お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2015年3月15日

6366:緑内障患者のQOLを守るための視野の管理 (福地健郎)

緑内障患者のQOLを守るための視野の管理 新潟大学 福地健郎教授

新潟大学は岩田教授、阿部教授からの緑内障研究の流れがあります。話の要点は
Ⅰ、視野測定の基本とアップデート
Ⅱ、視野の領域とQOL
Ⅲ、視野の管理

参考事項:日本の眼科2014、9号に演者の臨床講義の論文があるのでご参考にとのこと。

清澤のコメント:豊富な臨床経験に基づく的確な助言が所々にありました。
○最初の回ではシータスタンダードでもよい。しかし進行の経過を見るときはシータファストではなくてシータスタンダードを使うのがよい。中心視力は中心耳側視野に依存するのでモニターします。10-2が必要。などなどです。
◎昨年の国際神経眼科学会の時に「眼瞼痙攣の視野とQOV」を考えたことがありましたが、相関があるかどうかまでを論じていて、そのうちの何が相関するかまで深くは考えが至りませんでした。ここまではっきり分析して見せていただくと、脱帽です。

ーーー
Ⅰ、視野は何を測るのか?
ハンフリー視野30-2でのMDは同じだが、一方では鼻側周辺が無くなっていた!という事もある。
ハンフリー10-2で見たら実は変わっていたというものも。(むしろ10-2が大事かもしれない)

30-2と24-2なら全域値は13分かかり、疲れる。
全閾値に比べてシータスタンダード、シータファストと時間が短くはなるが、ファスト法ならいったん患者が犯したミスはもう補われない。

①異常の有無を見るのには:現在ならシータファストでよいが、
②緑内障の経過を見るならシータスタンダードを用いてほしい。

問われる可能性のある数字には固視不良、疑陽性、偽陰性、測定時間、中心窩閾値(デフォルトではこれがオフになっているが。)

アーチファクトに騙されるな。
1、レンズと角膜の離れすぎ(周りが黒い)
2、上瞼の下垂(上周辺の沈下)
3、偽陰性が多かった(はっきり見えたら、押すと言われたためそうしていた。)
4、測定が夕刻なら悪くなることもある。疲労現象、睡眠不足、
5、固視不良(時には固視点の間違いの場合もある)

中心窩閾値は必ず測るのがよいだろう。

Ⅱ、視野の管理
運転、転落、読書能力、認知機能などについて考える。
Crabb の論文2013年Ophthalmologyの論文は緑内障の患者が実際にどう感じているかを論じたもので、1)黒いトンネル、2)かすんだトンネル、3)ブラードパートあり54%、4)ミッシングパーツあり16%、5)自覚なし26%
:つまり患者は緑内障視野を医師が思うような「黒いトンネル」と感じているわけではない。

NEI VQE-25;を用いて分析する。自覚的な視機能を点数化して、100に近いほどQOLは良いとする。患者の回答に基づき再コード化する。

①6項目で分析して悪い目のMDとVFQの相関を見る:-20-25dBで悪化を自覚している。
②良い方の眼で分析すると、-15dB~―17dBから自覚症状は悪くなる。

現在手術を受けている患者のMDはもっと悪いだろう。

③四谷白土眼科提供の緑内障視野の進行を示す様々な形がある
これを、視野を10のクラスターに分けて分析する。
視野の値と自覚的な重症度は、良い方の眼では、ほとんどのクラスターが自覚症状と相関するが、悪い方の眼では余りQOLに相関しない(殊に、視野の上方が相関しない)。近見、遠見の差もない

運転では上方の視野が必要である。アニメを見せながら、視野がどうなら、どのような運転上の間違いを犯すかを分析した。

信号の見落としは:上半視野が欠けると信号の見落としをする。
下半視野の欠損では横からの車両の進入を見落とす。

Ⅲ、視野の管理
乳頭黄斑線維束:これは詳しく見れば視野でマクラがディスクより5度位下にある。
しかしマクラより先の水平縫線は水平になっている。

SS-OCTが使われるようになったのだが、これは網膜の深さ方向の観察に有利である。
画像処理で、内境界膜に対して黄班のくぼみを変形させて(フラッテニングし、網膜表層を基準にした)en-faceイメージを作ってみる。こうすると視神経層の欠損(抜け)が黄班部の外側まで伸びているのが見える。
これには、ERM(黄班上撒く)があるとダメで、網膜の硝子体と網膜の境界面に変化があっても使えない。

ハンフリー10-2の話
中心10度の視野に重要性がある。
それは中心窩閾値(矯正視力1.2には29dBが必要)と視力は相関するからである。
殊に、10-2で測定される中心視野のすぐ耳側が大事である。
10-2での大事な点が、24-2や30-2では測定されていない。
だからHVF10-2を測定しよう。

(*1)4822 眼瞼痙攣患者へのボトックス注射の効果(清澤・加茂)
PO-786:Botulinum A Toxin Injection to Blepharospasm Patients Improve Contrast Sensitivity, Functional Field Score, and the National Eye Institute Visual Functioning Questionnaire – 25(VFQ-25)【Author】Junko Kamo Motohiro Kiyosawa Senami Watanabe Ryo Harada, World Ophthalmology Congress® 2014 Tokyo

Categorised in: 未分類