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2014年9月20日

5844 眼瞼腫瘍の診断の講義、東京医科大学木村先生、聴講記

DSCF0097(BCC http://www.mrcophth.com/oculoplasticgallery/1lowerlidbccwithreconstruction/oculoplasticgallery.htmlから借用)
眼瞼腫瘍の診断:の講義を聞きました。今日は東京都眼科医会卒後研修講義があり、そのサブ司会者でしたので、医院を手伝ってくださった後輩とお昼を食べた後、四谷の東京都眼科医会の事務所に向かいました。本日のテーマは眼窩腫瘍で、最初は東京医科大学、木村先生の眼瞼腫瘍の診断です。

1、 眼瞼腫瘍はその色合いから黄色、黒、赤に分けられます。

2、 今日の話では、良性腫瘍と悪性腫瘍を頻度順に5つほどあげて、それぞれの特徴を示します。

3、 霰粒腫はマイボーム腺の慢性肉芽腫でその形はポリープ状にもなることがあります。それはその形から次の3種類に分類できます。1)限局型、2)瀰漫型、3)ポリープ型ですその鑑別診断には(DD)麦粒腫、乳頭腫、脂腺癌があります。

老人や、再発するなどの特徴がある霰粒腫では病理診断がが必須です。

4、 母斑(良性腫瘍の第2位です)、表面がつるつる、てかてかしています。
その色合いは茶色、黒、皮膚色までがあります。病理では、真皮外母斑、接合部母斑、真皮内母斑の3つを分けます。

5、 脂漏性角化症(これは良性腫瘍の第3位です)表面が凸凹、カサカサしています。

6、 乳頭腫(ヒトパピローマウイルス6型や11型への感染が原因で、血管を伴うのが特徴です。)

7、 表皮様嚢種、(これが良性腫瘍の5位です)

8、 マイボーム腺嚢胞もあります。

次に頻度から見た悪性腫瘍を示します。

基底細胞癌(BCC:basal cell carcinoma)38%、脂腺癌(SGCsebacious gland carcinoma)25%,扁平上皮癌(SCC,squamous cell carcinoma) 23%,――ここまでで悪性腫瘍の86%が含まれてしまいます。

1、 基底細胞癌 日本人では色素を伴う。下眼瞼で、黒い辺縁不整な隆起性の形状をしめします。これなら眼瞼結膜は綺麗です。病理はパリセーデイング(花冠状)。発育は緩徐で、転移はしません。

2、 脂腺癌、悪性腫瘍の第2位です。リンパ転移が5から23%みられ、pagetoid spreadという広がりかたを示します。 上瞼に多いです。切除したときに粥状の霰粒腫とは違って。脂腺癌は黄色くぼろぼろとしたものが出るとされています。脂腺腺腫というものもありまする。

3、 扁平上皮癌(悪性の第3位です)5年再発率は20%と低いです。

4、 悪性黒色腫 無色素性のものもある。2年での再発は50%です。

5、 悪性リンパ腫 悪性腫瘍の5位です。 MALTリンパ腫(まわりの構造に自らの形を合わせたようなmolding型を示します。)が多く、び漫性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)DLBCLもあります。

6、 補足:メルケル細胞癌

7、 補足;結膜MALTリンパ腫

症例1:涙小管炎:50代女、放線菌などが出ます。涙小点を外側に切開して砂状の内容物を取り出します。霰粒腫や涙小管炎ではその2割が最初の診断とは診断が違うことがあります。

症例2、クラミジア:これならジスロマック内服がよいです。点眼はクラビットなど、アミノグリコシドとも言います。

症例3、マイラゲル、剥離の手術にその昔使われた手術材料ですが、術後に時間がたつと、8倍に膨化し、画像はあたかも腫瘍のようにみえます。

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今日の講義で覚えておくべき単語を2つ清澤が勝手に拾ってその解説を探してみました。、

良性のものでは
1)脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)=老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)のことです

 手のひら、足の裏以外の皮膚であれば、全身どこにでも発生。とくに顔面、頭部、前胸部、背部によくみられる。色は褐色調ですが、健康な皮膚に近い色調のものから黒色調のものまでさまざまな濃さのものがあります。大きさは数mmから2〜3cmくらいで、わずかに盛り上がるものから突出したしこりになるものまであります。

 表面はざらざらしていることが多く、汚れた毛穴のような黒点が多数みられることもあります。

老人性疣贅(脂漏性角化症)の診断と治療の方法

 良性腫瘍であることから、この病気の多くは治療の対象になりません。診断が不確かなもの、炎症を起こしたり、頭部でくしに引っかかるなどして日常生活上不便を来すもの、顔面などで見た目に問題のあるものなどが治療の対象になります。現在では、高齢者であっても、とくに見た目の理由から治療を希望する人が多くなっています。

 治療法としては、手術、凍結療法、レーザー治療、電気外科的治療などがあります。診断が不確かな場合には、手術または生検(組織を一部切り取って調べること)をして病理検査を行う必要があります。

 見た目やダーモスコピー検査で診断が確実な場合には、手術以外の治療でも十分です。とくに液体窒素(ちっそ)を用いて病変を凍らせてしまう凍結療法は、他の治療法と違って麻酔を必要とせず、簡便なためによく行われます。凍結後は、1〜2週で自然にとれます。(田村 敦志先生の記述を参考にしました。)

悪性疾患では
2)び漫性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL):

眼窩腫瘍としての悪性リンパ腫の中にこの概念が最近は作られているようです。
びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(びまんせいだいさいぼうがたBさいぼうせいリンパしゅ、英: diffuse large B-cell lymphoma, DLBCL)は、小型リンパ球の2倍を超えた、あるいは正常の組織球の核と同等かそれ以上の大きさの核を有する大型のB細胞性の腫瘍細胞が、びまん性の増殖を示す疾患である。生物学的・臨床病理学的に異種なものを包括した疾患概念のため、さらに細かな分類がなされている。一部のDLBCLは、低悪性度リンパ腫(主に濾胞性リンパ腫)からの組織学進展から形質転換したものである。

◎ Kiyosawa M, Ohmura M, Mizuno K, Fukuda H, Hatazawa J, Ito M, Abe Y, Matsuzawa T, Ido T. [18F-FDG positron emission tomography in orbital lymphoid tumor].Nihon Ganka Gakkai Zasshi. 1985 Dec;89(12):1329-33.
わたくしの東北大学での学位に関連した仕事のうちの臨床研究の部分です。腫瘍の悪性度が腫瘍の糖代謝が反映されるという仮説で当時出始めたPETを使って、反応性リンパ球増殖、非典型的リンパ球増殖、眼窩悪性リンパ腫と糖代謝の関係を論じました。その中の悪性リンパ腫は今の概念ですとこのDLBCLに含まれそうです。

◎ Miyanaga M, Kiyosawa M, Takase H, Eishi Y, Shen DF, Chan CC, Mochizuki M:Microdissection and gene rearrangement analysis of paraffin-embedded specimens of orbital malignant lymphoma.,Jpn J Ophthalmol,2004.03; 48 (2) : 123-127 医科歯科大学で経験した悪性リンパ腫のパラフィン包埋標本から細胞の核を拾って遺伝子のリアレンジメントの有無を調べられたという2004年のペーパー、病理の江石先生も共著者になっていただきました。

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