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2015年3月21日

6389:行動トレーニングによる年長者の視力改善効果:論文紹介

6389:行動トレーニングによる年長者の視力改善効果:論文紹介

行動トレーニングによる年長者の視力改善効果 (Improving Vision Among Older Adults)

Denton J. DeLoss(カリフォルニア大学リバーサイド校)、Takeo Watanabe(ブラウン大学)、George J. Andersen(カリフォルニア大学リバーサイド校 E-mail: andersen@ucr.edu )

抄録

65歳以上の高齢者の増加の問題点は、加齢に伴う視力の低下による転落や自動車事故のリスク増加である。従来の研究によれば、この危険性の増加はコントラスト感度の低下と視力の低下に伴って起きている。

我々はは視覚的な受容学習に加齢に伴うコントラスト感度の低下に改善効果があるかどうかを検討した。高齢者と若年成人に様々なコントラスト段階で示されていて、それに雑音を乗せた様な刺激を用いる視標方向の弁別を強制的に選択させる作業を7日間行わせて訓練をした。大学生年齢の若者ではこのトレーニングを受ける前に行われたテストを、老人ではこのトレーニングを受けた後でも同様にテストがなされた。改善は若年者における遠方視力の改善と高齢者における近方視力の改善という2つの効果が測定された。これらの結果は高齢者において、行動的な訓練で視覚的な行動が大いに改善できることを示していた。

Received August 31, 2014.
Accepted December 17, 2014.

清澤のコメント:
 S製薬のMさんがこのブログの記事にどうかと言って教えてくれた記事です。日本語のブログにもすでに何件か採録されていますが、ここは元の雑誌の抄録に戻って眺めてみました。雑誌はオンラインで先行掲載です。
Psychological Science March 6, 2015)
 その内容は、日本語の記事が書いている様な老眼(調節力の加齢に伴う減少、近見障害が主な訴え)に関連したものではなくて、加齢に伴うコントラスト感度の低下とパフォーマンスの劣化が訓練によって改善されるので、高齢者の遠方視力も改善されるということの様でした。ですから、「たった7日間のトレーニングで老眼が治ることが米研究で実証」という日本語の翻訳は全くの誤訳でしょう。

追記:筆頭著者に問い合わせました。3月24日Jhon Andersen教授は「研究に対するメールをありがとうございます。私たちは高齢者群の近方視力もコントラスト感度の訓練で改善したを発見しています。これは予期しない結果だったのですが、老視が起きていることに関連したものかもしれません。」と、このすでに日本のマスコミに発表されている翻訳を支持する内容の返事でした。

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