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2014年11月8日

5996 眼瞼痙攣患者友の会参加者の皆さんへの情報プレゼント

眼瞼・顔面痙攣友の会 会員交流会 告知 11月8日15:00です。下に詳細記事があります。ご参集ください。図は前回の模様です。

 当日会場で話すため、最新の米国の眼瞼痙攣協会機関紙からの4つの記事を選んで、紹介する準備をしました。
Hatori-Nature-Chemical-Biology-13_9_20-Fig_2
1、 眼の中の眼、光で誘発される痛みの源泉は?
The eye within the eye: A source of light-induced pain?
デイビッド・R・コペンハーゲン、カリフォルニア大学サンフランシスコ校

 網膜の錐体と杆体という視力に関係する視覚のシステムのほかに明るさに対する順応や体内時計に関連する第2の視覚システムがある。15年前に見つかったこのシステムはメラノプシンを光感受性色素としている。メラノプシンは網膜だけでなく虹彩にもある。角膜に感染した患者では三叉神経が刺激されて痛みを感じ瞳孔の縮瞳が起きる。網膜最周辺部から虹彩に分布するメラノプシン含有細胞が三叉神経に枝を出してまぶしさを感じさせることが分かってきた。眼の中の眼というべきこのシステムが光に対する感受性を制御し、瞳孔運動、体内時計の調節、そして羞明の調節に関与している。
 コペンハーゲン医師はこの研究財団から眼瞼痙攣での羞明を明らかにする目的での研究費を与えられた。

眼科医清澤のコメント;http://first.lifesciencedb.jp/archives/7595
をご覧いただくとメラノプシンに関する優れた説明を日本語で見ることができます。上の図もそこに出ています。

2、FL-41の作用機序は? How does FL-41 Work
ブラッドリー・カッツ モランアイセンター、ユタ大学ヘルスサイエンスセンター
 1990年に英国で開発されたバラ色の遮光眼鏡。Moran eye centerでは眼瞼痙攣、ミグレイン(閃輝暗点)に使用してきた。その有効な理由が最近分かった。網膜に光感受性のあるIPRGC神経節細胞がある。それは、瞳孔と体内時計、それに痛みの感覚に関与する。網膜には約10%の錐体、杆体の信号を受けない神経節細胞がある。このIPRGCは青-青緑に反応が強い。これがFL‐41が羞明を防げる理由である。
 しかし多くの眼鏡店はFL‐41を持っていないから、患者の不満は高い。これはAxon Opticsで購入できる。www.axonoptics.comこの会社はIPRGCSを刺激しない新世代の遮光レンズを作っている。これはピンクには見えずFL-41使用者が嫌う色のゆがみがなく、製品の安定性もよい。

清澤のコメント:10年ほど前に、清澤も個人で原液を輸入してクリップ・オン眼鏡に染めた試供品を東海光学さんで作ってみてもらいました。10本ほどの見本は患者さんに差し上げてなくなりましたが、その時にはそれを普及させることができませんでした。今回この記事を見ますとFL‐41を普及させる意義が分かった気がします。今後上のアドレスで入手方法を検討してみましょう。 

3、眼瞼痙攣の原因における眼科とドーパミンの関係は? 
 The interaction of ophthalmic and Dopaminergic Factors in the Pathogenesis of Blepharospasm  デイビッド・ピーターソン、カリフォルニア大学サンジエゴ校

 基底核におけるドーパミンを伝達物質とするシステムのわずかな異常が眼瞼痙攣で起こっていることを明らかにしたい。そのためにはドーパミンの基底核での働きを明らかにする必要がある。我々のモデルは線条体におけるD1とD2タイプのメディアム・スパイニー・ニューロンのモデル(Shenらの2008年サイエンス誌論文)を基礎としている。
a)インビトロとインビボのデータを総合し、
b)最近の遺伝学的な所見(GNAL:D1ドーパミン受容体と細胞内のカルシウム濃度の変化の変化)に結び付ける

清澤のコメント:我々の提唱した「原発性眼瞼痙攣でのドーパミン受容体の減少」という20009年の論文はあながち見当外れではなかったという事ですね。

関連の仕事:Acta Neurol Scand. 2009 Jan;119(1):49-54. Epub 2008 Jun 5. Decreased dopamine D receptor binding in essential blepharospasm. Horie C1, Suzuki Y, Kiyosawa M, Mochizuki M, Wakakura M, Oda K, Ishiwata K, Ishii K.

4、2014年の眼輪筋切除術 
 Myectomy surgery in 2014 
 リチャード・アンダーソン、トーマス・オーベルグ、ソルトレーク、ユタ州

 眼瞼痙攣は眼瞼痙攣研究財団の啓蒙活動が行われても患者さんには依然として困難な問題を投げかけている。多くの患者において神経毒素ボトックスと外科治療が生活の質の向上を齎した。しかしどんな結果も完全ではなく、眼瞼痙攣は完全には治癒してはいない。著者は2500例の患者で眼輪筋切除手術を為し得たことを誇りに思う。症状が改善してもっとも大きな満足を得た患者はボトックスと眼輪筋切除手術を受けた人たちである。眼瞼痙攣の患者さん方は自分の主治医が手術を手掛けないからと言って手術を避けるべきではない。あるいは主治医が与える助言が時代遅れな手術術式に対するものでないことを願う。

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