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2015年3月15日

6365:難治性緑内障に対する手術治療(石田恭子先生)を聞きました

難治性緑内障に対する手術治療 東邦大学医療センター大橋病院 眼科 准教授 石田恭子先生
第48回 東京緑内障談話会講演会の教育講演Ⅱ です

ahmed_glaucoma_valve_flexible_plate(アーメドバルブ)

清澤のコメント:この講演ではアーメドAhmedとバルベルトBaerveldtの2種のチューブの比較を含めた広範な議論が展開されていました。(金属製チューブだけのエクスプレスは本日の話では論じてはいませんでした。これは用途が難治性緑内障とされているけれど実は難治例には向いていないという事なのかもしれません・

Baerveldt_ParsPlana_step06 「バルベルトでは初期に眼圧が下がりすぎるからチューブの終末部分を糸で結んで最初の急激な眼圧低下を抑える」とか、「その場合には、チューブの起始部付近に小さく切り込みをつけて初期から房水が横に流れる道を作っておく」などの話は初めて伺いました。

 私も視神経障害としての緑内障には少なからぬ興味を持っています(*1)。当医院では埼玉医大の木村充先生と東北大学緑内障外来で研鑽された西尾先生に緑内障外来を作って戴き、その外来で緑内障患者さんの治療方針を立案していただいて、その方針に従った加療を日々行っています。私自身は緑内障手術からは随分前に手を引いてしまっておりますが、このような講演を伺って、大学病院クラスの紹介先が今どのような手術を行っているのかを知るのは大変参考になります。)

ーー講演の概略ーーー
緑内障における中央に近い視野欠損は、レクトミーで充分な眼圧下降で落ち着くことが多い。
しかしトラベクレクトミーによるでは、術後も点眼薬剤が要らなくなるわけではない。
手術成績を見ると、20年間でのレクトミーの成功率は85%に過ぎない。
難治性緑内障とは何か? ブドウ膜炎、若い患者、ICCEの既往のある症例、視野の悪い人であり、それらでのレクトミーは60-95%の成功率である。

難治性緑内障になる原因は?:2回以上の失敗、結膜瘢痕が強い症例、ブドウ膜炎、血管新生などが挙げられる。
チューブシャント手術の目的と原理:チューブとプレートで 過空間を確保する。プレートの上の結膜が濾過胞になる。

①Ahmed Valveアーメドバルブ手術の性質:チューブシャントならばぶどう膜炎があっても予後は悪くない。
Ahmedバルブの手術動画。バルベルトに比すと小さいが、それでも十分に大きい。輪部から8ミリに逢着し、IOLのケースでは角膜保護の目的でレンズの前で虹彩の下にチューブを入れている。この方法ではチューブも強膜に固定する。保存強膜でパッチしてそのうえで結膜を被らせる。アーメドバルブの種類は多い。プレートの上にできるブレブの性状が眼圧降下と関係する。シリコン製のほうが(ポリプロピレンよりも)よい。モデルFP7が成人に用いられる型である。

②バルベルト:こちらの方がプレートが広い。面積は350平方mmまで。チューブの内径は300mm.バルベルトはMRに写る。
結紮かステントでチューブをふさいで入れ、術早期の 眼左を防ぐ。8-0バイクリルで結んでつぶしておいてもよい。ブルメンタールのレンズで後からこれを切ってもよい。
シャーウッドスリット:輪部近くのチューブにスリット切開を置き、術直後の高眼圧を防ぐ。
輪部あたりに保存強膜を載せてチューブの露出を防ぐ。
診察でバルベルトを見るコツ:プレート、パッチ、チューブを見る。
7割くらいの成功率である。

最近全米ではチューブシャント手術か  傾向にある。
しかし、未だに改善の余地はある。

演者のコメントとして最初に選ぶなら合併症の少なさからアーメドを使った方がよいかも:とのことでした。

*1)Positive correlation between the degree of visual field defect and optic radiation damage in glaucoma patients.Murai H, Suzuki Y, Kiyosawa M, Tokumaru AM, Ishii K, Mochizuki M. Jpn J Ophthalmol. 2013 ;57:257-62.

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