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2015年5月9日

6537:「硝子体手術の現状と将来」という竹内忍先生の記事です

6537:「硝子体手術の現状と将来」という竹内忍先生の記事です

「硝子体手術の現状と将来」という竹内忍先生(竹内眼科クリニック)の書かれた記事(日本の眼科2015年4月号)に出会いました。眼科医のみならず患者さんがたにも参考になる部分もあると思いましたので要点を拾ってみます。
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閉鎖式硝子体手術が1971年にマカマー博士により発表されて40年。30年間は20ゲージの針で行われたが、最近はさらに細い針状の器具での手術が広まり、手術侵襲は減った。
vitrctomy(図;硝子体手術)
1、現状の硝子体手術様式

①広角眼底観察:非接触型が本邦では普及している。広く照らす方法も普及した。

②染色による硝子体、膜の可視化:液体で見えない硝子体ゲルを可視化するのにトリアムシノロンが硝子体内に注射される。このほかトレパンブルーなども使われる。内境界膜剥離は黄班浮腫の解除目的に使われる傾向がある。

③眼内タンポナーデ物質など:液体パーフルオロカーボンは巨大裂孔網膜剥離などの術中に一時的に利用される。術後に残すタンポナーデ物質には空気、C3F8などのガスの他、シリコーンオイルが使われる。

④小切開硝子体手術:23,25ゲージ器具なら安全性が向上した。観察照明系の進歩で双手法での手術可能になった。結果として硝子体手術を手掛ける医師が増えた。

2、硝子体手術の将来(光と影)
backling(図:バックリング)
器具の口径の小さい27ゲージシステムも市販され、今後一層の低侵襲手術と傷口閉鎖の安定性が得られる。ところが、裂孔原性網膜剥離の治療に硝子体手術が第一選択の術式になるにつれ、強膜バックリング手術を行う機会が減少している。その結果、バックリング手術の有効性と正しい手術方法の理解が失われ、強膜バックリング手術をすべき若年性網膜剥離に対してさえも硝子体手術が選択されている。さらに、不必要にレーザー光凝固を周辺部の広い範囲に行う傾向が見られる。手術手技を追いかけるあまり、適切な治療方法が失われる恐れがあり、今後の動向に注目が必要。
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清澤の脚注

1)各ゲージの直径は、20ゲージ針は0.8128ミリ、23ゲージ針は0.57404ミリ、25ゲージ針は0.45466ミリ、27ゲージ針は0.36068ミリです。20ゲージ、23ゲージ、25ゲージ、27ゲージと数が増える程に細くなっています。使う器具のゲージ数が増えると、より繊細な手術ができるという事です。

2)私が眼科医教育を受け始めた1978年から1990年ころには、大学病院眼科の講師以上の医師は専門分野に拘わらず皆が輪状締結術および硝子体手術による網膜剥離手術を担当していました。当時の器具は20ゲージで、コンタクトレンズを角膜上に置く接触法が主流でした。現在は網膜硝子体の専門医のみがそれを行うようになっています。

3)私の診療所では、網膜はく離や黄班前膜などの網膜に対する直接的な処置が必要な可能性のある病変を持つ患者さんを見つけた場合には、土曜日に行われる網膜硝子体専門外来でその症例を診察していただきます。ここでできる症例には当医院で網膜光凝固などを施していただき、またより詳細な検査や眼内手術が必要な症例では専門施設に紹介または竹内眼科クリニックへ連れて帰って戴いて、そこでの治療をしてから戻していただくというシステムを意図的に構築しています。

4)上の記事の「光と影」:という部分の発言は、日本をリードする硝子体手術専門家ならではの発言です。

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