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2014年11月23日

6046 目と目で通じ合うカギは「白目」? 赤ん坊でも反応

目と目で通じ合うカギは「白目」? 赤ん坊でも反応

この論文の重要性は(原著の抄録より)
明白な白い強膜を備えた人間の目は人間の社会的および協力的な相互作用を促進すると思われる。大人において目の合図を無意識に検知する人の脳の能力を立証する証拠がある。人間の脳のこの能力が個体発生史の中で初期に出現し、したがって、人間の社会生活機能の重要な特徴と考えることができるかどうかは未だに知られていない。この研究は、生後7か月の幼児の強膜からの感情と熟視に関する合図の無意識神経学的な検知を立証する証拠を提供します。私たちのこの発見は、社会の対話型の技術の開発のために恐らく重大な基礎を提供する。人間の幼児の脳の中の速い社会的な合図を検知するメカニズムの存在を実証します。

清澤のコメント:人間は早い時期から表情を作り、表情を読めるという事なのでしょう。
映像の中から顔を抽出し、そこにピントを合わせるなどという機能のあるカメラは珍しくもありません。その機構を使えば、今なら画像処理で、街頭演説を聞く聴衆の何割が好意的に演説を聞き、何割が批判的であるかを分析できそうです。

独マックス・プランク研究所のサラ・イエッセン氏らが米国科学アカデミー紀要(PNAS)に発表した研究で、人間は極めて早い時期から、しかもかなり深いレベルで目の表情の意味を理解するらしいことが分かったとのこと。

 赤ん坊に画像を見せる時間は1000分の50秒で、意識的に見ることさえできない時間だ。赤ん坊の脳波を調べるために事象関連脳電位(ERP)が使われた。赤ん坊の脳波は恐怖の目を見た時と中立的な目を見た時では異なっていた。この違いは、脳の前頭野で特に明確だった。この部分は注意を司る所であり、恐怖を感知する部分とつながっている。

PNAS 2014 111 (45) 16208-16213; published ahead of print October 27, 2014, doi:10.1073/pnas.1411333111

–記事の引用—
By ALISON GOPNIK 2014 年 11 月 21 日 13:04 JST

最新の研究で、人間は極めて早い時期から、しかもかなり深いレベルで目の表情の意味を理解するらしいことが分かった Getty Images

 目は心の窓だ。これ以上分かりやすいものがあるだろうか。私は自分の目で世界を見、他人の目の中にその人の心を見る。

 私たちは愛情あふれた凝視の中には優しさと熱情を、敵意のある視線からは恐怖と悪意をすぐさま感じ取ることができる。数百人の学生があふれる講堂で、私は誰が注意を払っているか、誰がそうでないのかを正確に言い当てられる。そしてもちろん、人でいっぱいの場所で見知らぬ人と視線を合わせたときに電気が走る感覚を覚えることもある。

 しかしちょっと待ってほしい。目は窓などではない。それは頭蓋骨の上部の空洞にはめ込まれた1インチ(2.5センチメートル)ほどの、白や黒や他の色の付いたゼリー状の物体だ。このぎらぎらと輝く小さなビー玉はどのようにして愛情や恐怖、関心などを伝えることができるのだろうか。

 独マックス・プランク研究所のサラ・イエッセン氏とバージニア大学のトビアス・グロスマン氏が米国科学アカデミー紀要(PNAS)に発表した研究で、人間は極めて早い時期から、しかもかなり深いレベルで目の表情の意味を理解するらしいことが分かった。

 他の動物に比べて人間の白目の部分は非常に大きく、その動きをたどるのも他の動物よりはるかに容易だ。赤ん坊も含めて、ほとんどの人は顔を見る時、目に集中する。他人の気持ちを理解するのが困難な自閉症の人はしばしば、目に関心を向けず、このため他人の視線に合わせたりすることが難しい。これらは全て、仲間が何を見て、何を感じているかを目から読み取るように私たちが作られていることを示唆している。

 これが本当なら、小さな赤ん坊でも目から、特に白目の部分から感情を読み取れるのかもしれない。2人の研究者は、7カ月の乳児に目の絵を見せた。それは恐怖の目であり、または特別な感情のない中立的なものだった。感情の手掛かりは白目の相対的な位置だった(鏡に向かって、虹彩の上にある白目の部分が見えるまでまぶたを上げ、鏡に映った自分の分身の恐ろしい表情を凝視してみるといい)。

 この恐ろしい目には、直視しているものと、わきを見ているものがある。比較するために、同じ画像で色が反転したものを赤ん坊に見せた。白い部分が黒になったものだ。

 赤ん坊に画像を見せた時間は1000分の50秒で、意識的に見ることさえできない時間だ。赤ん坊の脳波を調べるために事象関連脳電位(ERP)と呼ばれる技術が使われた。

 赤ん坊の脳波は恐怖の目を見た時と中立的な目を見た時では異なっていた。また、直視している目とわきを見ている目でも違った。この違いは、脳の前頭野で特に明確だった。この部分は注意を司る所で、恐怖を感知する部分とつながっている。

 色が反転した絵を見せた時には、脳波に違いは出なかった。赤ん坊たちは単に絵の視覚的な複雑さに反応しているのではなく、白目の部分に何か特別なものを感じ取っているようだ。

 おそらく目はたしかに心の窓なのだ。結局のところ、私は自分の前にあるテーブルを見ていると思っているが、実際は、脳は信じられないほどに複雑な計算をして、眼球に入ってくる光のパターンからテーブルの形を正確に再構成しているのだ。私の膝の上にいる赤ん坊の孫、ジョージアナの脳も同じことをしているのだ。

 この新しい研究は、私の脳が目をかすかに動かし、私が感じていることや見ていることについて複雑なシグナルを送っていることをも示唆している。ジョージアナの脳はこのシグナルを解釈し、感情を再構築する。彼女は私の目の奥にある心を、目の前にあるテーブルを見るようにはっきりと見ているのだ。
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