例もある。

○角膜内皮移植:DSAEK 適応は内皮機能不全、IOL眼、長所が外力に強いこと。
DSAEKの悪夢と対策:6時方向にPI(レーザー虹彩切開)、前房に空気も少し残る。⒑-0ナイロンでグラフトを一針縫合するとよい。
演者は白内障を併せたトリプル手術はしない(2段階にする)ようにしているそうです。

水疱性角膜症:DSAEKまたは全層角膜移植。

トピックスとして、ROCK阻害薬(グラナテックなど)点眼で内皮の回復が促進されるという話がある。パーツ移植の意義はある。.

質疑:
再発性上皮糜爛には?:答)軟膏(タリビット)と朝の点眼。ムコスタは効くまい。ストロマルパンクチャーまでは普通は要らない。

清澤のコメント:山田先生らしくいつものごとくさわやかな講演でした。詳細なスライドのハンドアウトが有難かったです。
講演前後の雑談では、山田先生は医療経済学に詳しいところで、「眼科の総医療費は1兆円を超えようとしているが、アイーリアやルセンティスなどの硝子体内注射の薬剤費だけで500億、つまり眼科医療費全体の5%にもなっている。」のだそうです。硝子体手術と眼内注射にばかり、殊に薬剤費や機械費にばかり医療費の多くが回るのにも問題はありそうです。

(この記事はしばらく遅れて、2015年11月23日にアップしました。)

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