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2015年3月9日

6343:バセドー病―メチマゾールと眼症状とヨードというお話を岡本建先生から伺いました。

バセドー病―メチマゾールと眼症状とヨードというお話を岡本建先生から伺いました。

バセドー病―メチマゾール(MMI)と眼症状とヨード(10の症例に学ぶ)というお話を
九州大学病態機能内科 岡本建先生から本日第2番目のお話として伺いました。私が内科医ではないがゆえに聞き取り切れなかった部分がありそうですから、このお話は短めに記載し、私が質問した最後の甲状腺機能障害を伴った内眼筋障害(緊張性瞳孔?)の話をつけておきましょう。

まず、病気の治療は効果的で、安全に、且つ廉価に行われるべきである。というお話から始まりました。

2、海草(ヨード)を食べたら橋本病の増悪が見られたという症例のお話。ヨードの排泄障害でも同じことが見られるそうです。やわらかい甲状腺腫になるそうです。

3、逆にヨードが欠乏したら?という問題で、ラットに4か月無ヨード職を与えると。TSH値が上がり、甲状腺腫が出来るそうです。ヨード欠乏では甲状腺は刺激されます。

4、バセドー病の治療には:チオナマイド系のチウラジール(PTU)やメルカゾール(MMI)がもちいられますが、MMIの方が効果的である(1987)という事でした。メルカゾールは15mgが標準だそうです。

症例5は:目が白くかすむという症例で、これはブドウ膜炎です。HTLV1陽性です。バセドーにはブドウ膜炎が多いのですが、MMIには思いがけない眼副作用があるという事かもしれませんとのことでした。

症例6、手の先に循環障害のあった例ですが、この症例に対する投薬をKI(ヨウ化カリウム)にしたら手の壊死が止まったまったそうです。

症例7は、76歳女性。MMI30mgを使ったら視力低下と外眼筋の肥大が起こましたが、ステロイドのパルス療法は効いたという事でした。バセドーの治療中に眼症の増悪を見ることがあります。。1)アイソトープ、2)甲状腺機能低下後の眼症の誘発が考えられますが、18例のバセドー治療中に眼症が(医原性甲状腺機能低下を介して)増悪した例を見ています。甲状腺機能低下は顕性機能低下が多いそうです。

症例8は、ヨーソ131治療の後に23年を経て、両下腿限局性粘液水腫と眼球突出をきたした例です。(長期を経た医原性の機能低下に注意。)
副作用が出たらT4を見乍らヨー化カリウムを足すそうです。 一方、過剰ヨードは⇒甲状腺機能の低下を起こすそうです。人に対するヨードの影響を見ると、健常人には影響は少ないのですが、慢性の甲状腺炎では機能を抑制するとのことでした。

症例9:海草制限で、フリーT4が増えたという例です。
チオナマイド系抗甲状腺剤に副作用を生じたバセドーの44名へのKIの効果(有効は60%)を話されました。緩解に入れるのは半数だそうですが、ヨードだけで緩解できる人が多いとのことでした。また、投与されたが甲状腺に入らなかったヨードは、尿に排泄されるから危険は少ない。。また、ヨウ化カリウム(KI)を使っても血中のカリウム濃度はほとんど上がらないそうです。有名なイングバールはこのようなときには甲状腺のiodostatが乱れているといったそうです。(このあたりは文脈が正しく聞き取れていないかもしれません)。

悪性腫瘍を合併したバセドー病があります。このような例にはヨウカカリ(KI)治療が行われます。未治療のバセドーでもKIは使えます。
容易緩解型が40%、動揺型が40%、くすぶり型が20%で、陰険増悪型も(合計が100を越えますが)10%程度あるとのことでした。。

想定外の症例もあります。それは、バセドー病の治療の後30年で心房細動を起こし、それに伴う脳塞栓を起こした73歳の例です。治りやすいものはKIかチオナマイドで、くすぶり型や陰険増悪型ならアイソトープか手術の適応であるとのことですが、長期に亘って遊離T4とTSHを正常に保ちましょうというのが結論だそうです。
海藻摂取、脱ストレス、MMIとPTUの使用(演者はできればこの2つは使いたくないそうです)このほか放射性のヨード131(131I)とKI(演者によれば敬愛する良い薬)が選べるそうでした。現在では心房細動にはNOAC(?)があるが高価だということ。

さて最後は、左右に短期間で意向を示す内眼筋障害があって、眼痛、眩しさ、視力低下、対光反射の減弱を示しtonic pupilが疑われた例があったが、眼科医はどう考えるかと聞かれました。他に質問やコメントを述べる人がいませんでしたので発言してみました。

(アディーの)緊張性瞳孔は、目の副交感神経が侵される疾患で、それほど希なものではありません。(私が出会う頻度は年に新鮮例で400人の神経眼科新患患者のうちで3例程度。)眼球に近い副交感神経の毛様神経節の炎症などかもしれないという人もいます。基礎疾患がない若い女性に多く、また自律神経系のジスオートノミアなどにも両側性で合併することがあります。その診断には0,125%ピロカルピンに対する過敏性縮瞳がもちいられます。発症後しばらくすると対光反応の減弱と不似合いな近見反応の残存も見られます。患側の瞳孔縮瞳筋の麻痺はセクトリアル(部分的)であって、虫がうごめくような自発運動が細隙灯で見られますので、慣れた神経眼科医ならそれを指摘するでしょう。一度起きた散瞳は数年で小さくなり始めます。約4%ずつの割合で反対眼にも発症するという事がスタンレー・トンプソンの神経眼科学のトピックスという本に詳しく書かれています。

 ①あちこちに左右移動した、②はっきりとした散瞳であって③間もなく消失した。④他の症状は眼内の副交感神経麻痺の症状に合っている::としますと、アトロピン効果のある(散瞳作用のある)樹液などが患者の手指を介して一時的に目に入った、あるいはより大きな可能性としては、患者が眼科外来からミドリンPかアトロピンを持ち出して自分でつけていた。(臨床主治医には考えたくない事例ですが、それしかないという症例の経験が私にも有ります。)佐賀大学の教授をしておられた故大野先生がすぐに回復するだろうと言ったというのは、この辺を考えてのことかもしれません。瞳孔の専門家大野新治先生には北里大学で昭和56年に新米病棟医としてお世話になったのを思い出します。(それとも今ご在籍の神経眼科の大野先生でしょうか?)

さて、いかがなものでしょうか。

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