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2014年9月1日

5780:帯状疱疹は眼にも起こります

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帯状疱疹の概念;
帯状疱疹は、体の片側の皮膚の節に沿って起きる強い痛みと、4~5日後にその部分にできる水泡を特徴とする疾患です。その部分の皮膚の違和感は皮膚の発疹に先行するので、患者さんの話をよく聞かないと、診断が遅れかねません。原因は子供がかかる「水ぼうそう」のウイルスつまり「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV:バリセラゾスターウイルス)」。なのですが、初感染ではなくて神経細胞が集まって神経が太くなった部分である神経節に小児の時から数十年も潜伏していたウイルスの再活性化によるものであるといわれています。

帯状疱疹を起こしやすい条件
老人に多く、加齢は最大のリスク要因です。85歳の人の半数もが帯状疱疹を経験しているという話も合って、決してまれな疾患ではありません。また、ストレスもリスクファクターです。季節の変わり目、これからの9-11月に多いという人もいます。国内で帯状疱疹を発症する人の数は年々増加傾向にあるという報告があって、ウイルスに接触する機会の減少が帯状疱疹のウイルスに対する免疫力の低下原因なのではないかという説もあるようです。

眼部帯状疱疹:
眼科で問題になる帯状疱疹は三叉神経の第1番目の枝に出る眼窩神経の帯状疱疹です。普通は何も発疹のない上瞼や前惻頭部の皮膚に痛みを感ずるところから始まります。4から5日程度するとその部分の皮膚は赤く腫れ、点々とした赤い発疹を示します。発疹はまもなく水ぶくれになり、2週間ほどでかさぶたに代わります。それもやがて、多少の色素沈着程度の外表変化を残して消えます。

後遺症:
一番多い後遺症は帯状疱疹後神経痛(PHN;ポストヘルペティックニューラルジア)と呼ばれる慢性の痛み。帯状疱疹の症状が重かった人、60歳以上の人は特に残りやすいとされます。発症から3カ月経っても痛みが残るとそれと診断します。眼周囲に発疹が出る場合では、発症中に眼筋麻痺が見られて、それがあとまで残ったり、その炎症がぶどう膜炎を起こしてそれが虹彩の萎縮や癒着を残すこともあります。顔面神経麻痺や、難聴などの「ラムゼー・ハント症候群」などもあります。

眼科における特殊型の帯状疱疹としての急性網膜壊死
眼球内に強い炎症を起こし、数日の炎症ののちに網膜をぼろぼろにして、網膜剥離によって失明することで終わる恐ろしい疾患が急性網膜壊死症です。この疾患は、東北大学で昭和40年代頃に発見された疾患でげにん不明の桐沢型ブドウ膜炎とされたものです。現代ではPCRというわずかなウイルスの残渣を検出できる検査法によって、その多くが帯状疱疹と同じ水痘・帯状疱疹ウイルスで起きていることが分かるようになりました。そして、硝子体切除を行って抗ウイルス薬を眼会いに入れることである程度の患者さんが救えるようになりました。

治療法:
後遺症を防ぐには、早めの診断としっかりした抗ウイルス薬の服薬、そしてゆっくりと休養をとることが必要であるとされています。治療には抗ウイルス薬が使われ、ファムシクロビル(ファムビル)、バラシクロビル塩酸塩(バルトレックス)などの薬が使われます。重症の場合は入院させて点滴治療する場合もあります。鎮痛剤や副腎皮質ホルモン(ステロイド)も併用されます。抗ウイルス薬の薬価は高価ですから、はっきりそれと分からぬ症例には処方できません。眼部帯状疱疹が疑われる症例に対しては、眼科ではまずゾビラクス眼軟膏を処方しておいて、同時に皮膚科に診断の確認と内服薬の処方を依頼します。この抗ウイルス薬はウイルスを殺すのではなく、増えるのを防ぐもの。体内のウイルス量が少ない早い段階で飲み始めることと、症状が治まってもきちんと飲み切ることが進められています。理想的には皮膚に症状が出てから72時間(3日)以内に飲み始めるべきであるとされています。鎮痛薬のトラマドール塩酸塩とアセトアミノフェンを配合した「トラムセット」や強力な鎮痛剤のリリカも使えるようになっています。治療としての水痘ワクチンの効果は不明です。

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