◎目トラブル19
いつも目を開けていられないほどまぶしくて、常に目がしょぼしょぼします。目に異常があるのでしょうか。
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「眼瞼けいれん」という病気があります。目のまわりの筋肉が緊張して目が開けにくくなり、時にまぶしさや痛みを伴ってまばたきが多くなる病気です。放置しておくと目を開けられなくなり、車の運転ができなくなったり、道路も渡れなくなるなど日常生活に支障を来します。
けいれんがまぶたの下側だけで目も閉じない程度なら問題ありませんが、上下両方のまぶたが収縮している場合は、眼瞼けいれんの疑いがあります。また、片側の顔面筋が意図していないのにウインクしてしまう場合はこれとは別の「片側顔面けいれん」の可能性があります。
眼瞼けいれんは大きく3つに分けられます。
1つ目は「本態性眼瞼けいれん」で、脳の中央にある視床が過度に興奮し、運動抑制系が機能障害を起こすことによって生じると考えられています。中高年女性に多く、原因は不明。
2つめは「症候性眼瞼けいれん」で、同様の障害がパーキンソン病、脳梗塞、進行性核上麻痺などを原因として起こります。
3つめは「薬剤性眼瞼けいれん」で、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬などの薬剤を長期間服用することが原因になっているタイプです。
近年は薬剤性眼瞼けいれんが増えてきています。安定剤に頼る若者や、睡眠薬を常用している初老の患者さんは注意が必要です。薬剤の投与開始から2カ月ほどで眼瞼けいれんが発症するケースもあります。
薬剤性眼瞼けいれんの患者さんは、原因薬の減量または中止によって症状が軽くなるケースがあります。それでも症状が治まらない場合は、ボトックス注射による治療を行います。
筋肉を弛緩させるボトックスを眼周囲に6か所ずつ投与します。数日後から効き目が現れ、3カ月ほど持続します。薬の効果が切れると徐々に眼瞼けいれんが再発するので、3~6カ月ごとに繰り返しボトックス注射による治療を続けるのが一般的です。治療費は健康保険使用3割負担でおよそ2万円程度です。
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長きにわたり、大変お世話になりました。このシリーズは本日の19回デいったん終了です。
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