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2014年12月29日

6148:書籍発行社からアンケートをいただきました

眼科診療での「究極の知と技」なる企画の書籍発行社からアンケートをいただきました。

 20年も前に、私が専門編集委員をさせていただいて「眼科学大系」の神経眼科の部分を出して戴いた老舗の医学関係の出版社です。今回の担当者の方は知る由もないでしょうが、編集委員として著者に伺った私の質問に激怒した他科の教授に対する釈明のために、遠くまで出張してくださったその時のデスク担当者が、今では社長になられて年賀状のやり取りなどもいまだに続いています。

「どのような項目を拾い上げようか?」というのは通常は編集者の決める仕事ですから、ここまで御知恵を拝借というのは「謙虚」とするか、「虫が良い」とするか?というところではあります。

質問1、対応に困った患者さんには次のうちどのようなものがあったか?

例示されていたのはどれもありそうな例ではあります。省略:

自分が良く思うのは、私もそうなのですが初老から老人になると頑固になります。そして、「自分が何者であるかを知ってから話を聞き始めてほしい」という老人は多いというケースです。ただの山田さんではなくて、「社会的地位がある。または最近まで地位があった山田さんであるという認識を示してから診察を始めてほしい。」という患者さんは少なくありません。そこをパスして、「いつから視力が落ちたのですか?」といきなり聞き始めると、不機嫌になり、大変非協力的になることがあります。「そうですか最近まで○○小学校の校長をされていたのですね。」といった一言は、そんな患者さんがぜひ最初に掛けてほしい一言なのです。

質問2:インフォームドコンセントで困ったケース:
私が専門とする治療は、神経眼科の中でも「眼瞼痙攣」。この治療の主体はボトックスの眼輪筋への注射なのです。飲み薬や点眼は併用療法には使いますが、それだけでの治療を試みてはいけないというのが神経眼科学会の治療マニュアルにある原則です。勉強してくる患者さんの中には「ボトックスの副作用」という言葉に過敏に反応してしまい、肝心な治療に進めない人が大勢いいます。だからこそ当医院までドクターショッピングを重ねて来てもいるのですけれど。まずは素直に薦められた治療から受けてみたら?と思います。
時期が来て薬の効果が切れたらまた注射します。という説明に対して、「一遍打ったら二度と止められない」ということだと深く信じ込んでいる人もままおいでです。

質問3:患者さんからの質問で返答に困ったケース。
今の症状が前医の失敗であるという自説に賛同を求められる場合。基本的に、「前医の悪口を言ってはいけない。それは天に唾を吐くのと同じ」というのが医師間の常識なのですけれど、そんなことは患者さんには関係ないのでしょうね。

質問4:診療にてこずったケースには?
非常に強いまぶしさを主訴に来院した中高年男性のケース。眼底には対応する変化がありません。そのような症例の多くは眼瞼痙攣であって、ボトックス注射でまぶしさもそれなりによくなるものなのですけれど、それが全く良くならない。ある種の錐体ジストロフィーや三宅病ではまぶしさを主訴にすることがあり、眼底にも異常が見られないケースがあります。網膜電気図をきちんととってその的確な評価ができる施設に送らない限り結論が出ません。最近はまたそれかな?と見当が付くようになりました。これは全くテクニカルな問題ですけれど。

質問5:取り上げてほしいテーマは?
薬剤性の眼瞼痙攣です。統合失調症やその他の気分変調でデパスなどの向精神薬を一定期間飲んでいると、光がまぶしく、目をあいているのがつらいという症状を訴える患者さんが出てきます。比較的若い年齢層に多く見られます。精神科の先生にベンゾジアゼピン系薬剤の減量をお願いしますが、聞き入れてくださる場合ばかりではなく、そんなに多くは使ってないとか、そんな話は聞いたことがないという場合さえもあります。その場合、内科や精神科の主治医に対する患者の信頼感を壊すのは本意ではありませんから、こちらとしてはボトックスの量を多めに打つという対応を取ることになるでしょう。

さてこんなところでいかがでしょうか?いずれかの項目の原稿を求められることになることでしょう。

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