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2015年3月8日

6341:「小児の甲状腺眼症」を野口晴香先生に伺いました

、「小児の甲状腺眼症」を野口晴香先生に伺いました

第28回甲状腺眼症研究会は今年も2015年3月7日に経団連ダイアモンドルームで開かれました。オリンピア眼科病院は甲状腺眼症の治療を得意とする眼科病院ですが、井上洋一先生亡き後もその暖簾をしっかり守っておいでです。本日の最初の講演は、「小児の甲状腺眼症」という演題でオリンピア眼科病院 野口晴香先生により話がなされました。
F1_medium(Arch Dis Child 2003;88:158-159
Successful radioiodine treatment in a 3 year old child with Graves’ disease following antithyroid medication induced neutropenia)

概要としては、1)小児の甲状腺疾患では視神経障害が少ない。(筋腫大が軽いから)2)眼瞼所見が多い。3)涙腺腫大も多い。4)複視は少ないが、筋肥大は多く見られる。小児では上直筋の肥大が多く、成人は下直筋肥大が強いというのと違う。5)治療を要する例は27例15,8%にとどまり、特別な治療を要さないものが85%もある。という事でした。

症例1 11歳、上眼瞼の自然緩解例;上眼瞼軽度後退、眼瞼遅滞を示した例。上眼瞼挙筋に肥大があり、無治療で治癒し、上眼瞼の浮腫も引いた。(関連事項として、成長に伴う瞼裂の横方向の伸長が見られることが紹介されました。)

症例2 11歳、成長に伴う眼球突出の増加例:甲状腺機能は亢進していたが、T2では炎症なし、睫毛内反があった。TSAB4700%と高く、眼瞼後退の一時的な悪化を見た。

症例3 13歳 上眼瞼腫脹、眼瞼後退、眼瞼遅滞があり、外眼筋肥大が強かった。
ヨウ化カリウム使用、トリアムシノロン局所注射が行われ、瞼の局所注射が筋肥大をうまく減らした。眼瞼後退も改善。

症例4 15歳 右眼の眼瞼後退、遅滞。トリアムシノロン注射で治癒。

症例5 15歳 左眼球運動障害と眼球突出。この例もステロイド局所注射に反応した。

症例6; 11歳 ステロイドパルス治療。

症例7;15歳 パルスで筋肥大の減った例

症例8:4歳 眼球突出

清澤のコメント:
神経眼科として複視なども扱う私ですが、長期にわたって観察した甲状腺眼症の症例は私には記憶がありません。ですから甲状腺を専門とするオリンピア眼科病院でもこの程度の少なめの数なのでしょう。小児の甲状腺疾患は自分で診察をしておき、何かが始まってきたらオリンピア眼科に紹介という事でよさそうです。
都市の開業医にとって、あるいは大学であっても一般の臨床医にとっては、「何ならどこにお願いできるか?」というリストをしっかり持っていることが絶対に必要ですし、そして其処との良好な関係を保つのにも努力を要する点です。今後も甲状腺関連の患者さんはオリンピア眼科病院にお願いすることが多いかと思います。

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