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2014年10月12日

5909:円錐角膜の角膜クロスリンキング治療の話を加藤直子先生に伺いました

角膜クロスリンキングの話を加藤直子先生(埼玉医科大学眼科)から伺いました。

imagesJIJ7ZO19(http://www.charllaas.com/keratoconus-and-corneal-collagen-cross-linking/ borrowed from this page)

クロスリンキングは円錐角膜の治療に用いる方法である:円錐角膜は思春期に発症し、加齢とともに安定化するとされる。ボーマン膜に断裂が起きて角膜水腫に至る。

21世紀になってフェイキック眼内レンズ、角膜内リングが始まった、旧来の全層移植法もあるが、このほかに有効なものに、本日話す角膜クロスリンキングがある。

角膜クロスリンキングとは:コラーゲンの間に架橋構造を増やす方法である。これは加齢で増える。生体内では旧東ドイツ圏のドレスデンで行われた。Wollensak G.による方法がある。リボフラビン(ビタミンB2)を加えておき、長波長紫外線を掛けると、2型反応を主に使うのだが、角膜は固くなる。分析すれば、多量体が増えている。

円錐角膜の診断
角膜は菲薄化し、フォークトの示した様々な変化が起きている。
角膜形状解析装置で拾い出すとよくわかる。

ステージ1角膜屈折値48以下など ステージは2:400ミクロン以上を残すが薄くなる。
ペルーシド角膜変性や、レーシック後に見られることのある角膜拡張症もクロスリンキングの適応である。
クロスリンキング(CXL)の適応は、24か月でKが1D以上増加、ないしベースカーブで0,1以上減少などである。

適応検査の注意点:ハイドコンタクトレンズ(HCL)は1週間の装用中止を。熟練した検査員で視力と角膜形状検査をきちんと行う。

紫外線には細胞障害性があるから内皮を守るために400ミクロン以上の残存厚さが必要である。

定説の正否?:
○30歳になったら進まない?:10-20歳台は良く進むがそれ以上でも進行はする
○ハードは進行を抑えるか?:抑えなきれない、
○視機能は?:収差が大きくて見にくい。アトピーも多い。

目的;眼鏡、SCLで生活できるようにする。ハードでの視力や装用感を保つ。移植を避けるのが目的で、術前より見やすくするものではない。

ドレスデン・プロトコール
1、 上皮剥離、7ミリ径で。
2、 リボフラビン浸漬を20分。その後開瞼をやめて次の処置に。使用するリボフラビンは個人輸入する。各種あり。
3、 角膜全層にリボフラビンが入ったら、輪部は避けて照射する。装置は200-500万円程度のものである。
4、 術後管理 治療用コンタクト使用。NSAID点眼は当日のみ。ベタメサゾン、抗生剤もつける。
5、 術後の円錐角膜形状は一時悪化して、3月で元程度に戻る

術後合併症;感染、遷延性上皮欠損など。
1年後での失敗率は7%(無効例:移植にならなければよしとする)。
ステライルインフィルトレーション これは2-7%、原因不明だがステロイドが効く
実質の変化:ヘイズ(表面の混濁)デマルケーションライン(リンクの限界線)が見られる
実質深層混濁:2-4%にみられ、術後6か月がピーク
内皮細胞は減らない

2003年の長期経過報告で、効果が10年は持つことが示された。

スリットで診断がわかるような例は、すでに角松厚400ミクロンが残ってないことが多い。
Epi-0n エピオン:エンハンサーでタイトジャンクションを壊す。またはイオントフォレーシスでリボフラビンを泳動していれる。内皮は残るがクロスリンクは弱い。18歳以下には向かない。

エネルギーは強度と時間の積である:そこでエネルギーを挙げて時間短縮を図る方法が出てくる。

目的は、円錐角膜の進行を止めることであり、その点で安全性と有効性は確立されているといえる。

治療のフローチャート:まず視力が良ければそのまま見ておく。クロスリンク、フェイキックIOL、角膜リング、などの選択肢が、全層移植までの間にある。今後はクロスリンクが早くに行われるようになれば、移植がなくなるかと考えられる。

最近は、角膜剛性も測定できるようになってきた。
ローズベンガルと緑光などを使う方法もある。

円錐角膜を見つけたら、なるべく早く送れと、
慶応、東大などが加わってクロスリンクは広まりつつある。

円錐角膜研究会ホームページ(http://keratoconus.jp/)もあるとのこと、入会も勧めておいででした。

質疑;今後の承認の流れは、?
座長:乱視が強くて視力が出にくいなら角膜トポグラフィーを試そうとのメッセージでした。

清澤のコメント;
先日の聴講医引き続いての先生の講演でしたが、その有効性と限界もよく理解できました。
わたくしもオルソケラトロジーに手を出すにあたって、最近角膜トポグラフィーを導入しました。乱視の強い例が来るとトポグラフィーを撮ってみていますが、新しい円錐角膜症例が見つかることもあります。
この治療法は医科歯科大学の神経眼科班で学位を取った先生に初めのころ聞かされたことがありました。10年ほどでずいぶん確立されたわけです。ドイツ留学以来、この方法を行うことに精力的に取り組んでいる加藤先生に敬意を表します。

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