お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2014年10月26日

5954:緑内障と神経眼科 10年の軌跡と未来を聞きました

視神経・緑内障セッション ビジョンケアセミナー セッション2の聞き書きです。
5954:緑内障と神経眼科 10年の軌跡と未来を聞きました

1、緑内障10年の軌跡と未来 山本哲也教授(岐阜大学)

Q:緑内障の予後、MDスロープは未介入ではー0,75dB/年.これが手術介入後は0,15dB/年となる。また薬物治療では0,34dB/年程度だから聴衆の40%が答えたように、眼圧下降では0,5dB/年の軌道修正である。
手術合併症で、濾過胞感染は5年で2%、(重症は1,1%)程度に見られる。

Q:NTGの失明率は(視力なら0,06以下、または視野なら10度未満をさすが)10%程度が20年後には片目が失明している。最近はその数字だけではなく視機能や活動能力が視標に用いられるようになってきた。
20年後の緑内障失明者は?:との問いに、今の正解はないが、今後半減すると思う徴収のは10%だった。

さて、近未来の方向性と課題は?
診断では;血流や篩状板がはっきりと見えるようになるだろう
薬物では:薬代の資金面での制約が強まるだろう。
手術では:MIGS(micro-invasive glaucoma surgery:
5分程度で可能な隅角から脈絡膜に挿入するシャントチューブ)の普及か、あるいはこれが保険に入るか?(ただしこの単価が10万単位である。)。レクトミー合併症への対策も問題となる。
清澤の印象:MIGSは早々に普及してきそうな印象です。薬物治療がうまくいっても0,5dB程度の進行はあるわけですね。

2、視神経疾患のOCT:三村治 兵庫医科大学副学長
 症例提示を中心にした神経眼科疾患へのOCTの使い方の例示でした。

1) 黄斑の形態
多局所ERGでわかるAZOORで:若い女性、最近SD-OCTが有効と分かった。
2)、誌神経疾患 cpRNFLとGCC
両耳側半盲:乳頭周囲神経線維層の菲薄化が著明、蝶ネクタイ状の萎縮が分かる(cpRNFLにて)
視神経鞘髄膜腫:放射線照射が有効だった.。
Leber遺伝性視神経症:長期間(半年)腫脹する。GCCは徐々に全象限で萎縮する。この疾患にはイデベノンが有効で:6か月で改善 30mgを30錠飲ませる6か月で30万円程度(私費)。
緑内障:OCTは視野をシミュレートできる
優性遺伝性視神経萎縮:この場合は黄班線維のみの障害。黄班のGCCは薄い(症状に対応しない)
視神経周囲炎かと思われた症例だが:GCCで上半分の萎縮、視野は下の沈下で―つまりAIONだった症例
経シナプス逆行性変性も:GCCでわかる
中毒性視神経症:MRIは40歳代で脳の萎縮もあった。この例は、シンナー吸引による視神経炎で進行中のものである。
詐病:このカテゴリーも重要。つまり視神経や網膜厚に全く変化がない。
抗アクアポリン4抗体関連視神経症;水平罫線に沿った変化が出ていた。
小児例:視力0,4で乳頭のサイトスインベルズスはあったが、網膜厚さは正常であった例。結局は単なる角膜乱視だった。
GCCにより詐病や心因性障害の除外は今後重要になるだろう。

結論:OCTで黄班網膜の断面を見るだけでなく、cpRNFLやGCCを詳細に観察することが、誌神経疾患でも非常に有用な診断手段となる。

清澤の会場での印象と質問:一般眼科医にはどれだけ疾患ごとの違いに付いて行けたかとも思うが、まとまりと広がりのある適切なご発表でした。
レーベル病へのイデベノン使用について質問:答:Co-Q10は水溶性でなく不適当、イデベノンの輸入が必要、30mg錠なので、日に30錠を6か月毎日飲ませるとのこと。
了解。

(反省:お答えには十分満足できたが、わたくしの質問はOCT全般ではなくて、少し個別の内容すぎたかもしれない:レーベルに対するイデベノンについてはブログ内の他所に記事があります。)

Categorised in: 未分類