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2014年10月12日

5910 眼瞼痙攣の診断と治療抄録 清澤源弘(第16回艮陵関東同窓会女子部講演会)

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眼瞼痙攣の診断と治療 抄録  清澤眼科医院 清澤源弘
眼瞼痙攣は目を開き続けられないてい疾患で、ジストニアに含まれます。初期症状は瞬目頻度増加、眼刺激感を含み、先行徴候には流涙、羞明および視覚的苦痛を訴えます。これらは一般的で、適切な疑いを持つことが早期発見に有用です。患者は、読書、運転、歩行を順に断念し、さらには元気喪失、自殺念慮に至ることもあります。眼瞼痙攣の頻度は10万人に5人。その女:男比は1.8:1で中高年女性に多く見られます。正常な瞬目では閉眼筋と、開眼筋の2筋群は互いに抑制して個別に作用しますが、眼瞼痙攣では同時に作用し健全な瞬目ができません。完全な治療法はないですが、ボツリヌス神経毒素の眼輪筋への注入が最も有効な治療法です。経口薬と手術も取りうる選択肢です。補助的に瞼の衛生処置と涙小点閉塞措置、クラッチ眼鏡で支えることもあります。最近私たちが発表したのが、向精神薬投与中に眼瞼痙攣を発症する薬剤性眼瞼痙攣です。私たちはFDG-PETを用いて脳の安静時糖代謝を測定して異常を見出しました。向精神薬は脳内受容体に作用しジスとニアを作るのです。睡眠薬の使用にあたってはこの知られざる副作用にご注意ください。

Suzuki Y, Kiyosawa M, Wakakura M et al:Glucose hypermetabolism in the thalamus of patients with drug-induced blepharospasm. Neuroscience. 2014 28:240-9.
(艮陵関東同窓会会報に投稿 12行、498字)

眼瞼痙攣の診断と治療  清澤眼科医院 清澤源弘

第16回関東艮陵同窓会女医部会が2014年7月26日に市ヶ谷アルカディアで開かれました。深志清流会清澤眼科医院院長の清澤源弘(昭和53年卒)がお話をしました。
眼瞼痙攣は自分の意思に関わりなく目が閉じてしまい開き続けていることができないという奇妙な疾患で、神経学的には錐体外路系のジストニアと呼ばれる疾患に含まれています。臨床的には間欠的な瞬目を訴える軽い眼瞼痙攣患者から、眼痛で日常生活が不能な重症者までに亘ります。初期症状は、瞬目頻度増加(77%)、眼瞼攣縮(66%)、眼刺激感(55%)、顔面下部痙攣(59%)を含んでいます。診断に先行する徴候には流涙、眼刺激感、羞明および弱い視覚的苦痛を含みます。これらの苦情は通常の眼科診療においても一般的なので、適切な疑いを持つことは早期発見に有用です。患者は、患者は、テレビ鑑賞、読書、運転、歩行を順に断念することになります。さらに不安を増し、社会的接触を回避し、元気喪失、失職、さらには自殺願望にまで至ることもあります。一般人口中の眼瞼痙攣の頻度は10万人に5人。その女:男は1.8:1で、発症の平均年齢は56歳、患者の3分の2は60歳以上です。正常な瞬目時には閉眼筋(眼輪筋、皺眉筋、鼻根筋)と、開眼筋(上眼瞼挙筋および前頭筋肉)の2筋群はお互いに抑制し、開瞼筋群と閉瞼筋群は個別に作用するのですが、ジスとニアではそれが同時に作用して健全な瞬目ができないのです。
完全な治療法はないですが、ボツリヌス神経毒素の眼輪筋への注入が症状の減弱に利用可能で最も有効な治療法です。経口薬と手術も取りうる選択肢です。さらに補助的に瞼の衛生処置と涙小点閉塞措置、それにクラッチ眼鏡で支えることもあります。
最近私たちが発表したのが、ベンゾジアゼピン系(リボトリール等)やチエノジアゼピン系(エチゾラム等)薬の長期投与中に眼瞼痙攣を発症する薬剤性眼瞼痙攣です。臨床症状は、原発性眼瞼痙攣に類似していますが、原因薬の中止で眼瞼痙攣の症状改善がみられることがあります。私たちはFDG-PETを用いて脳の安静時糖代謝を測定し、患者群の糖代謝を健常群と比較し患者の脳の異常を見出しました。ベンゾジアゼピン系薬は、抗不安薬、睡眠導入剤、などとして使用されているのですが、脳内の中枢性ベンゾジアゼピン受容体に結合し、神経細胞の興奮を抑制するのです。睡眠薬の使用にあたってはこの知られざる副作用にもご注意ください。

(同上の目的で作ったやや長い原稿です)

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