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2014年9月18日

5837:アルツハイマー発症前の神経変化:東京医科歯科大岡沢均教授ら

アルツハイマー発症前の神経変化、17種のたんぱく質が関与-東京医科歯科大
掲載日 2014年09月18日

 東京医科歯科大学難治疾患研究所の岡澤均教授らのグループは、アルツハイマー病の発症前に起こる神経細胞内の分子機構の変化を突き止めた。同疾患のモデルマウスを使い、同疾患と関連のあるリン酸化を受けるたんぱく質を網羅的に探索、発症前に変化が起こる複数のたんぱく質を特定した。同たんぱく質を指標にすることで、新たな診断法や治療薬の開発に結びつく可能性があるという。

 同疾患の脳内には「アミロイド(A)β」というたんぱく質が蓄積することが知られているが、Aβの蓄積が観察される時には、すでに病気が進行していると考えられている。今回特定したたんぱく質の変化はAβの蓄積よりも前に起こるため、同疾患の早期の病態を知る重要な手がかりになると期待される。

 グループはモデルマウスの解析などから、発症に関与する17種類のたんぱく質を特定した。これらのたんぱく質は神経細胞同士の接続を作るのに重要な働きを持つことが分かった。

注:日刊工業新聞:

脚注:アルツハイマ―病の生化学(ウィキペディアから抜粋)

アルツハイマー型認知症は、タンパク質のミスフォールディングによって起こる疾患である。アルツハイマー型認知症では、脳内で異常に折りたたまれたアミロイドβと呼ばれるタンパク質が蓄積することが分かっている。アミロイドβは短いペプチドであり、膜貫通タンパク質である「アミロイド前駆体タンパク質」(Amyloid precursor protein, APP)の異常分解産物である。

アミロイドβが高濃度に存在すると、アミロイドβは激しいコンホメーション変化を起こしてβシートに富んだ三次構造を呈し、凝集を経てアミロイド線維を形成する。形成されたアミロイド線維は神経細胞の外部に蓄積し、高密度に蓄積したものを「老人斑」、低密度に蓄積したものを「拡散斑」と呼ぶ。

アルツハイマー型認知症は、タウタンパク質の異常凝集が原因となるタウオパチーと呼ばれる疾患の一種であると考えられている。タウタンパク質は神経細胞で発現している微小管随伴タンパク質で、普段は細胞骨格において微小管の安定化に働いている。

線維形成のプロセスに関して、最近の研究結果から、プロリルイソメラーゼの一種を欠損させると、異常タウの蓄積が亢進されることが分かっている。

神経伝達物質アセチルコリンの量は低下する。同じく神経伝達物質であるセロトニン、ノルエピネフリン、ソマトスタチンの量にも減少が見られることが多い。グルタミン酸の量はたいてい増加する。

発症機構

アルツハイマー型認知症の組織学的特徴は多くが明らかとなっているが、何が主要が原因となっているかという問題については、3つの仮説が共存しているのが現状である。

最も早くに提唱された仮説は、コリン作動性シグナル伝達の欠損が、病気の進行のきっかけになっているのではないか、という物である。
その他、タンパク質のミスフォールディングが原因なのではないかと主張する2つの仮説があり、タウタンパク質もしくはアミロイドβがカスケード反応の発端となっているのではないかと言われている。

現在、研究者の間でこれら3つの仮説を証明・反証するような経路は発見されていないが、アミロイドβが病気の発端であるとする多くの仮説が提唱されており、これら3つの可能性の中では最近になって最も幅を利かせる仮説となっている。

◎コリン作動性仮説

最も長い歴史を持つ仮説が「コリン作動性仮説」である。この仮説によれば、アルツハイマー型認知症はアセチルコリンの産生不全によって発症するという。

より最近では、ミスフォールドし凝集体したタンパク質(アミロイドβとタウ)の影響が有力な仮説となっている。

◎タウ仮説

主要原因物質がタウであるという仮説は、アミロイド斑の沈着が神経細胞の脱落と相関していないという観察結果を基礎としている。

◎アミロイド仮説

アミロイド仮説は、もともと屈し難い仮説である。というのも、アミロイドβの前駆体であるAPPをコードしている遺伝子が21番染色体にあるが、そのトリソミー患者(ダウン症)は、ほぼ例外なく40歳までにアルツハイマー型認知症によく似た症状を呈するからである。

眼科医清澤のコメント;
アルツハイマー病には興味を持った時期があったのですけれど、このような歴史を読むとわたくしが1986年ころに、JCバロン教授の下で従事した研究はアセチルコリン仮説を追ったアルツハイマ―病研究では初期の流れの中にあったことが分かりました。モデル動物におけるその病巣分布から視覚症状の存在を疑ったのは良かったですけれど、その考えは少し筋違いでもあったようです。

1)Time course of effects of unilateral lesions of the nucleus basalis of Meynert on glucose utilization by the cerebral cortex. Positron tomography in baboons.
Kiyosawa M, Baron JC, Hamel E, Pappata S, Duverger D, Riche D, Mazoyer B, Naquet R, MacKenzie ET. Brain. 1989 Apr;112 ( Pt 2):435-55.

2)Cortical hypometabolism and its recovery following nucleus basalis lesions in baboons: a PET study.
Kiyosawa M, Pappata S, Duverger D, Riche D, Cambon H, Mazoyer B, Samson Y, Crouzel C, Naquet R, MacKenzie ET, et al. J Cereb Blood Flow Metab. 1987 Dec;7(6):812-7.

そして、アルツハイマー病の眼科的な臨床像に注目した下の研究ではその原因には目が向いてはいませんでした。

3)Alzheimer’s disease with prominent visual symptoms. Clinical and metabolic evaluation. Kiyosawa M, Bosley TM, Chawluk J, Jamieson D, Schatz NJ, Savino PJ, Sergott RC, Reivich M, Alavi A. Ophthalmology. 1989 Jul;96(7):1077-85;

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