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2015年1月14日

6190:視神経炎 optic neuritis(今日の治療指針2015から)

視神経炎 optic neuritis
清澤源弘 清澤眼科医院 院長 (東京)

病態と診断
A,病態:
・視神経炎は,視神経に炎症を起こす疾患で、視力低下と中心暗点を示す。
・その原因には脱髄、免疫異常や循環障害、ウイルス感染などさまざまな要因が含まれ、その原因が特定できないことも多い。
B,診断
・眼科一般的検査と神経眼科的検査を行う。特に眼底検査、眼球運動痛や入浴での増悪などの問診、ゴールドマン視野検査、頭部MRIが必要である。
・視神経に病変が同定され、視力視野変化がその病変によると判断され、しかもそれが虚血性視神経症でなければ、広義の視神経症と診断する。
・後述の類縁疾患鑑別のためにも血液検査は広範に行う必要がある。

C、視神経炎および視神経症の分類と類縁疾患
1. 視神経炎に分類されるもの
・①特発性視神経炎およびその特殊病型としての多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎(アクアポリン4抗体陽性視神経炎、視神経脊髄炎(NMO)、ADEMが含まれる。このほか②ウイルス性、細菌性、その他の感染に因る視神経炎③自己免疫性疾患(サルコイド、SLE、シェーグレン、抗甲状腺抗体など自己抗体陽性例)に伴う視神経炎を含む。
2、視神経症に分類されるものには①前部虚血性視神経症AIONおよび後部虚血性視神経症PION(別項目参照)、②圧迫性視神経症(腫瘍、副鼻腔炎)、③外傷性視神経症、④甲状腺視神経症、⑤中毒性視神経症(エタンブトール、メチルアルコールなどに因る)、⑥栄養失調性視神経症、⑦Leber遺伝性視神経症を含む遺伝性視神経症、⑧腫瘍関連視神経症が含まれる。

治療方針
 特発性視神経症にはステロイドパルス療法が施される。しかしその効果は視力回復を早めるが、最終的な視力は偽薬および自然経過と有意差がないとされる。ステロイド内服治療では再発率が高いとされており、中途半端なステロイド内服は慎むべきである。
A, ステロイドパルス療法
処方例:
ソル・メドロール注 一回500mg、一日二回朝・夕 点滴静注 3日間を行う。その後はプレドニン錠(5mg)6錠 分2朝4錠 昼2錠から開始し漸減するが、初回パルス療法で回復が良ければそのままステロイドを中止できる場合もある。
 上記を1クールとして視機能改善を評価する。改善が不十分な場合には3クールを限度として繰り返す。常に、特定の治療法が有効な疾患を見落としていないかには、繰り返し細心の注意を払う必要がある。

専門医へのコンサルト:視神経炎は多発性硬化症の一症状である場合があり、将来他の神経症状を発症することがあるから、眼科医だけでなく神経内科医にもコンサルトを依頼するのが望ましい。また、耳鼻科疾患が画像診断で疑われる場合には、耳鼻科との連携が必要である。膠原病を基盤に持つ場合にはステロイド使用前に膠原病内科へのコンサルトも遅滞なく依頼する。

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