お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2014年12月29日

6147:医師の裁量を認める立場(私の提言、苦言、放言:若倉雅登):を読んで

detail_5096
眼科ケアの12月号に「医師の裁量を認める立場」(私の提言、苦言、放言)という若倉雅登先生の随筆が出ています。

まずもっとも新しいのは「医師の裁量を認める立場」という記事です。この裁量という言葉は、最近私の周囲ではでは「オルソケラトロジーを小児に適応するかどうか?」という場面でしばしば持ち出されています。(注1)ただしこのオルソケラトロジーは保険の中で行われるものではなく私費診療の対象です。

若倉先生も考えておいでのように、最近は医療費を削減する方便として、医師の裁量に依っている部分を厳しく査定することで保険医療を萎縮させ、総医療費を圧縮しようとする動きが日々強まっています。「保険診療とは?」、という話が始まると、必ずその部分が強調され、「勝手なことははじめないで」と講義されます。しかし医療というのはそれほどマニュアル的に行えるものなのかどうか?もちろん否です。

そこで、若倉先生の文のさわりを引用します。

「医師の裁量権」を制限しようとするゆゆしき傾向が出てきている。たとえば、薬物の適応外使用について「薬理作用」に基づいて処方した場合の取り扱いについては、学術上の誤りなきを期し一層の適性を図ること」と、それを認めながらも野放しにはしないよという通知が厚生労働省(当時は厚生省)から出たのは昭和55年。----

医療とは、医師が専門的知識に基づく広範な裁量行為によって、はじめて目的が達成され、成立するから、そもそも医師の裁量を認めなければ医療そのものを否定することになる。:というわけです。

だが、その前提には、その裁量が患者にとって有益にはたらく、もっといえば「確かな善意」に基づくものでなければならない。:とも言います。

話は次に身体障害者の診断の話に進んでゆきます。筆者は、「医師は患者の最大の味方でなければならない」と思って診療に従事してきたといいます。「患者の立場に立脚した柔軟な運用」を求めるというのは若倉流の真骨頂でありましょう。

(注1):オルソケラソロジーのガイドライン 2009年、日本コンタクトレンズ学会が発表したオルソケラトロジー・ガイドラインでは、オルソケラソロジーの適応は20歳以上となっています。 理由は「患者本人の十分な判断と同意を求めることが可能で、 親権者の関与を必要としないという趣旨」とされています。 しかし、医師の裁量権で未成年にオルソケラソロジーを行う眼科医は存在します。2011年から2012年にかけて、筑波大学が、オルソケラトロジーが小児期の近視進行を抑制する効果を有することを明らかにしています。

Categorised in: 未分類