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2014年10月22日

5939:東北大学医局新人発表会 (勝山館瑞雲の間)印象記

東北大学医局新人発表会 (勝山館瑞雲の間 12:00-13:15)

まず、現在日本の多くの医学部では基礎研究を続けることを放棄してしまったが、わが母校の東北大学は基礎研究を重視して続けるし、今日の新人発表会も英語のスライドで英語の発表をさせると高らかに宣言しておいででした。

それができるという事は指導者に高い指導力があるという事でもありましょうし、若い方々もそれにこたえようという強い意志に満ち溢れているという事です。わたくしも、励まされる思いで東京に戻りました。都会を離れていると、教室員も小手先の手術手技の習得などに振り回されないで済んでいるのかもしれません。

1)Naoko Takada MD (高田菜生子)Autonomic classification of the optic disc into four types using awept-source optical coherence tomography.
SS(スウェプト ソース)-OCTで緑内障の視神経乳頭の形を4群に分けるというお話。
ノッチの有無、シャローカップであるか、大きなカップであるか?などの特徴によって、東北大学が従来提唱して来た様に緑内障の視神経を4型に分けることができるというお話でした。
1、 まず断層像でBMO点を決め、網膜の表面のラインも決めます。
2、 次にそのパラメータを使ってOAG(解放隅角緑内障)の視神経を4つに分類してみる。それには、6つの主要なパラメータを基準に分けることになる。その結果高いAUC(?)が得られた、
3、 新しい方法の有効性を試してみたところよさそうであると。
4、 Clin Exp Oph in press, Takada.だそうです

質問:
山田:近視だとデータが違うと思うが屈折の限界点は。答:-8.00Dより強い近視は除いた。
布施:30度分類でパターンによってFI,MY,SS,、GEが違うか?
清澤の印象:先に緑内障乳頭を4群に分けると進行や視野の特徴が違うことが分かったという話が、自動解析にまで進んでいるようでした。

2)網膜グループから
Kazuki Hashimoto MD, 橋本和軌Relationship of Advanced glycation end products to to ocular circulation in type 2 diabetes.
 タイプ2DMで網膜のヘモダイナミックス、グリケーションと網膜変化の関係は?という演題でした。前腕部で測定できる皮膚の自発蛍光と、血液のAGE(?)が関連するというようなことを話しておいででしたが、私の素養が足りなくて話の流れは再現できません。
質問は布施:強膜を直接取ったら? 答:その計画で進行中ですとのこと。

3)Maki Inoue MD. 井上真希The reduction of temporal optic disc circulation in patients with autosomal dominant optic atrophy
ADOA優性遺伝型の視神経萎縮は1万から5万に一人見られる疾患で、OCTでは視神経の耳側が白い。レーザースッペクルで血流を図るとその特徴が分かった。8人の患者がいて、Papillo-macular bundle がやられていることを反映するのだろうと考察した。

清澤の会場での質問:神経眼科疾患の話でしたから無理無理考えて、質問をしました。
1)Q:DOAというならそれは遺伝子で決めたのか?:A:決めたものもあるが前例にそれが出ているわけではない。血液にDOA1が出なくても臨床的にそれであるというケースではその診断が認められるものだ。現在、米国と組み、血液分析を依頼中であると。
2)Q:耳側蒼白とは視神経萎縮で昔からよく使った言葉なのだが、同じ中心暗点を示すもので有れば結果は同じか?たとえばレーベルならどうか?。A:むしろ、緑内障として紹介されてくるものの中に、DOAが疑われる例が少なくないので、それを考えてみたという話。
3)Q:PMバンドルがエネルギーを要すところだからと論じたが、常識的に考えて黄班部というならば、単に線維分布としてではなく、神経節細胞のパラソル、ミジェット細胞といった概念との兼ね合いが論じられるべきではなかろうか?A:その考えは取り入れている。
この演題もClinical exp ophthalmol 2014;にもう出ているという話らしいのですが文献検索ではまだ見つけられませんでした。

4)油井理恵子 Rieko Yui MD Relationship between anterior chamber aqueous flare and optic nerve microcirculation in eyes with rhegmatogenous retinal detachment.
網膜剥離では硝子体内に炎症が起きている。それが前房でのフレア増加を起こす。それでMBR(?)が下がっている。それは視機能の変化に関連し、そのような例は術後視力も出にくい。この方法の限界についてもデスカスしていた。 
コメント:国方先生から;術後の視機能が術前のフレアに関連するという文献がある。

5)米谷優輝子 Yukiko Maiya MD Relation between “LD slope” and blood flow evaluation of focal visual field disorder by Eye Suite Perimatry.  
緑内障におけるMBR(blood flow)とステージの関連を論じた。Eye suite Perometryの結果が視神経乳頭の形で分けた4つの分類(FI,AY,SS,GE)との関連しているという話であったようです。MBRは視野のLD(ローカルデフェクト)に関連していると議論していたようでした。

Q石川:LDとはMDとPSDを加味したようなものか?
A:LD(画素のうちの感度の良い方の20-23%の点での低下)をもう一つの(悪い方で23-100%の画素における“図では右のほうの”沈下)と分けたもの、と答えていた。これは調べなおして了解して措く必要がありそうです。

清澤のコメント:ここまで目を通してくださる方がおいでとも思いませんけれど、もしおいででしたら::

この会の後、仙台駅までの帰路は日が傾いてはいましたがまだ夕刻の明るさの中を、玉井信元教授のお供をさせていただき、最近歩いたこともない程のだいぶん長い道を歩きました。わたくしもすでに大学を離れ、年も行ってはいますが、「自分の置かれた立場で何をどこまで続けようとするか?が問題だ。」と励ましの声をかけていただきました。ありがたいことです。

そこで伺ったところでは、毎月全員研究発表会が中澤教授の発意で再開されているそうです。あのころの大学講師(指導者)として大変だった20年前の毎月研究会を思い出しました。

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