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2015年1月18日

6202:スイス中銀の敗北が暗示する「大波乱」の記事です

昨日に引き続き、「スイス通貨関連の考察」です。

 1月15日、スイス国立銀行(中央銀行、SNB)が市場に屈したことは、22日の欧州中央銀行(ECB)理事会と25日のギリシャ総選挙が大きな波乱をもたらす可能性を示している。

つまり、
○22日の欧州中央銀行(ECB)理事会の混乱:ーーECBがユーロを下落から守れない可能性
○25日のギリシャ総選挙が大きな波乱:--ギリシャ新政権がECの言いなりにならない可能性。

ー━スイス中銀の決定は、「スイス中央銀行が市場に屈した」という解釈がなされるようです。

SNBは突如としてユーロに対するスイスフランEURCHF=EBSの上限を撤廃しました。これは、上記2つのイベントのどちらかが不首尾に終わればSNBが取り返しのつかない損失に引きずり込まれかねないという、恐怖感の表れだとロイターのJames Saft記者は解説しています。(http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKBN0KP0EQ20150116?rpc=223&pageNumber=3&virtualBrandChannel=0&sp=true)

この記事を私なりに読み下してみます。

スイス中央銀行は3年にわたり、フランの対ユーロ相場に上限を設け、無制限の市場介入を続けてきました。15日にそれを解除したことで、フランは一時30%も急騰し、一日の終わりには約15%高となりました。(清澤の感想:この様な激しい行って来い相場では、市場参加者が最悪の時に買い戻させられるという効果を及ぼしたことでしょう。)

○22日:ECBは量的緩和を発表すると予想されており、それが成功すればユーロは下落(スイスフランには暴騰の圧力になる)する可能性がある。

○25日:ギリシャ総選挙では、債務問題をめぐり他のユーロ圏諸国と対立しかねない政権が復活する可能性がある。

「スイス中央銀行は既に、資金流入が強まる兆しを把握しているのかもしれない。」、「ECBがSNBにきちんと耳打ちしたとは考えにくい。しかし非公式な会話を通じてSNBが風向きを把握した可能性はある」とのこと。

<テールリスク>
スイス中央銀行は過去3年間、世界にユーロからの避難口を提供してきた。避難口を無制限に使いなさい、我々は予め取り交わした最低価格でフランを売ってあげるからと。

そこでこの記者は次のような表現をしています。
「こつこつと数セントを拾い続けた挙句、ローラー車に一掃される」という表現があるが、SNBの戦略は正にそれだった。SNBそしてスイスはこの戦略で一定の恩恵を受けた。しかしユーロが危機に陥ったり、ECBが量的緩和に踏み切る場合に、SNBは数十億ユーロを買い増した末にペッグが崩壊するという大きなリスクを負う。

通貨価値の急上昇はインフレ率を間違いなく押し下げる。世界全体では現在、デフレの勢いが増しているようにみえる。

これらを総合すると、ECBは量的緩和に踏み切り、FRBは一段と利上げを遅らせるかもしれない。今年一年間を見通しても、テールリスクだらけの年になる可能性が潜んでいる。

清澤のコメント:不連続性は、多大な混乱を引き起こします。それで、なぜ今スイス中央銀行が?という問いにこの記事は見事に答えています。それは、この日を逃せば、世界のマーケットにスイス中央銀行自身が押しつぶされることになるという恐れを抱いたからその声明に踏み切ったのだという解釈です。

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