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2015年5月30日

6621:眼瞼痙攣の話 Blepharospasm in Neurology

Blepharospasm in Neurology

いつもの通りの目埼先生による、明快な眼瞼痙攣の神経学的な体場からお話でした。

まず単語の使い方を正確に

1、顔面けいれんと眼瞼痙攣の合併例がある。その頻度は、それぞれの偶然の合併よりも多い。それには様々な理由付けがなされる。
 症例:片側顔面けいれんに見えたが、反対側にも症状があったという眼瞼痙攣

1) 左右の筋にに同じ強さの刺激が為されるから、片方を麻痺させれば反対側の痙攣が相対的に強まるというへリングの法則を使った説明が出来る。
2) Pseudo Plus-Minus Lid Syndrome?(Plus-Minus Lid syndromeというのは中脳の症状である。そのまがい物という事で有って、これなら筋無力症MGだが、)

2、いわゆるメイジュ症候群
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メイジュの語源はアンリ・メイジュによる。フランス人ならHenriかと思うと、原著ではHenryと英国式のつづりである。眼瞼痙攣+オロマンデブラーデストニアをメイジュと呼ぶ悪習がはびこるがこれは間違いである。

ブリューゲルシンドローム(Marsden)との混同が為されている。
いわゆるメイジュ症候群はPaulsonが初めに記載した不随意開口を伴う眼瞼痙攣の事。
Marsdenは:ブリューゲル症候群として口と目の動きの異常例を記載し、メイジュもこれに言及しているかもしれないとした。これが誤解を読んだのだが、メイジュは単に正中の眉間当たりの異常痙攣(口には言及せず)に言及しているにすぎない。

演者が見た301例の眼瞼痙攣は、ほとんど口の異常運動を伴ってはいなかった。
若しなにがしかの用語を使いたければ、メイジュ症候群ではなく、頭頚局所的デストニアという事になろうか?
口の異常運動は口吻ジスキネジア(?)であって、ジスキネジアとジストニアは違う物である。

3、ボトックスの使い方の復習
眼瞼痙攣治療の順番というものがある。

ボツリヌス注射
吊り上げなどの手術、他

最近の論文にブリンクレート(瞬目回数)に関する議論がある。(FerrazzanoJNNP 2015に解説あり)

若し効かないと患者が言うとすれば
1、量が足りない(強い痙攣を顔面頬の広汎な部分に示すアコーディオンファシエスという言葉もある)、
2、薬の広がりが悪い
3、ボトックスを打った筋が違う
4、眼瞼弛緩で瞼の皮膚が下がっている(効いても、これでは視界が狭い)
5、開瞼失行(この場合睫毛寄りで瞼縁に近いところにあるリオラン筋に打て)
6、痙攣性のベル現象が残って居る場合(眼輪筋は眼瞼が止まっても、上直筋痙攣による眼球上転が残っていた例がある)
7、そもそも全く違う疾患ならボトックスは効くはずがない
などのケースが考えられる

このほか
8、ジャックニコルソン・フェイス:ボトックス後に眉が吊り上がった怖い顔になったなら、通常よりも外側の前頭筋(眉山のあたりか)にも打て

9、逆に目の外側が下がってしまった例(マラリス筋がボトックスで麻痺している場合です):東洋人なら西洋人にないマラリス筋が麻痺させられて目じりが下がることもあることを考えよ。

⒑、開瞼と閉瞼で比べると、注射を打つ時の閉瞼状態の方で左右方向の単眼での目の幅が小さくなる人が居る様だ。そのような人では、上眼瞼内側及び外側の端に置くボトックスは外ぎみに打てと。

◎投与後の注意点
○ボトックス後の局所マッサージは禁止。
○激しい運動の禁止
○入浴時に顔を風呂に漬けるな

このほか、中枢への介入も研究が進められている

眼科医清澤のコメント:ボトックス注射時における細かい注意点は特に早速参考になりそうです。いくつかの用語と文献はその在処を復習しておきましょう。(注:聴講記事チェック依頼が必要。眼瞼痙攣の関連論文送付準備。)

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