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2015年5月30日

6620:眼瞼痙攣難治例をどう治療するか 若倉雅登:を聞きました

眼瞼痙攣難治例をどう治療するか 若倉雅登:を聞きました
第4回Japan BlepharoSpasm Symposiumの特別公演です。

○ドライアイでは決して見られないはずの特徴的症状では:運転で追突事故を起こす、立ち木に歩いていてぶつかる、階段を降りるのが怖い等が聴取できる。

眼疾患のQOL(NEIVFQ-25)というものがあり、各項目で70点以下が悪いのだが、「目の痛み」とか「周辺視野」が特に悪い特徴がある。

若倉による重症度で分類すると:軽症例が多い。しかし患者はそれでも困るという。軽いと思う症例に、「軽くはない、違う」と言われてしまうことも多い。
2011年の眼瞼診療ガイドライン(神経眼科学会)がある。

1)本態性眼瞼痙攣
○定義:があるが、その重症例にMeige’s症候群がある。(これは、口周囲の動きを伴う両側の眼瞼痙攣として)

○眼瞼痙攣には3要素がある:
1)運動症状:開瞼障害
2)感覚過敏:疼痛など
3)精神症状:抑うつ、焦燥、不安、不眠

○症例のビデオ

○程度分類:重症例と難治例が違う
改善例と難治例について
(1)改善例:若倉の質問表は3/10項目、軽瞬などに異常、2度、ブロチゾラムと抑肝散で改善
(2)難治例:シルマーは少し低め、若倉質問表は5点。ボトックス3回やったが効かないという。神経ブロック、薬剤の減量や変更、それに疼痛緩和にリリカを試すも効かない。

○若倉医師の7日分の診療結果:
全体289例(一日40例)のうち115例が眼瞼痙攣であった。内訳は原発性眼瞼痙攣70例、薬物性眼瞼痙攣43例、症候性眼瞼痙攣2例であった。

○自覚し始めから診断までは1年から3ないし5年かかっている。年齢は60歳代だが、発症はその数年前であった。診断の遅れが、初期対応の遅れを呼び、患者の症状への受容困難を生む。

○ボトックスの効果は?:著効例8、効果34、やらないよりまし40、無効だが継続11、改善だが中止6、最初からボトックスは希望もせず6であった。

○このうち難治例;つまり「無効だが継続」と「無効で中止」の4例について話す。
対象:そのような例は本態性で9例、薬剤性で5例有った。発症からの期間も両者に差はなく同じ。瞬目テストで検索して:軽瞬、速瞬、強瞬の障害例でのビデオをご覧ください。

若倉医師が行った検討での検討項目は年齢、性、重症度、瞬目テスト、眼周囲以外の痙攣の有無、精神症状質問表(抑うつ、不安)、その他の要素(治療としてのエチゾラムの有無も、)が検討された。

◎結果としての特徴:
原発性では重症例が多い、BZなど薬剤が使用された例が多い、
薬剤性では;使用されていた薬剤が多種類で何が悪いか不明なものもある。初診時に既に重症状、疼痛性障害も伴いやすい。

エチゾラムなどが原因だったのは初期に若倉が報告したときの5%程度から最近は37%程度に増えている。(昔は聞き取りが足りなかったのかもしれないと。)その様な例では、うまく薬剤を離脱できれば改善はするのだが。

○光感受性について:光を眩しいと感ずること、視床に関連(雑多な感覚の混同が有るらしい。)、視覚ノイズとも言うべきものか?フォトフォビア・サーキットという図がJneuroophthalmology, 2012のDigreの原著を参照
○そこで、眼瞼痙攣を難治例にしてしまわぬことが大事。
使いうる方法は、アーテン、遮光眼鏡、クラッチ、固有知覚の利用などがある。
ベンゾジアゼピン系の薬物性はアシュトンマニュアル発表以後では、早期にそれを離脱するのをよいとするが、ラメルテオン(ロゼレム™)、スボレキサント(ベルソムラ™)などの利用も可能
薬剤の中止で疾患の進行は止められるらしい。
うつ病、双極性統合失調症の治療にBZ(ベンゾジアゼピン)処方は必須ではない。

◎目と心の健康相談室について。その相談者には地方の人が多い。「目と心」で検索なさってくださいと。

清澤のコメント:ボトックスでコントロールできるふつうの眼瞼痙攣のうちに正しい対応をしよう、という点が新しいと思いました。

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