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2014年9月24日

5856:絶対に受けたくない無駄な医療(室井一辰 著)という本

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 絶対に受けたくない無駄な医療(室井一辰 著)という本がありました。

 獣医である著者が人の医療を眺めた時、その必要性や有用性に疑問のある各科の治療法について考え、それを集大成したということでした。保険で支払うにしても、医療費は個人負担という原則がはっきりしている米国においてはそのような無駄な医療費は負担したくないという動きが明らかですから、そのような意見は米国に多くの事例があるのだそうです。

 そこで、第一部では「こんな医療では治らないということで、1)無駄が無駄を呼ぶ5つの背景、2)人には言えない「医療制度の大人の事情」、そして米国で始まった無駄撲滅運動とは?を説明しています。要するに医療側と患者側では情報に格差があり、その治療の要否は供給側である医療側が一方的に決められるし、また実際に決めているといいたい訳です。

 第2部は「受けたくない医療100」を一挙公開として列挙しています。この章では癌が24件、癌以外の疾患が76件です。このうち眼科分は6件です。

1)「眼科疾患の症状がないのに安易に画像診断をしない。」これも、CT,MRIは症状があって行うものでしょう。眼科の画像診断は眼底写真とOCTです。このOCTは最近普及したのですが、肉眼検査で見えない様な黄斑前膜や類嚢胞黄斑浮腫(CME)などを驚くほど正確に見せてくれます。眼底を診る事にかけては自信のある眼科医も最近ではカラー眼底写真とOCTを見てから考えるというほどになりつつあります。

2)「眼底や眼圧などの毎年の眼科健診は子供には不要。」確かに毎年の検査は、学校健診で行っている視力と眼位でよいかもしれません。もし何らかの疾患があれば、次を調べることになります。

3)「度数の弱い読書用の眼鏡は子供には不要。」遠視に伴う弱視は近見障害から起きてきます。ですから遠方視力が良くても近見視力が下がってきたら、凸レンズのメガネを処方するのは眼科医の常識。近視と遠視では基本が違います。まず何でも眼鏡処方をするという眼科医はまずいないでしょう。

4)「ピンクアイに抗菌薬は禁物。」ウイルス性の流行性角結膜炎に抗菌薬は不要というのです。強い炎症を抑えるのにステロイドを処方すれば、一般細菌に対する抵抗力も下がりますから、しばしば抗菌薬はステロイドと併用されます。細菌性結膜炎かどうかの細菌培養には1週間かかるのですから、大抵は菌があってもなくても1週間後にはことが終わっているのです。理屈としては、細菌培養⇒抗菌薬投与ですが、実際にはそれでは間に合いません。

4)準備中
5)準備中

清澤のコメント:という訳で、ごもっともながら、これらの眼科分野への批判は理屈っぽ過ぎ。現場の状況には合わないというのが眼科医清澤の全体的な感想でした。しかし、必要な検査でも(最も安く上がるように)最小限にしてほしいという患者さんも少なくはないと認識しています。
 もしそのような理屈を患者さんが言い始めたら、きっとその患者さんの診療は的確に短く切り上げるという道を選ぶ眼科医は多そうな気もします。
 皆さまはどう思われましたでしょうか?

(記事が古くなるので未完成ですがアップします。)

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