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2014年9月16日

5833 教科書には載っていない、大日本帝国の情報戦(濱田浩一郎著)読書記

無題
教科書には載っていない、大日本帝国の情報戦という濱田浩一郎著の本をこの連休には読んでいました。
 題名からして、いかにも怪しげな本ではありますが、現代の日本には国際情報戦を戦える組織があるのだろうか?と不安になりました。第二次大戦では日本の暗号はすべて米軍によって破られていたといいます。暗号を使う側に自覚がないと、新しい暗号と古い暗号を混じて使うようなことをすると、そのことがロゼッタ石になって暗号解読の手がかりを敵に与えてしまいます。

第1章;太平洋戦争 激烈な情報戦の真実
 極秘の捕虜訊問センターの内幕:には米軍がいかに捕虜からの情報を聞き出すのに力を尽くしていたかが記載されています。日本兵の死体に残された日記や手帳には重要な日本軍の情報が満載であったそうです。

第2章;明治日本の情報攻防戦
日清戦争も日露戦争も日本は情報の獲得と、敵の背後を襲う謀略には力を入れていたようです。有名な明石大佐の反ロシア工作では武器運搬船が拿捕されたりという不手際もあったそうですが、ポーツマス条約の締結には、別の金子賢太郎の広報工作も功があったそうです。

第3章:日本の情報戦 衰退のなぞ
太平洋戦争は勝利によって招かれた敗北という言葉に集約されます。日独防共協定の準備では軍部が政府を差し置いて突出していて、激しい諜報戦の中で誕生しています。中国国民党は日本に対して恐るべき宣伝謀略を展開しており、当時の住民人口よりも多くを虐殺したという南京虐殺事件の虚構も国際的な同情を得るためにする報道で作られたとされていました。ノモンハン事件は実は5分5分で、喧伝されたほどのソ連に対する負け戦ではなかったのではないか?。ゾルゲの暗躍は尾崎秀実など政府内にまで分子を獲得した目覚ましいものであり、近衛首相にも青天の霹靂であった。戦争直前に模擬内閣で行われた机上演習でも太平洋戦争の敗戦は明らかに予見されて居たのに、日本は戦争に突入していった。これは情報ないし事実を見る目を閉ざす行為であった。

第4章:大日本帝国 謀略組織の闇
此処には陸軍中野学校が出てきます。ここには各部隊から優秀な人材を集め、民間人の服装で破壊活動に従事する人材を約10年間にわたって2131名も養成しました。陸軍の登戸研究所は秘密兵器の開発に邁進しましたが、その研究は偽札作り、風船爆弾、殺人光線(レーザー光線)などであったそうです。満州に設置された石井部隊は細菌化学兵器の研究開発にあたりましたが、もちろんその研究目的も研究手段もともに国際法に明確に反しています。しかも得られた結果もそれほどのものはなかったようです。

第5章:敗戦 スパイたちの戦後史
キャノン機関と日本の再軍備、特務機関員のその後、小野田寛郎の長すぎた戦争などが述べられています。

清澤のコメント:
それにしてもわたくしが不思議に思うのは、シベリアなどに抑留された兵士などを除き、終戦から間もなく武装解除を受けるまでもなく、各地の日本軍が部隊としても、装備や資産までもが、急速に雲散霧消し消滅してしまったことです。軍が戦う集団であったとしても、負けた国の軍というのはかくも簡単に消滅してしまえるものだったのでしょうか?復員とか解散とかの命令は何時どのように出されたのかが気になります。

先の失敗を次の戦に生かすというセンスは今でも日本人には乏しいようです。このような過去の事実を見ることは決して心地よいことではありませんが、必要そうです。確かに日本人にはお人好しなところがあって、戦時中の慰安婦問題にしてもリベラルから保守までが事実を離れて「性奴隷の存在はよくない」という事を「国による徴発があった」とすり替えてしまったという事もあったように思われました。「そういう宣伝をすることで得をするのは誰か?」と、もう一度落ち着いて振り返る必要がありそうです。

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