お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2015年3月25日

6401 片側顔面のけいれんに対する微小血管の圧迫解除:聴覚機能保護

片側顔面のけいれんに対する微小血管の圧迫解除:私達はどのように聴覚の機能を保護できるか? :本日三井記念病院脳外科尼崎先生に頂いたものの要旨翻訳です

2015年2月9日オンライン出版。(doi:10.3109/02688697.2014.1003033)
尼崎他、脳神経外科、三井記念病院、東京

目的:聴神経の神経機能は、半側顔面のけいれん(HFS)治療の為の微小血管圧迫解除手術(MVD)の時に、リスクにさらされる。手術中の脳幹聴覚反応(BAEPs)による障害可能性の監視は、聴覚への損傷の危険を減少させることについて有益であるかもしれない。この研究により、聴覚障害を起こすことを避けるためにMVD手術での最適な手技を明確にするために手術プロセスと関連した手術中のBAEPモニターの有効性を評価した。

方法。手術中の脳幹聴覚反応BAEP監視によって半側顔面のけいれん(HFS)のための微小血管圧迫解除手術(MVD)を受ける100人の連続的な患者を調査した。患者は、脳幹聴覚反応(BAEP)の第5波の振幅増大と振幅縮小に基づいて4グループに分類された。
手術後の聴覚機能と、脳牽引ヘラの使用、聴神経に沿ったクモ膜膜の除去、および顕微鏡下処置の時間という手術の要素が、脳幹聴覚反応に関連して分析された。

結果。3人の患者が術後の聴覚障害を訴えた。しかし2例は完全回復し、1例だけが永久的な聴力障害を残した。顕微鏡下での操作時間が長いことと、脳を牽引するヘラの使用は脳幹聴覚反応に良くない影響を示す傾向があり、聴神経に沿ったクモ膜膜を保存することは良い効果があった。統計分析では、グループ2と4で聴神経に沿うクモ膜膜の保存が有意差示した(p = 0.013)。

結論。術中の聴神経の牽引は、手術後の聴覚損傷を防止するために避けるべきである。下位の脳神経根と延髄を吻側から適正に露出する事、牽引へら(レトラクター)の使用を避ける事で、聴神経に牽引を掛けなくても圧迫除去に十分なスペースが得られる。聴神経に沿ったクモ膜の最大限の保存と顕微鏡下操作時間の短縮が聴覚障害を減らす。
ーーーーー
清澤のコメント;連続100例の血管による顔面神経の圧迫解除手術の結果をまとめた本格的なお仕事です。過去には10%にも及ぶとされてきたジャネッタ手術による聴覚障害はこのように慎重な手術を行う事で1%まで減らすことが出来ているという事なのでしょう。

Categorised in: 未分類