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2015年6月3日

6629 マクドナルドの失敗が告げる「戦後モデル」の終わり:記事紹介

マクドナルドの失敗が告げる「戦後モデル」の終わり(後篇)

ポイントを突いた対談です。」前後編で長文ですから、その後編の要点を抜粋してみました。勝手に単語を短縮したりしてますので、ぜひ元ページに戻ってご覧ください。(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5022?page=1)

 私はお隣のマクドナルドの本店直帝店を光り輝くモデルとして眺めてきました。しかし最近のマクドナルドは全国的にはちょっと元気がないみたいで心配しています。その問題点を取り上げている記事がありましたので、採録しようと少し読み込んでみました。

 税理士が「士業」で標的になってますが、「眼科医」も「税理士」も似たような業態です。同業や周辺業種の仲間たちとの連携を今後どのように深めてゆくのかが問われます。昔の「篤農家」というのも新鮮な響きを持った言葉でした。大学の権威も揺らいでいる現在、地域のリーダー的な眼科開業医というのも、昔の篤農家に通ずるものがあると思いました。

 --要点の抜粋ーー
21世紀型のボランタリーチェーンが「小さく」を「強く」する 小川孔輔×久松達央の対談

2015年05月29日 柳瀬 徹 (フリーランス編集者、ライター)

1、プライベートブランド(PB)に埋め尽くされた店は現状の資産を食いつぶしているだけの、短期的な方法。

イオンがダメになった理由:
1)不動産モデル。本社が不動産と設備に投資して、フランチャイジーに貸してリース料を取る。大規模不動産開発をしてショッピングセンターを作り、専門店を誘致する方法にシフト。

2)アメリカから輸入された戦後のチェーンストア理論を、引きずった。1995年ちょっと高くても美味しいものを食べたい人が増えているのに、そっちに舵を切れなかった。

2、「小さくて強い」で本当にいいのか
 アメリカから来た会社なのに藤田マクドナルドには日本的なところがあって、従業員給与はけっこう手厚かった。原田改革で一掃され、優秀な人が去った。若者が迷っているときには、異なるパラダイムを掲げて夢を提示しないと、アメリカから学んだ経営の理論や手法が今は通じない。

3、 今、農業で面白いことをやっている人はみな複合経営

モノが売れない時代には、大きいところが拾えないところを地道にやっていくしかない。ペネトレーション(独占)なんて絶対できない。一方ではマスマーケティングの時代も終わりつつある。

違うものをラインに乗せる仕組みを作ればいい。大規模単一生産を否定するのではなく、それも当然のものとしつつ、やり方を変えていろいろな物を作ることもできる。農業の米作、単品大量生産は、不健全。農地改革も結果としてアメリカを利した。複合経営は土地にとってもいいし、経営的にも安定する。

4、ジャパナイズがグローバライズになる

世界はアンスケーリングモデルに移行しつつある。日本の産業界は戦後70年ずっと欧米のモデルでやってきたが、小売業でもファストフードでも日本発ビジネスモデルはかなりいい。ベースはアメリカのチェーンストアだが、中身は日本式。農業もアメリカのモデルが強いとみんな思っているが、日本でアメリカ式農業をやってもしょうがない。

リーン・スタートアップと改善力

 東南アジアの資本が自国で出店する際に、日本の企業にサポートを依頼することが増えている。既存のモデルを現場で揉んで、新しい市場に適応できるように作り変えるのが日本人はうまい。店舗での人材教育も含めて、ジャパナイズがグローバライズになる。

フードビジネスはみな最初はマクドナルドのチェーン理論やセントラルキッチンのモデルを真似て、それを変えていった。変えて成功したところが残り、人材も輩出した。マクドナルドの人材は各所に散らばっている。セントラルキッチンのノウハウや、人を使うノウハウは、知恵の塊。地域や人や扱う材料が変われば、変わっていく。

改善力:日本のコンビニが成功した理由。大手コンビニが使うチーム・マーチャンダイジングは、取引先メーカーとチームを組んで商品開発する手法。要するに他人のフンドシ。日本の食品メーカーのノウハウをセブンイレブンもローソンも、サイゼリヤのようなフードチェーンも利用している。進んだノウハウを持っているし、欧米のモデルを改善する力もある。

 フードチェーンでも初期投資が小さい所が店舗数を伸ばしている。大きくて重いモデルは苦しい。農業も軽いほうがいい。

5、 小さなプレイヤーたちのボランタリーチェーン

軽くスタートして、やりながら少しずつ変えて行く。成功した人は次の人に伝えていく。

BtoBやBtoCをやっている小さな農家の業務部分のノウハウを広める。独自販売をしようとすると、栽培以外のところでつまづく。とくにBtoC業務は煩雑。マネジメントやオペレーションはアウトソーシングしたほうがいい。

 いま歯科医院の経営環境が厳しい。でも、歯科医も経営や設備投資は不得意。経営部分をITで共有してサポートするビジネスをやっている人は、100店舗くらいサポートしコストを下げている。その100店舗は一種のボランタリーチェーン。

 スケールアップしないプレイヤーは、自社にビジネスプロセス研究チームは持てない。アウトソースで受ける側がビジネスとして成立しないと、小さいプレイヤーの時代はやって来ない。現場感覚があって、かつ業界を俯瞰できて、ITの人たちとの意思疎通ができる人が育ってこないといけない。

6、異業種でチームを組めれば、面白いことができる

業界毎データ面は業種毎に違うから、農業分野も品目ごと。業務的に標準化すればサポートできる。

 「士業」もIT化が遅い。特に税理士は、これまでは記帳業務で食べられた。クラウド型の会計サービスが現れて記帳も自動化され、これまでの業態では無理。税理士は機械ができないコンサルタントやサポートに特化するしかない。そのかわりたくさんの法人を見ることもできる。

 異業種でチームを組めれば、面白いことができる。小さくて強いプレイヤーの連携。それがアンスケーリングモデルに必須。

 農家全員はビジネスプロセスを俯瞰できない。業務パッケージを作って、栽培に集中させる。逆に俯瞰が得意な農家は、パッケージ作りに関わって行く。小さいなりにできるインフラ作りは、ひとつの出口。農業では小プレイヤーが増える。日本の場合は穀物メジャーにはなりようがないから、中規模経営者がたくさん出てくる。

7、 かつてとは違う現代の「篤農家」が必要
 集約は進む。平成25年の農業総生産額は8兆4668億円、農家数は250万戸。年間1000万円以上の売上があるのが上位7%。それが全産出額の6割。今後は人数で上位15%に集約されていく。集約が進めば、小さくて個性的な農家が各県に50戸いるだけで、全体の1%のシェアになる。その人たちが輝いていると、業界全体が変わる。

 最終的にはCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)が肝。サービス面で顧客の心を掴めれば、野菜そのものの味は「ちゃんとおいしい」でいい。農業にはまだまだ余地がある。

 現代の「篤農家」が必要。栽培技術だけでなく、ITとかマネジメントとか、連携のサポートができる人。篤農家が次代の篤農家を育てれば、小プレイヤーの限界は突破できる。それを農地解放で壊した。庄屋さんが果たしていた役割は大きかった。困ったときには金も貸す、ファイナンスもやっていた。もめごとの仲裁もした。それがJAの組合長や理事長では代替できなかった。昔はサポートシステムがあったから経営感覚のない農家でもやっていけた。それが壊れた今は小プレイヤーは生き残れない。

 機械化と基盤整備が壊したのか。農業機械は数軒で1台買えばいいものを全戸に買わせた。農機メーカーは農家の数が減ると困る。稲作生産性が終戦直後から6倍だが、農家は6分の1に減っていない。

 庄屋や農家をマネジメント面で復活させる。大規模稲作と植物工場しかない国の農業にも農産物にも魅力を感じない。クオリティが高くて多種多様なものを作っている、顧客満足度の高い農家が生き残れる。彼らを実経済の世界で支えるサポートシステムが必要。

小川孔輔(おがわ・こうすけ)
本年2月刊行『マクドナルド 失敗の本質 賞味期限切れのビジネスモデル』(東洋経済新報社)

久松達央(ひさまつ・たつおう)
(株)久松農園 代表取締役。自治体や小売店と連携し、補助金に頼らないで生き残れる小規模独立型の農業者の育成に力を入れる。

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