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2015年6月18日

6687:三井記念病院地域連携フォーラム 尼崎先生の話を聞きました

三井記念病院 地域連携フォーラム 尼崎健一先生 2015年6月17日(水)
片側顔面痙攣、三叉神経痛、舌咽神経痛に対する頭蓋内微小血管減圧術 脳神経外科 尼崎健一

・三井記念院脳外科の体制 医師4人で担当 尼崎医師48歳

神経圧迫症候群:に対する神経血管減圧術 MVD(micro vascular decompression)ともジャネッタの手術(俗称)とも呼ばれる
機能的脳神経外科は隙間産業的なものですが、
生命に拘わることのない疾患で、正常構造物のコンビネーションが引き起こす疾患です
この疾患では、持っている症状に対して手術負担が重いという面があります。患者の不安が大きいので、それに対する対応が必要です。
殊に安全対策と合併症対策が大事です。
手術治療を起点として患者さんはとても不自然な状態にさらされることになります。医師側が利点を評価するのに対して、患者さんからは減点法で評価を受けることになります。
いかに上手に、早く自然な状態に戻せるか?が問われます。

・予約、初診、治療選択、入院予約、入院から退院の解説。
患者さんとの信頼関係が重要です:患者の不安、術者との面識、術者しか答えられない質問もあるので、人任せではなく術者自身での対応が為されています。

◎片側顔面痙攣
一定の治療の方針が有ります。
薬物(ほとんどしない)、ボトックス、手術の順で
症状には:軽症、中等度、重度があります。軽度ならほぼ治療しません。
その他:~70歳までを手術対象とする、対側の聴力のある患者、全身状態が手術を許容する患者を選びます。

◎三叉神経痛
手術適応:痛みの性情と分布により対応を選ぶ。
1、薬物テグレトール、リリカが効けばそれで行く。
2,4:薬剤が有害か・減効果のもの
3、自然な状態

1、薬物。2、 3、 4、減圧術

全身状態が重要
抗凝固薬、血圧、DM(HbA1c7,0以下)、マスター心電図。精神科系の内服も。

減圧術の為の入院前に回ってもらう部署は
1)入院コーディネート室での詳しい聞き取り、所定の詳しいパンフレットあり。
2)入院受付

入院期間10日間のパスを設定している:手術前日入院、7日目で抜糸。退院へ。(忙しいなら6日に短縮します)
入院日には:オリエンテーション、説明30-60分、説明文書交付。
トランスポジション法で行う(テフロンバンドで血管を吊り上げる様な形のもので、この手術形式が尼崎医師の手術の特徴です。)
ジャネッタの論文:手術は皮膚を切る前のポジショニングで、手術の難易が決まります。
手術に用いるのはバーテックスダウンと呼ぶ特殊な体位です。
聴神経を保護するための術中ABR(聴覚電位)モニターが必要です。

症例提示です。
フィブリン糊を用います。(講演後に伺いましたら、この接着は術後に癒着に変わってしっかりと血管を保持し続けるそうです。)

◎片側眼面痙攣、女性に多い:痙攣の消失100例にて、減弱9、不変4(文献的には90%に有効とされる)
◎三叉神経痛 原因血管はSCA(上小脳動脈)に限らず。消失82、改善11、不変7例(文献的には80%程度に有効とされている)
合併症は:以前の生活レベルを維持した程度の物だけでしたが、優れた手術手技で小脳損傷(なし)、難聴、髄液ろう(200例中4)を防ごう。
退院までに各患者に治療結果を告知し、外来予約と指導なども行う。
術後の外来では:ADLの維持。傷や頭痛のチェック。数年は経過観察(希望でボトックスも併用しますと)
三叉神経痛では再発の有無に注意し必要ならテグレトール併用も考慮するとのことでした。

清澤の感想:神の手と言われた福島先生、名人田草川先生の後を継ぎ、現在48歳という脳外科手術者としても最も油の乗った時期を精力的に生き、良い成果を出し、それを盛んに発信されている尼崎先生の情熱の伝わって来る講演でした。三井記念病院の院内報も当ブログに採録してあります(https://www.kiyosawa.or.jp/archives/54396372.html)のでご覧ください。

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