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2015年3月1日

6323:老視の眼鏡処方:眼科ケア 2015.3号から

眼科ケア 表紙
眼科ケア2015、3月号 重要シーンからわかる眼鏡処方の秘訣が出版されました。佐野研二先生がプランナーで12の項目が論じられています。私の担当は老視の眼鏡処方。高田眼鏡店の山口武志さんと共著です。

 この12項目を眼科院内の勉強会などで読み合わせていただくとよいかと思います。院長先生にねだって、院内にお揃えになると便利に使えるかとも思います。

(P24-25)
眼科ケア 1
4、老視の眼鏡処方

・・・心得・・・
その一、患者さんの希望する近距離を検査前に把握する
 近方視力表は30㎝で検査しますが、患者さんの希望する距離はそれぞれ異なるため、最初に把握することが必要です。
その二、老視の初期には2~3年ごとに「度が進み、眼鏡が合わなくなる」ことを理解してもらう
 老眼鏡は調節力の低下を補うものです。老視の後期は調節力が残り少なくなっているため、度数の進みかたは遅くなります。
 その三、近用専用眼鏡を掛けると人工的な近視状態となるため、遠方がぽけることを説明する
 加入度数は遠方度数に対して(+)レンズ度を加えるため、近くは見やすくなりますが遠方はぼけます。

眼科ケア 症例①
 症例紹介①
若い時から視力はよかったです。自動車運転免許証の更新でも眼鏡はいりませんでした。今45歳ですが、最近帳簿を付けるのがつらくて疲れます。そういえば腕を伸ばして新聞を読むようになりました。夫の老眼鏡を借りてみるとよく見えます。
◆45歳 女性
◆視力
 RV=1.0(1.0×S+0.50D)
LV=1.0(1.0×S+0.25D)
NRV=0.4(1.0×S+2.00D)
NLV=0.3(1.0×S+1.75D)
遠方視力はよくて、近方の裸眼視力低下だからシンプルな老眼かな? まず遠方の屈折度数を調べて決め、次に年齢に応じた加入度数を足して近方眼鏡度数にしよう。不同視があればそこも配慮しよう。

(p26-27)

眼科ケア 症例②

 症例紹介②
若い時から近視の眼鏡を使っていました。前回の自動車運転免許証の書き換えで遠近両用の眼鏡を作り、具合がよく暮らしていましたが、最近近くで帳簿を付けているととても疲れます。
 老眼に対する度数を強くすると、現在の眼鏡に比べて近くの見える範囲が狭くなります。
◆52歳 男性
◆視力
 RV=0.3(1.0×S-1.50D)
LV=0.2(1.0×S-2.00D)
NRV=0.7(1.0×S+1.00D)
NLV=0.9(1.0×S+0.50D)
前に遠近両用眼鏡を作ってから3年で、近方が読みにくいなら老視に対する加入度数が足りなくなったのかな?もちろん処方は維新屈折力レンズにしよう。まず遠方の度数に変更はないかをみて、必要に応じた近方加入度数を足して掛け試しをしよう。
 <症例①②の処方に至るまで>
〇遠方視力の測定
 球面だけではなく乱視度数も入れ、遠方眼鏡を決定します。左右差は2.00D以内にします。
〇近方加入度数の決定
 遠方用の眼鏡度数の乱視度数と軸は変えないで、その上に近方加入度数を加えます。

・・・関連知識・・・
■中近用累進屈折力レンズと近用ワイドビジョン
 図に中近用累進屈折力レンズで見える距離を示します。50歳代になるとパソコン用の距離(50~60㎝前後)と読書用の距離(30~40㎝)で適切な度数が異なってくることがあります。
 中近用累進屈折力レンズはレンズ上部にて室内、中央部にてパソコン用、下部にて読書用の設計となり、近用ワイドビジョンはレンズ上部にてパソコン用、下部にて読書用の設計となっています。ともに遠近両用レンズよりは見える距離は中間~近用まで広くなります。
眼科ケア ③中近用累進屈折力レンズで見える距離、Aで1~2m、Bで50~60cm、Cで30~40cmの距離を診る事ができ、ゆがみが少ないので視線の移動が疲れません。

清澤眼科医院 院長 清澤源弘
高田眼鏡店 眼鏡士 山口武志

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