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2015年5月16日

6558:「網膜剥離を伴うアトピー性白内障」についての質問にお答えします。

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「患者の気持ち」に投稿された「網膜剥離を伴う白内障」についての質問にお答えします。返事が遅くなってしまいましたが、ご友人の手術が成功したことを祈ります。


質問者の御友人である患者さんのブログを3回分拝見しました。
このような両眼の網膜剥離と両眼の強い白内障の患者さんを、大学にいた当時一人だけ見たことが有ります。その方は、当時その大学の講師であった術者M先生の努力の甲斐あって無事回復し、15年後の今も時々お会いしています。

先ず右目はアトピー性皮膚炎に伴う白内障で、アトピーは前からあったのだと推測します。この白内障は後嚢から混濁が始まり、それが一年後の今では成熟白内障で眼内が全く見えなくなっています。

 この濁った水晶体の後方で網膜剥離(おそらくはアトピー性皮膚炎では見ることの多い鋸状縁裂孔を原因とする巨大裂孔性の網膜剥離。)が起きていることが超音波ドップラー検査で確定できてしまっています。

 剥離が起きたのが数日以内ですと、網膜上の増殖は少なくて手術もしやすいですが、この目の場合には一年以上かかってますので増殖性硝子体網膜症に進展してしまっていて、今後の手術で見えるように持ち込める確率はあまり高くないかもしれません。

 次に最近見えなくなった左目ですが、こちらもアトピー性皮膚炎に伴う白内障が急に出ていて、こちらの視力は0,2程度(上から2段目まで読める、眼鏡による矯正はできない)という事のようです。0,2の視力が有れば何とか眼底の様子がうかがえるかと思うのですが、ポイントはこちらの眼にも網膜剥離が起きているのかどうか?という点です。もし剥離が有れば、網膜剥離の手術と白内障の手術を同時に行う必要があります。

 この場合ですと、右目は後日に後回しにし、こちらにも網膜剥離が若しあるならば、左目の白内障手術に続けて同日に硝子体切除術をすることが予想されます。ガスタンポナーデをして数日間の俯き姿勢をとってもらう事も考えるようなケースかもしれません。硝子体切除は簡単な手術ではないので、十分な準備と十分な術者の手術時間を確保して手術を行う必要があるので、外来の片手間に出来るようなものではありません。2週間程度の待ち期間での手術予定が確保できれば十分に早い対応であると言えると思います。(②へ続く)

②(続きです)
○ 現在、予約制を掲げる医療機関は多いですが、電話予約の時に明白な視力低下の事をお話しくだされば、普通の診療所ならいくらでも予約患者の隙間で先ず見るだけは見る様に対応してくれるでしょうから、その点を受付の方にお伝えください。
 手術する病院が予想外に早く、翌日で受けてくれたのは日赤病院の医師が、上位の病院の医師に剥離を伴う唯一眼だと伝えたので翌日すぐに診てくれることになったものと推察します。

○もう一つこの症例の話を伺っての教訓は、白内障でも手術をするときには、眼底が見えるうちに急いで手術をしなくてはならない場合があるとう事でしょうか?老人性白内障で矯正視力0,6程度ですと白内障は待つことのできる病気と説明しがちですが、その後白内障の後ろで何が起きているかを考えながら定期的な観察をしてないと、見た時には既に手が出せなくなっている場合があります。

くれぐれもお大事に。

参考記事:私の大学時代に、皮膚科と協力して、多数の皮膚科の症例の眼所見をまとめた論文の要旨です。
3357 アトピー性皮膚炎には白内障や網膜剥離が合併することが有るhttps://www.kiyosawa.or.jp/archives/53653392.html

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