お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2015年6月9日

6657;糖尿病性網膜症にさらなる光、「ANGPTL4」というタンパク質のブロックに効果

22_cover
糖尿病性網膜症にさらなる光、「ANGPTL4」というタンパク質のブロックに効果:という記事の紹介です。

 糖尿病性網膜症の治療が広がりそうだ。

 これまで標的とされた「VEGF(血管内皮成長因子)」と呼ばれる仕組みのほかに、さらに、血管を作り出して目のダメージを広げる要因として「ANGPTL4(アンジオポイエチン様4)」というタンパク質も関係していると分かった。

 糖尿病が原因の目の病気を治療し、失明するのを防ぐことができるかもしれない。

糖尿病の半数近くに網膜症

 米国のジョンズ・ホプキンス大学の研究グループが、米国科学アカデミー紀要のオンライン版で、2015年5月26日に報告した。

 糖尿病性網膜症という病気は、働く年齢の成人では失明の主因となる。米国では、糖尿病になった人の40〜45%が、糖尿病性網膜症を起こしているという。日本でも失明の原因として重要だ。

 糖尿病性網膜症では、目の中の正常な血管がもろくなり、目の中に血液の成分が漏れたり、出血したりする。漏れた血液成分が、光を感じ取る網膜を傷付け、失明させる。

 最近開発されている薬は、血管の形成を促す成長因子であるVEGFという名前のタンパク質の活動をブロックして、糖尿病性網膜症になることを遅らせようとするものだ。

 最近、網膜症の主要な問題である黄斑浮腫をめぐって、新たに「PKal(血漿カリクレインキニン)」と呼ばれる仕組みによって問題が起きていると判明している(糖尿病黄斑浮腫に、これまで知られていなかった原因、「PKal」と呼ばれる仕組み)。

 この報告によると、PKalは網膜の血管から血液の成分が漏れ出す原因になっていると見られた。

 今回の報告では、また別のアプローチから糖尿病性網膜症の症状を阻止する手がかりが突き止められている。

第2の血管成長因子

 研究グループは、健康な人、糖尿病だが網膜症にはなっていない人、糖尿病性網膜症の人などから目の液体成分を収集。VEGFのレベルを調べている。

 糖尿病性網膜症の人では、VEGFのレベルが高い傾向はあったが、中には健康な人よりも低いレベルの人もいた。

 研究グループは、VEGFの他にも血管を成長させる因子があると考えて分析したところ、アンジオポイエチン様4というタンパク質の存在だった。

 研究グループが発見した第2の血管成長因子は、アンジオポイエチン様4というタンパク質で、英語の略称ではANGPTL4となる。

 ANGPTL4は糖尿病性網膜症の目の液体成分に多く含まれ、VEGFのレベルと無関係に増減していた。しかも網膜において新しい血管が作られた場所に集中していた。

2つのブロックで防止可能

 ANGPTL4とVEGFの両方をブロックすると、細胞の中の血管の成長が著しく減退するという結果。目にダメージを与える余計な血管の増加を防ぐことができる可能性がある。

 第2のタンパク質ANGPTL4の作用を安全にブロックできる薬が見つかれば、VEGFと組み合わせて使用して、多くの網膜症を防止可能と、研究グループは考えている。

 房水中のANGPTL4が、糖尿病による目の病気の治療法のためのバイオマーカーとして使えるのではないかとも指摘している。

文献情報

Babapoor-Farrokhrana S et al.Angiopoietin-like 4 is a potent angiogenic factor and a novel therapeutic target for patients with proliferative diabetic retinopathy.Proc Natl Acad Sci U S A. 2015 May 26. [Epub ahead of print]

http://www.pnas.org/content/early/2015/05/20/1423765112.abstract

Categorised in: 未分類