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2014年12月15日

6120:神経保護治療の開発に向けて、:東北大 中澤徹先生の話を聞きました,

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特別講演:神経保護治療の開発に向けて、
中澤徹 教授 東北大 の日本神経眼科学会の特別講演を聞きました。
(前回の聴講内容と同じことを話してはいないのに驚かされました。さらなるご発展を期待しています。)

眼圧を下げても、眼圧非依存性の因子は残り、緑内障は進行します。眼圧非依存性因子とは 塩酸メマンチン(NMDA型グルタミン酸受容体の拮抗薬)(脚注1)の効く成分です。問題点は:どれだけグルタミン酸に関連する部分が緑内障に含まれていたのか?という事になります。

緑内障治療には早くて鋭敏な評価が望まれますが:マイナス1D/年の進行を確認するには半年一度の視野測定でも2年かかるとされます。視野の中の進行をする場所に注目するとそれはさらに容易になります。マップで偏相関解析をします。OCTの変化する場所を視野でどこに出るのか?考えます。MDスロープなら-1.0dBですが、セクタースロープでは-2,8dB/年です。

視野を図るときに、眼底をトラッキングすると良かろうとも考えられます。ニデックMP-3のトラッキングの精度を見ました。(脚注2)

眼圧非依存因子を『調べるのに
1、遺伝子 コンソーシアム(標準)3000人 ネイチャージェネチクスに論文が出ています。OR2,0 (??)
2、CAV1/2 (??) SNP(スニップ)  
3、ジャポニカアレイは67,5万か所をチェックでき、短期間で安価です。インピュテーション(個別化アレイ)ができます。東北大学では次世代シークエンサーからジャポニカアレイが作られました。この内容はプレスリリースされています。(下に最新のプレスリリースを採録しました。脚注3.)

眼循環は眼圧か?血流か?という古くからの問題があります。
血流の測定は不安定であるし、この議論は多くの問題点を持ちます。
レーザードップラー、LSFGの進歩には著しいものがあります。
流量と流速を問う訳ですが、このデータはIOVS(Investigatives of visual science)に出ています(脚注4)。

それが、緑内障診断における乳頭MBRの有用性です。緑内障では。これが診断に有用です。

4、網脈動脈径の細い人は、長期的な緑内障の危険因子であるとされます。(ブルーマウンテン研究の2013 :脚注5)
LSFG(Laser Speckle Flowgraphy LSFG)による乳頭内MBR(乳頭のmean blur rate(MBR))は初期に低下することが示されました。

3、血流改善が緑内障治療に役立つのか?
タフルプロストが血流は改善するか?をみます。
136人を対象に、4か月、12か月の結果を追う予定。
調べてみると、眼圧がいい人と悪い人がいました。
血流改善が緑内障の進行を抑えるようです。

酸化ストレスを図ります。
①皮膚のAGE,②尿の8-OHdG、③血液など:が指標になります。
MDを目的関数とすると、全身の酸化ストレス障害が評価できます。

候補になる抗酸化物質は?。

◎ゲノム

3、創薬研究について。
視神経乳頭の篩状板は:段々に薄くなります。

マイクロアレイでは、HO-1の発現が多く、3,2倍になります。
これに対してCoPP投与で保護作用が得られます。(脚注6)
カルパイン:は酸化ストレスモデル確立から知られて居ます。
これは、SNJ-1945による活性化の阻害をします。
だからカルパイン阻害薬は神経保護に有効です。

網羅的遺伝子発現解析方法、機能性ゲノム解析部門の林崎良英先生との共同研究が進んでいます。
そこでは変動解析をします。ATF4-CHOP経路に変化が見られ、
虚血、低栄養、酸化ストレスからERストレスで緑に光る細胞を作って、研究に使います。
今後も、候補薬剤の絞り込みを行い、ダイナミックな研究が進められるでしょう。

以下は眼科医清澤が聴講後に後で調べたキーワードです;

◎脚注1:眼圧非依存性因子に関連して
塩酸メマンチン(NMDA型グルタミン酸受容体の拮抗薬):メマンチン塩酸塩は、グルタミン酸作動性NMDA受容体のアンタゴニストです。過剰なグルタミン酸によるNMDA受容体の活性化を抑制することにより、神経保護及び記憶・学習障害を抑制する新しいアルツハイマー型認知症の作用物質として注目されている。

追加注:Neurosci Res. 1996 Nov;26(3):215-24.Unilateral eyeball enucleation differentially alters AMPA-, NMDA- and kainate glutamate receptor binding in the newborn rat brain. Kiyosawa M, Dauphin F, Kawasaki T, Rioux P, Tokoro T, MacKenzie ET, Baron JC.(20年前には私も「NMDA」の研究者の端くれであったと言ってみたいわけですよ。)

◎脚注2:ニデックMP-3:マイクロペリメーター MP-1
視野(網膜視感度)をカラー眼底写真と重ね合わせて表現可能な局所視野計(この製品は、製造販売を終了)
特長:視野(網膜視感度)を測定するマイクロペリメトリー機能と、無散瞳デジタルカラー眼底カメラの2つの機能を有するファンダスペリメーター
視野測定中はオートトラッキング機能が働き、固視微動などによる測定位置ずれを補正するため再現性に優れ、小さな暗点を検出可能
フォローアップ検査は、前回と同一測定位置での再検査が可能で経過観察に有用
測定結果はカラー眼底写真上にマッピングされるため、眼底疾患部位の網膜視感度を眼底写真上で確認可能
固視測定は被検者の固視の分散状況や固視点の位置を測定可能。中心暗点がある人の固視移動を行うプログラムも用意::とのこと。おそらくMP-1の後継機種がMP-3であろう。

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◎脚注3:ジャポニカアレイ::(東芝のプレスリリース)
日本人ゲノム解析ツール「ジャポニカアレイ®」を用いたゲノム解析サービスを開始 2014年12月01日

日本人ゲノム解析ツール「ジャポニカアレイ(R)」

 当社は、大学、病院臨床部門、製薬企業などの研究機関向けに、日本人ゲノム解析ツール「ジャポニカアレイ®」を用いたゲノム解析サービスを本日から開始します。

 ジャポニカアレイ®を用いたゲノム解析サービスは、当社のライフサイエンス解析センターにて、研究機関から送付された血液、唾液、DNA検体などから個人のゲノム構造を解析するサービスです。疾病や習性等と遺伝子の因果関係を解明する研究機関向けに解析結果を提供することで、個別化予防・個別化医療の実現を加速させるとともに、この分野における日本の国際競争力向上に貢献していきます。

 従来、次世代シーケンサーを用いて約30億塩基のゲノム構造を解析する場合、解析には1ヶ月以上の時間がかかりました。また、スーパーコンピュータの使用、データ解析を行う専門の研究者などのインフラが必要なため、1人当たり50万円以上の解析費用が必要で、大規模なサンプルの解析を行うには莫大な時間と費用がかかっていました。新サービスは、日本人に特徴的な遺伝情報を短時間で解読可能なジャポニカアレイ®を活用することで、解析に約1週間、1人当たり19800円(税抜)でゲノム解析を実現します。

 ジャポニカアレイ®は、東北大学東北メディカル・メガバンク機構が構築した「全ゲノムリファレンスパネル」を基に、COI東北拠点が社会実装した日本人ゲノム解析ツールです。日本人に特徴的な塩基配列を持つ約67.5万箇所の一塩基多型(SNP:スニップ)を1枚のチップに搭載しており、短時間で日本人のゲノム構造を解析するツールです。その解析結果から約30億塩基の全ゲノム構造を疑似的に再構成(インピュテーション)できる設計となっています。

 ジャポニカアレイ®は高品質かつコスト競争力のある米・アフィメトリクス社製のAxiom® プラットフォームを採用し、独自のコンテンツでカスタムデザインされたアレイです。
また、新サービスは東北大学、弘前大学、新潟大学での利用を予定しており、今後も研究拠点や製薬会社での採用を目指します。

 当社は今後もCOI東北拠点と継続し、異なる民族のそれぞれ特徴的な塩基を見出していくことで「エスニックアレイ」を開発するなど積極的に事業を展開していきます。

◎脚注4:乳頭MBR;乳頭のmean blur rate(MBR)、LSFG:Laser Speckle Flowgraphy LSFG
Invest Ophthalmol Vis Sci. 2014 Nov 6;55(12):7991-7996. doi: 10.1167/iovs.14-15373.Laser Speckle and Hydrogen Gas Clearance Measurements of Optic Nerve Circulation in Albino and Pigmented Rabbits With or Without Optic Disc Atrophy. Aizawa N1, Nitta F1, Kunikata H2, Sugiyama T3, Ikeda T4, Araie M5, Nakazawa T6. この論文のことでしょうか?

◎脚注5:ブルーマウンテンアイスタディー2013を確認のため開いてみると、やはり10年後に緑内障が進行する条件のうち最も強い要素は網膜血管の径が細いという条件であったと記載していました。

◎脚注6:CoPP: cobalt protoporphyrin (CoPP), a potent heme oxygenase (HO)-1 inducer,

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