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2014年8月31日

5772:第30回 神経眼科真鶴セミナー 聴講記②(8月31日午前)

真鶴セミナーは毎年夏休みが終わるころに行われる神経眼科の泊まり込み講習会です。今回も神経眼科相談医への呼称獲得のための講習会を兼ねています。その概要を解説してみます。
演者名はプログラムに従いますが、質疑応答は興味深い内容ですが発言者の同意を得てないのでW先生などとイニシャルに修正しました。症例は詳しくは再現しないでおきます。

演題8).内頸動脈ー後交通動脈動脈瘤(IC-PC動脈瘤)による動眼神経麻痺を合併したHorner症候群の一例 池田哲也、ほか 北里大

清澤の(内心での)コメント:IC-PC動脈瘤と動眼神経麻痺は神経眼科医なら知らぬ者のない組み合わせですが、それにホルネル症候群が加わったとなると珍しいわけです。(⇒以前の解説記事)。ホルネル症候群の点眼試験には、ネオシネジン5培溶液も使えると聞きました。

演題9)、視線視野計開発の試み 古田歩(前田眼科医院) 仲泊聡(リハ研)

聞き取った要旨は:完成品ではないが、Remote eye tracking RED (SMI co,)を用いてTMPS(targetmotion-provoking saccde)という反応を記録し、それを利用する視野系を考案したと。利用した機械のHPはこちらにありました。;http://www.smivision.com/en/gaze-and-eye-tracking-systems/products/redm.html

清澤の内心でのコメント;視線視野計とはそのアイデアが秀逸。

質疑応答から;
W:優れたアイデアであろう。昔紹介した、オクロカイネティック・ペリメトリー(ダマート先生)のアイデアにもつながるものだ。

O:レーベル病では特に動きに対する感度が残っているから、それが測定できるかもしれない。

K:(半盲+求心性)のものに有効かもしれない。この機械で「ブラインドサイト」が測れるということなのか?

U:視標がどこに出るかわからぬのできょろきょろする?検査前の説明の統一が必要かもしれない。

T:半盲の責任病巣にもよるのだけれど。視線を動かすトリガーがブラインドサイトなら反応の潜時は膝状体経由の場合よりも短いかもしれない。

演者:杆体からの繊維は膝状体外視覚系には投射されないかもしれないと考えて実験している。

演題10) 小児の甲状腺眼症の2症例 畑浦哲尚 
第1例:男児、抗アセチルコリン受容体抗体陽性も同時に陽性、のちに筋無力症が全身化した。第2例:少女のバセドー:悪化なしの2例を提示。

○甲状腺眼症は小児のバセドーの3分の一にある、一般に軽症で、甲状腺機能の亢進時に発生する。治療は経過観察でよいことが多い。治療方針は;2006年EUGOGOに出ている。経過観察で見ていてよく、ステロイドはなるべく使わず、放射線も使わない:とのこと。

まとめ:複視もないのでケ゚ナコルトも不要とした。

O:眼球突出にデタントールはいかがか?(答え:ルミガンでも:脂肪を減らして有効という意味で試せるとのコメントあり)
G:小児の甲状腺眼症例では抗TPO抗体が高いらしい

清澤の聴講後の(内心での)コメント:
(小児の甲状腺眼症の一般的な取り扱いを的確に述べていた。)一般的な成人の甲状腺眼症と眼窩筋炎のの記述はこちら;(https://www.kiyosawa.or.jp/archives/50445877.html)

演題11)視神経脊髄型多発硬化症に見られた非器質性視力障害

すでにMSでステロイドパルス治療を複数回施行していた。関連する単語は:フィンゴリモド(イムセラ:これも調べておこう;https://www.kiyosawa.or.jp/?blog_id=1116335に答え作成しました。)

質疑応答:
W:詐病と非器質性疾患の鑑別はむつかしい。虚偽性障害という精神科での概念もある。詐病でも非器質性障害でも疾病利得はどちらにもある。

O:視力が右0,1と左0,1でありながら立体視がよいというのは、非器質性疾患と見ることはできるが、だからと言ってそのような症例を詐病とするのには危険があるだろう。

演題12) 眼球運動制限を伴う強膜炎・外眼筋炎で治療に苦慮した一例 岩佐真弓(井上眼科)他。

眼窩炎症で眼圧右が48mmHg.(ステロイド緑内障?)、右眼の上、下、内転制限。MRIでも筋の腫大あり。MTX投与などを予定した。ステロイド緑内障があって眼圧の制御がむつかしく、水晶体も取り、レクトミーも行った。治療はステロイドからMTXに移り、ほぼ順調と。

質疑応答:なぜ特にMTXを使ったか?使い慣れたのがMTXだからという説明。S:ネオーラルも考えられなくはないが。

特発性眼窩炎症に放射線療法はあまり効かないともいわれる。(放射線照射は、最後の手段として残す。ステロイド量の多くなったとき?に使う。)

この演題に関連する単語解説:

◎メトトレキセート:(一般名 メトトレキサートMTX) 、製品例:リウマトレックスカプセル。区分は、 他の代謝性医薬/抗リウマチ剤/抗リウマチ剤

概説 関節の腫れや痛みをおさえるお薬。おもに、関節リウマチの治療に用いる。
作用 :この薬は抗リウマチ薬です。免疫系の亢進状態を強力におさえ炎症をしずめる。実際の臨床効果にも優れ、はっきりとした効果が1~2カ月であらわれます。【薬理】免疫機能や炎症にかかわる 免疫グロブリンや炎症性サイトカインのインターロイキンなどの産生をおさえ、さらに滑膜組織や軟骨組織の破壊にかわるコラゲナーゼ産生を抑制する。また、異常な血管新生や滑膜増生を抑制する作用も持ち合わせている。

◎ネオーラル( 一般名 : シクロスポリン ):概念:体の免疫をおさえるお薬です。臓器移植後の拒絶反応の予防薬とするほか、免疫系の病気にも用います。 高ぶった免疫の働きを抑制する「免疫抑制薬」。免疫を担当するリンパ球の働きを強力に抑制する作用がある。腎移植など臓器移植後の拒絶反応の予防に用いるほか、目のベーチェット病やネフローゼ症候群、再生不良性貧血、さらには重症筋無力症やアトピー性皮膚炎など、免疫系がかかわる病気にも有効。

演題13) 再発性視神経炎の経過観察中にIgG4関連疾患を認めた一例

IgG4関連疾患では再燃時のパルスへの反応はよい。

S先生コメント:IgG4関連疾患では確定診断には涙腺など可能な部分で生検しないと診断は確定できない。そのあと後腹膜炎や膵炎も除外する必要がある。疑わしい症例では視神経炎でも今後はIgG4採血をルーチンにするのがよいかもしれない。狭義の自己免疫性視神経炎や眼窩炎症を伴うものでも、東京都ならば国民健康保険保険は眼窩腫瘍で通るようになっているとのこと。

清澤の内心でのコメント:ミクリッツ病の原因となるIgG4はIOH(原発性眼窩炎症)の原因として知られているが、最近は上記のコメントのように視神経炎の一部でも要請になるという話は覚えておくべきことのようでした。(⇒清澤眼科医院通信、関連記事ミクリッツ病https://www.kiyosawa.or.jp/archives/51349613.html)
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前日の午後分と、大出先生の心因性視力障害の話は準備中です。

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