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2015年5月17日

6561:猿の惑星: 創世記(映画) 印象記


猿の惑星: 創世記→アルツハイマーを治そうと薬物研究者の主人公はそのための新薬を開発、実験台としてそれをある雌猿に投与したが、実験は失敗し、雌猿は凶暴化した末に死亡。その雌猿が死ぬ前に産んだ赤ちゃん猿を引き取りシーザーと名付けて育てる事に。シーザーは成長するにつれ驚異的な知性を発揮していく。じきに外の人間世界(人間そのもの)への憧れがつのっていく。ある日隣人とトラブルを起こしてしまい、それが原因で霊長類保護施設に送られてしまう。シーザーはそこにいる普通の猿達とは馴染めない。施設の人間達による度重なる虐待も受け、人間そのものに対して深い失望感と憎悪を抱くようになる。やがて密かに施設を脱走したシーザーは主人公の家からその薬を大量に盗み出し、それを施設中の猿に与えた。そしてシーザーは同じく高い知性を得た他の猿達を率いて反乱を起こす。
(ネタバレ)反乱と言っても自由になれる森に帰っただけで地球を征服はしていない。猿に知能を与える新薬は人間には毒性があり一人の感染者からどんどん感染していき人間は滅びますよ的なエンディング。

清澤のコメント:

 さてこの映画から何を感じよ?という事を考えるとむつかしいです。
 大スペクタクルは良いとして、映画の話の作りは初期の作品よりも安易な感じがしました。この映画の実験はアルツハイマー病に欠損している遺伝子を導入する実験で、遺伝子導入用のベクターの種類を強いウイルスに換えてみようか?という実験という設定でしょうか?遺伝子が替わると虹彩の色が緑に変化するというのは眼科関連。緑内障は瞳の色が緑に見えるとしてglaucoma(緑内障)と呼ばれますが、この映画で見せたように虹彩(茶目)の色が緑に変わるという疾患は私の知る限り有りません。パーキンソン病のヒトに対しては、京都大学で近々iPs細胞移植の臨床実験が始まるという新分記事が本日出ていますね。

 映画のプレゼン場面では改善を示す神経画像スライドに、サルではなくて人のPET画像(神経受容体画像と脳局所糖代謝画像)が使われています。25年前のフランス留学中には、フランス政府の研究施設で正にこの映画に出てくるようにサルでアルツハイマー病のモデル動物を作るPET(陽電子断層法)での研究をしていました(1)。最後は薬を使ってその低下した脳代謝が回復するか?という実験に進展していました。

 当時は、動物愛護の運動も過激化していて、ブリジッド・バルドーが率いる愛護団体が実験施設のサルを強奪したという事件が同じ町の別の国立研究所で起きたりしていて、上司はこの実験室の写真など面白がって見せるなと言って居たのを思い出します。

(1)Time course of effects of unilateral lesions of the nucleus basalis of Meynert on glucose utilization by the cerebral cortex. Positron tomography in baboons.
Kiyosawa M, Baron JC, Hamel E, Pappata S, Duverger D, Riche D, Mazoyer B, Naquet R, MacKenzie ET. Brain. 1989 Apr;112 ( Pt 2):435-55.

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