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2014年11月19日

6030 色情報と輝度コントラスト情報の関係を解明

サル下側頭皮質色領域における色情報と輝度コントラスト情報の関係を解明
  生理学研究所・感覚認知情報研究部門 公開日 2014.11.06

清澤のコメント;色の恒常性がいかにして保たれているかを明らかにした研究が発表されています。似たような研究を国立リハビリセンター研究所の仲泊先生が人を対象にf-MRIを使って発表されておりましたが、そちらは論文になっているのでしょうか(http://www.vision.phys.waseda.ac.jp/vision/koumokuPDF/06kaisetu/E2003.15.02.01.pdf)

(この内容は、「日刊目のニュース」に紹介されているのですが、その元記事である研究所のプレスリリースからこの記事は書き起こします。)

概要

 私たちの色知覚は色刺激の色(色度)だけでなく色刺激がおかれた背景の明るさに大きく影響されます。例えば同じ色でも背景が明るければ茶色に感じ、暗ければ橙色に感じるといったことが起きたり、無彩色(白、黒、灰)の色刺激では、背景より明るいときには白に見える刺激が、背景より暗いときには黒に見えるといった大きな変化が起きたりします。

komatsuHoukoku-1図1の説明
A.サル大脳皮質腹側視覚経路。B. 色知覚関連領野。視覚情報はV4野、PITC、AITCの順に伝達される。V4:V4野、PITC:下側頭皮質後部色領域、AITC:下側頭皮質前部色領域

色の情報は目から大脳皮質一次視覚野に伝えられた後、腹側視覚経路とよばれる経路を通って処理されます。サルの大脳視覚皮質でこの経路に属するV4野や下側頭皮質(IT)は色の知覚に深く関与していると考えられており、特定の色を見ているときに強い反応を示す「色選択性細胞」が多く存在していることが知られています(図1A)。

また下側頭皮質には色選択細胞がたくさん固まっている場所が前の方と後の方に存在することが見いだされており、それぞれ下側頭皮質前部色領域(AITC)と後部色領域(PITC)と名付けられています(図1B)。

明るさの影響を受けて変化する色の見えのメカニズムを理解するためには、これらの場所に存在する色選択性細胞が表現する色の情報が、背景との明るさの違いによってどのように変化しているのかを明らかにすることが重要です。

そのため本研究ではサルのV4野、PITC、AITCのそれぞれに存在する色選択性細胞の活動を記録し、個々の色選択性細胞の応答や色選択性細胞集団が表現する色の情報が、色刺激の輝度コントラスト(背景との明るさの違い)によってどのように変化するかを調べました。
komatsuHoukoku-2

図2の説明
実験で用いた30個の色刺激。明るい色刺激セット(A)と暗い色刺激セット(B)。数字は同一の色度を持つ刺激対を表している。

その結果、PITCの神経活動がもっとも色の見えに相関した変化を示すことが分かりました。その一方で、AITCの神経活動は明るさ情報とは切り離された色情報のみを表現していることも明らかになりました。

Namima T, Yasuda M, Banno T, Okazawa G, Komatsu H

Effects of luminance contrast on the color selectivity of neurons in the macaque area
V4 and inferior temporal cortex
The Journal of Neuroscience, November 5, 2014 • 34(45):14934–14947

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