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2014年9月23日

5853 レーベル病治療におけるイデベノンとコエンザイムQ10に関する復習

清澤のコメント:
ミトコンドリア呼吸鎖の損傷による視神経の萎縮を起こす遺伝性の疾患であるレーベル病に対する有効なエビデンスのある治療薬は公式にはないとされています。しかし、時には経験的にビタミンBやCなどが時に投与されています。この疾患に対して真島はかつてイデベノンの有効性を述べました(1)。

しかし、レーベル病には自然経過でも回復が見られたというものがあります。機序としてその有効性は考えられても、少数の経験連だけでは本当にその効果であったかどうかは不詳です。

 末尾に纏めるように、イデベノンは保険診療薬としては入手不能ですが、薬剤としてイデベノンが削除された後も類似のコエンザイムQ10は健康食品として残っているので、医師の裁量の範囲においては試してみる余地はある可能性があるかもしれません。

 またKlopstockらは、無作為試験を行い、ブレインという有力雑誌に「全体としては有効性を示すことはできませんでしたが、そのデータの一部に有効性を提示しました。」(2)。Sadunは症例報告ですが、つい最近の2012年の論文で有効性を見せた症例を提示して、その治療が可能であるかもしれないという事を述べてます(3)。

ミトコンドリア変異はすべての患者が100%持っているわけではない(ヘテロプラスミーと呼ぶ)ので、或る時にエネルギー代謝がわずかに必要な閾値を超えて不足したとすれば、或る症例においてより効果的に作用するとか、発症間際においてより効果的に作用するという事があるのかもしれません。(4)

1. Mashima, Y., et al. “Do idebenone and vitamin therapy shorten the time to achieve visual recovery in Leber hereditary optic neuropathy?.” Journal of neuro-ophthalmology: the official journal of the North American Neuro-Ophthalmology Society 20.3 (2000): 166-170.

2、Klopstock, Thomas, et al. “A randomized placebo-controlled trial of idebenone in Leber’s hereditary optic neuropathy.” Brain 134.9 (2011): 2677-2686.
3、J Neuroophthalmol。 2012 3; 32(1):54-7。 DOI:10.1097 / WNO.0b013e318241da45。

3、Sabet-Peyman EJ1, Khaderi KR, Sadun AA..Is Leber hereditary optic neuropathy treatable? Encouraging results with idebenone in both prospective and retrospective trials and an illustrative case.J Neuroophthalmol. 2012 Mar;32(1):54-7

4、Tanaka, A., Kiyosawa, M., Mashima, Y., & Tokoro, T. (1998). A family with Leber’s hereditary optic neuropathy with mitochondrial DNA heteroplasmy related to disease expression. Journal of neuro-ophthalmology, 18(2), 81-83.

3の邦訳
レーベル遺伝性視神経症は治療可能か? 前向きと回顧両試験において、イデベノンが有望な結果。 Sabet-Peyman EJ、 Khaderi KR 、 Sadun AA ドヘニー眼研究所、眼科、南カリフォルニア大学、

要旨: 31歳の女性が、2週間にわたって亜急性両側性視力喪失を発症した。 2ヵ月後、レーバー遺伝性視神経(LHON)11778 / ND4の診断が確立された。患者は、毎日イデベノン900mgが処方された。 その後9ヶ月間で、視力は視野の異常による分解能で各眼で0,01から0,8に改善した。 私たちの症例報告は、この視覚的に壊滅的なミトコンドリア障害の治療に希望を与える。イデベノンで治療したレーベル病LHON患者の2つの大きなシリーズでの結果と一致している。

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◎イデベノンとコエンザイムQ10について

・ イデベノンについて
国内で承認されていた当時の適応と主な副作用は、次のとおりです。
適応 : 脳梗塞後遺症、脳出血後遺症に伴う慢性脳循環障害による意欲低下、情緒障害の改善
副作用 : 肝機能異常、精神神経症状、消化器症状 等
 なお、海外では、脳血管障害や認知症等の治療薬として、現在でも医薬品として認められている国(カナダ等?)がある模様です。

・ ユビデカレノン(別名:コエンザイムQ10)について
国内では医薬品(販売名:ノイキノン他)として承認されている。
なお、承認されている適応と主な副作用は、次のとおりです。
適応 :医薬品としての効能 略

ユビキノンは日本では1970年代から医療用医薬品として軽度及び中等度のうっ血性心不全症状などに用いられてきました。また、複数の製薬メーカーが、一般用医薬品(OTC医薬品)・医薬部外品として、一般消費者向けの商品を発売しています。安全性は比較的高く、米国ではコエンザイムQ10の名称でサプリメントとして広く用いられており、医師の処方箋なしに消費者が直接店頭などで購入できます。

日本でも2001年に医薬品の範囲に関する基準(いわゆる「食薬区分」)が改正され、さらに2004年化粧品基準が改正されて、健康食品や化粧品への利用に道が開かれた。その結果、抗老化作用を訴求したユビキノン(コエンザイムQ10)含有の健康食品や化粧品がブームとなりました。しかしながら、そのような薬効を臨床的に検討したデータはまだ乏しく、詳細な効果についてはまだ詳しくわかっていないとされています。

摂取量については、どの程度までなら摂取しても安全なのか、などといった推奨量や上限量はまだよくわかっておらず、今後の研究が待たれます。また「多量に摂取した場合に軽度の胃腸症状(悪心、下痢、上腹部痛)」があらわれるという報告もあります。

ユビキノンから開発された「イデベノンIdebenone(アバン)」は脳循環・代謝改善剤として使用されていましたが、日本では1998年に医薬品の承認を取り消されています。
適応: 軽度及び中等度のうっ血性心不全症状
副作用: 胃腸障害、過敏症 等 です

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